1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Hector Berlioz: La Damnation de Faust
Suzanne Danco (S: Marguerite)
David Poleri (T: Faust)
Martial Singher (Br: Méphistphélès)
Donald Gramm (Bs: Brander)
McHenry Boatwright (Bs: Épilogue sur la terre)
David Poleri (T: Faust)
Martial Singher (Br: Méphistphélès)
Donald Gramm (Bs: Brander)
McHenry Boatwright (Bs: Épilogue sur la terre)
Harvard Glee Club
Radcliff Choral Society (Chorus master: George Wallace Woodworth)
Boston Symphony Orchestra / Charles Munch
Radcliff Choral Society (Chorus master: George Wallace Woodworth)
Boston Symphony Orchestra / Charles Munch
(Rec. 21 & 22 February 1954, Symphony Hall, Boston)
劇的物語《ファウストの劫罰》は、エクトル・ベルリオーズ(Hector Berlioz, 1803-1869)が1844年から1846年にかけて書き上げられた、ベルリオーズの代表作のひとつです。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの『ファウスト』を読んだベルリオーズは、1828年に《ファウストによる8つの情景》を書き上げ、これを自費出版します。
この出版した楽譜をゲーテにも送りましたが、ゲーテ側は、これを相手にせず、ベルリオーズも、この作品を撤回し、『ファウスト』を音楽化する計画を一時中止にしました。
しかし、『ファウスト』の音楽化の夢は潰えず、かつて作った《ファウストによる8つの情景》を軸にして、この《ファウストの劫罰》を作り上げました。作品は、ゲーテの『ファウスト』のあらすじを勝手に作り変えています。
作品は、4つの部分からなり、第一部はハンガリーの平原が舞台になります。
ゲーテの原作では、ファウストはハンガリーになど行っていないのですが、ベルリオーズの発表したラコッツィ行進曲を、この作品にどうしても使いたくなり、その行進曲のルーツであるハンガリーに舞台を移すことで、使いたい音楽とのつじつまを合わせようとしたところがあります。
ハンガリーの平原で一人たたずむファウストは、老いてしまった自分にいじけてしまい、農民たちの春の訪れを喜ぶ歌や音楽を煩わしく思っています。また、ファウストは軍隊の行進にも出くわすものの、興味を示さず、ドイツの自宅へと帰ってしまうのでした。このハンガリーの軍隊の行進曲に、ラコッツィ行進曲を使っています。
第二部では、自宅の書斎での話になります。
いじけて人生に絶望したファウストは、自殺しようとしますが、外から聞こえるお祭り騒ぎに気を引かれて自殺を思いとどまります。そこに悪魔のメフィストフェレが現れ、ファウストの魂をもらう代わりにファウストに若さをプレゼントしました。
メフィストフェレは、ライプツィヒの酒場にファウストを連れていき、酔っぱらいたちと遊ばせようとしますが、ファウスト羽場の雰囲気に馴染めませんでした。
そこで、メフィストフェレはエルベ川のほとりにファウストを連れてきて、そこで幻影を見せます。
ファウストは、幻影の中のマルガレーテに一目惚れし、現実の中にマルガレーテを見つけようとしました。
第三部は、マルガレーテの家が舞台になります。
メフィストフェレがファウストを手引きし、マルガレーテの留守を見計らって家に忍び込み、帰ってきたマルガレーテにメフィストフェレが魔法をかけ、ファウストに惚れさせるように算段を整えます。
ファウストとマルガレーテは相思相愛になるものの、マルガレーテの母親にバレそうになって、ファウストは退散します。しかし、その一部始終を近所の人たちが見ていて、マルガレーテが男を連れ込んだと囃し立てるのでした。
第四部は、ファウストの地獄落ちです。
マルガレーテは、メフィストフェレが言うところでは、ファウストに会えるようにするために母親を殺してしまい、殺人罪で絞首刑に処せられるとのこと。マルガレーテを救いたい一心で、ファウストはメフィストフェレの家来になることにするものの、マルガレーテは結局死んでしまいました。
メフィストフェレはファウストを地獄へ引きずり込み、ファウストを火にくべて生贄にしてしまいました。
一方、死んだマルガレーテの魂は贖罪によって浄化され、天に召されていきました。
ベルリオーズ自身は、この作品をオペラだとは見做しませんでしたが、時折オペラ風の上演もなされることがあります。本CDのキャストは、
スザンヌ・ダンコ (マルガレーテ役)
デイヴィット・ポレリ (ファウスト役)
マルシアル・サンゲル (メフィストフェレ役)
ドナルド・グラム(ブランデル役)
マクヘンリー・ポートライト (エピローグの説明)
ハーバード・グリー・クラブ
ラドクリフ合唱協会 (合唱指揮:ジョージ・ウォーレス・ウッドワース)
ボストン交響楽団/シャルル・ミュンシュ
マルガレーテ役を歌うダンコ(Suzanne Danco, 1911-2000)は、ベルギー出身のソプラノ歌手です。古典派の音楽から20世紀前半のオペラまで幅広くこなしたことで、録音分野においても重宝され、数多くの録音を残している名歌手です。
ファウスト役ののポレリ(David Poleri, 1921-1967)は、夭逝のアメリカ人テノール歌手で、メトロポリタン歌劇場で活躍していた人でした。
メフィストフェレス役を歌うサンゲル(Martial Singher, 1904-1990)は、フランス出身のバリトン歌手で、主にパリ国立歌劇場で活躍した人です。アメリカのニューヨーク・シティ・オペラやメトロポリタン歌劇場などにも頻繁に出演していたことから、本CDにも参加することとなったようです。彼はフランス歌曲の教師としても知られています。
第二部に登場する酔っぱらいのブランデル役はアメリカ人バス歌手のグラム(Donald Gramm, 1929-1983)や、第四部の地上のエピローグで登場するボートライト(McHenry Boatwright, 1928-1994)は、メトロポリタン歌劇場と縁の深い名歌手です。特にグラムはベルリオーズの劇的交響曲《ロミオとジュリエット》の歌唱を得意としており、第二部のみの出演とはいえ、十分な存在感を示しています。ボートライトは、マリアン・アンダーソンらとともに黒人歌手の地位向上に貢献した人で、デューク・エリントンの妹婿としても知られています。
総指揮をとるシャルル・ミュンシュ(Charles Munch, 1891-1968)は、アルザス生まれの人で、もともとドイツ国籍を取得し、カール・ミュンヒ(Karl Münch)を名乗っていた時期があります。その後フランスに帰化してミュンシュを名乗るようになりました。元々はヴァイオリニストで、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンサート・マスターを務め、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーらの指揮下で演奏していた経験がありますが、そうしたものに感化されたミュンシュの指揮は、アンサンブルの精度よりも情熱を優先させたことで知られています。
本CDで演奏したころのボストン交響楽団は、ミュンシュを首席指揮者に据えて驀進していた頃にあたり、勢いのある演奏で、ベルリオーズの誇大妄想的な音楽を臆することなく表現しています。
ハーバード大学のグリー・クラブやラドクリフ合唱協会の合唱も、ボストン交響楽団同様に熱を帯びており、アンサンブル精度がどうこう言う前に、勢いで聴かせてしまいます。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの『ファウスト』を読んだベルリオーズは、1828年に《ファウストによる8つの情景》を書き上げ、これを自費出版します。
この出版した楽譜をゲーテにも送りましたが、ゲーテ側は、これを相手にせず、ベルリオーズも、この作品を撤回し、『ファウスト』を音楽化する計画を一時中止にしました。
しかし、『ファウスト』の音楽化の夢は潰えず、かつて作った《ファウストによる8つの情景》を軸にして、この《ファウストの劫罰》を作り上げました。作品は、ゲーテの『ファウスト』のあらすじを勝手に作り変えています。
作品は、4つの部分からなり、第一部はハンガリーの平原が舞台になります。
ゲーテの原作では、ファウストはハンガリーになど行っていないのですが、ベルリオーズの発表したラコッツィ行進曲を、この作品にどうしても使いたくなり、その行進曲のルーツであるハンガリーに舞台を移すことで、使いたい音楽とのつじつまを合わせようとしたところがあります。
ハンガリーの平原で一人たたずむファウストは、老いてしまった自分にいじけてしまい、農民たちの春の訪れを喜ぶ歌や音楽を煩わしく思っています。また、ファウストは軍隊の行進にも出くわすものの、興味を示さず、ドイツの自宅へと帰ってしまうのでした。このハンガリーの軍隊の行進曲に、ラコッツィ行進曲を使っています。
第二部では、自宅の書斎での話になります。
いじけて人生に絶望したファウストは、自殺しようとしますが、外から聞こえるお祭り騒ぎに気を引かれて自殺を思いとどまります。そこに悪魔のメフィストフェレが現れ、ファウストの魂をもらう代わりにファウストに若さをプレゼントしました。
メフィストフェレは、ライプツィヒの酒場にファウストを連れていき、酔っぱらいたちと遊ばせようとしますが、ファウスト羽場の雰囲気に馴染めませんでした。
そこで、メフィストフェレはエルベ川のほとりにファウストを連れてきて、そこで幻影を見せます。
ファウストは、幻影の中のマルガレーテに一目惚れし、現実の中にマルガレーテを見つけようとしました。
第三部は、マルガレーテの家が舞台になります。
メフィストフェレがファウストを手引きし、マルガレーテの留守を見計らって家に忍び込み、帰ってきたマルガレーテにメフィストフェレが魔法をかけ、ファウストに惚れさせるように算段を整えます。
ファウストとマルガレーテは相思相愛になるものの、マルガレーテの母親にバレそうになって、ファウストは退散します。しかし、その一部始終を近所の人たちが見ていて、マルガレーテが男を連れ込んだと囃し立てるのでした。
第四部は、ファウストの地獄落ちです。
マルガレーテは、メフィストフェレが言うところでは、ファウストに会えるようにするために母親を殺してしまい、殺人罪で絞首刑に処せられるとのこと。マルガレーテを救いたい一心で、ファウストはメフィストフェレの家来になることにするものの、マルガレーテは結局死んでしまいました。
メフィストフェレはファウストを地獄へ引きずり込み、ファウストを火にくべて生贄にしてしまいました。
一方、死んだマルガレーテの魂は贖罪によって浄化され、天に召されていきました。
ベルリオーズ自身は、この作品をオペラだとは見做しませんでしたが、時折オペラ風の上演もなされることがあります。本CDのキャストは、
スザンヌ・ダンコ (マルガレーテ役)
デイヴィット・ポレリ (ファウスト役)
マルシアル・サンゲル (メフィストフェレ役)
ドナルド・グラム(ブランデル役)
マクヘンリー・ポートライト (エピローグの説明)
ハーバード・グリー・クラブ
ラドクリフ合唱協会 (合唱指揮:ジョージ・ウォーレス・ウッドワース)
ボストン交響楽団/シャルル・ミュンシュ
マルガレーテ役を歌うダンコ(Suzanne Danco, 1911-2000)は、ベルギー出身のソプラノ歌手です。古典派の音楽から20世紀前半のオペラまで幅広くこなしたことで、録音分野においても重宝され、数多くの録音を残している名歌手です。
ファウスト役ののポレリ(David Poleri, 1921-1967)は、夭逝のアメリカ人テノール歌手で、メトロポリタン歌劇場で活躍していた人でした。
メフィストフェレス役を歌うサンゲル(Martial Singher, 1904-1990)は、フランス出身のバリトン歌手で、主にパリ国立歌劇場で活躍した人です。アメリカのニューヨーク・シティ・オペラやメトロポリタン歌劇場などにも頻繁に出演していたことから、本CDにも参加することとなったようです。彼はフランス歌曲の教師としても知られています。
第二部に登場する酔っぱらいのブランデル役はアメリカ人バス歌手のグラム(Donald Gramm, 1929-1983)や、第四部の地上のエピローグで登場するボートライト(McHenry Boatwright, 1928-1994)は、メトロポリタン歌劇場と縁の深い名歌手です。特にグラムはベルリオーズの劇的交響曲《ロミオとジュリエット》の歌唱を得意としており、第二部のみの出演とはいえ、十分な存在感を示しています。ボートライトは、マリアン・アンダーソンらとともに黒人歌手の地位向上に貢献した人で、デューク・エリントンの妹婿としても知られています。
総指揮をとるシャルル・ミュンシュ(Charles Munch, 1891-1968)は、アルザス生まれの人で、もともとドイツ国籍を取得し、カール・ミュンヒ(Karl Münch)を名乗っていた時期があります。その後フランスに帰化してミュンシュを名乗るようになりました。元々はヴァイオリニストで、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンサート・マスターを務め、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーらの指揮下で演奏していた経験がありますが、そうしたものに感化されたミュンシュの指揮は、アンサンブルの精度よりも情熱を優先させたことで知られています。
本CDで演奏したころのボストン交響楽団は、ミュンシュを首席指揮者に据えて驀進していた頃にあたり、勢いのある演奏で、ベルリオーズの誇大妄想的な音楽を臆することなく表現しています。
ハーバード大学のグリー・クラブやラドクリフ合唱協会の合唱も、ボストン交響楽団同様に熱を帯びており、アンサンブル精度がどうこう言う前に、勢いで聴かせてしまいます。
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