1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Anton Bruckner: Symphony No.8 in C minor
Hallé Orchestra / John Barbirolli
(Rec. 20 May 1970, Royal Festival Hall)
アントン・ブルックナー(Anton Bruckner, 1824-1896)の交響曲第8番です。
この作品については、以前に述べた記事があるので、適宜ご参照下されば幸いです。
本CDでは、ジョン・バルビローリ(John Barbirolli, 1899-1970)が手兵のハレ管弦楽団を指揮して演奏しています。
バルビローリは、ロンドンに生まれた指揮者ですが、ジョヴァンニ・バッティスタ・バルビローリ(Giovanni Battista Barbirolli)という本名から分かるように、イタリア人の血が流れています。(母親はフランス人でした。)
マンチェスターに本拠を置くハレ管弦楽団とは1943年からの付き合いで、バルビローリが就任したときには、団員の多くが第二次世界大戦に従軍してしまったために33人ほどしか楽団員が残っていなかったといいます。
このオーケストラをイギリス随一のオーケストラのひとつといわれるまでに再建した点に、バルビローリの大きな功績があり、1949年には、その功績が讃えられてナイトに叙されています。ゆえに、イギリスでは「サー・ジョン」として広く親しまれ、尊敬された指揮者でした。
1969年には王室から名誉勲位を授けられ、更なる活躍が期待されましたが、ハレ管弦楽団と大阪万博での来日を目前に控えた1970年に心臓発作を起こして急死してしまいました。
そんなバルビローリが、亡くなる10週間ほど前にライヴ録音したのが、本演奏の記録です。
心臓疾患に悩まされながらも指揮台に立っていた1970年のバルビローリにとって、一度一度が生か死かのギャンブルのようなステージだったようです。
ステージに立てるうちに、自分のやりたいことをやり尽くしたいと思ったのか、オルガンの響きをモチーフにしたといわれるブルックナーの交響曲のイメージを悉く覆しています。
多少の瑕疵はものともせず、フレーズの一つ一つに情念を込めて歌わせています。第1楽章は暗闇から魔物の心臓を抉り出してくるような凄みを感じさせますし、第2楽章のスケルツォの中間部分など、恥も外聞もなくヴァイオリンが泣き節を披露しています。どこをとっても、ブルックナーならではの信仰告白的なイメージはなく、ひたすら人間の煩悩をさまざまな形で表現しているような音楽になっています。
グスタフ・マーラーの交響曲のような世界観を感じさせる音楽ですが、思えばマーラーも、ブルックナーの元で修行をしていた作曲家でした。本CDの音楽は、そうしたブルックナーとマーラーの連環を思い起こさせてくれる委嘱の演奏です。
最晩年のバルビローリは、日本での演奏に向けて気合を入れまくっていたという話も耳にしたことがありますが、こんな気合の入った音楽が日本でも実現していたら、語り草になっていたであろうと思われます。
この作品については、以前に述べた記事があるので、適宜ご参照下されば幸いです。
本CDでは、ジョン・バルビローリ(John Barbirolli, 1899-1970)が手兵のハレ管弦楽団を指揮して演奏しています。
バルビローリは、ロンドンに生まれた指揮者ですが、ジョヴァンニ・バッティスタ・バルビローリ(Giovanni Battista Barbirolli)という本名から分かるように、イタリア人の血が流れています。(母親はフランス人でした。)
マンチェスターに本拠を置くハレ管弦楽団とは1943年からの付き合いで、バルビローリが就任したときには、団員の多くが第二次世界大戦に従軍してしまったために33人ほどしか楽団員が残っていなかったといいます。
このオーケストラをイギリス随一のオーケストラのひとつといわれるまでに再建した点に、バルビローリの大きな功績があり、1949年には、その功績が讃えられてナイトに叙されています。ゆえに、イギリスでは「サー・ジョン」として広く親しまれ、尊敬された指揮者でした。
1969年には王室から名誉勲位を授けられ、更なる活躍が期待されましたが、ハレ管弦楽団と大阪万博での来日を目前に控えた1970年に心臓発作を起こして急死してしまいました。
そんなバルビローリが、亡くなる10週間ほど前にライヴ録音したのが、本演奏の記録です。
心臓疾患に悩まされながらも指揮台に立っていた1970年のバルビローリにとって、一度一度が生か死かのギャンブルのようなステージだったようです。
ステージに立てるうちに、自分のやりたいことをやり尽くしたいと思ったのか、オルガンの響きをモチーフにしたといわれるブルックナーの交響曲のイメージを悉く覆しています。
多少の瑕疵はものともせず、フレーズの一つ一つに情念を込めて歌わせています。第1楽章は暗闇から魔物の心臓を抉り出してくるような凄みを感じさせますし、第2楽章のスケルツォの中間部分など、恥も外聞もなくヴァイオリンが泣き節を披露しています。どこをとっても、ブルックナーならではの信仰告白的なイメージはなく、ひたすら人間の煩悩をさまざまな形で表現しているような音楽になっています。
グスタフ・マーラーの交響曲のような世界観を感じさせる音楽ですが、思えばマーラーも、ブルックナーの元で修行をしていた作曲家でした。本CDの音楽は、そうしたブルックナーとマーラーの連環を思い起こさせてくれる委嘱の演奏です。
最晩年のバルビローリは、日本での演奏に向けて気合を入れまくっていたという話も耳にしたことがありますが、こんな気合の入った音楽が日本でも実現していたら、語り草になっていたであろうと思われます。
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