1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Gabriel Fauré: Requiem
Elly Ameling (S)
Bernard Kruysen (Br)
Netherlands Radio Chorus (Chorus master: Frans Müller)
Rotterdam Philharmonic Orchestra / Jean Fournet
Daniel Corzempa (Org)
Bernard Kruysen (Br)
Netherlands Radio Chorus (Chorus master: Frans Müller)
Rotterdam Philharmonic Orchestra / Jean Fournet
Daniel Corzempa (Org)
(Rec. March 1975, Rotterdam)
◈Gabriel Fauré: Pavane, op.50Rotterdam Philharmonic Orchestra / Jean Fournet
(Rec. March 1975, Rotterdam)
◈Gabriel Fauré: Pelléas et MélisandeJil Gomez (S)
Rotterdam Philharmonic Orchestra / David Zinman
Rotterdam Philharmonic Orchestra / David Zinman
(Rec. November 1979, Rotterdam)
ガブリエル・フォーレ(Gabriel Fauré, 1845-1924)のレクイエムとパヴァーヌ、劇音楽《ペレアスとメリザンド》の3曲を収録したアルバムです。
オーケストラはロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団で、レクイエムとパヴァーヌをジャン・フルネ(Jean Fournet, 1913-2008)が指揮し、《ペレアスとメリザンド》ではデイヴィット・ジンマン(David Zinman, 1936-)が指揮をしています。
また、レクイエムではエリー・アーメリング(Elly Ameling, 1933-)とベルナルト・クリュイセン(Bernard Kruysen, 1933-2000)、ダニエル・コルゼンパ(Daniel Corzempa, 1944-)とオランダ放送合唱団の賛助を得ており、《ペレアスとメリザンド》では〈メリザンドの歌〉でジル・ゴメス(Gil Gomez, 1942-)が参加しています。
なお、本CDで指揮を担当するフルネとジンマンは、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の歴代の首席指揮者で、特にジンマンは、本CDの収録時には首席指揮者に就任したばかりでした。
レクイエムについては、以前の記事で概略を述べてあるので、ご参照いただければと思います。なお、本演奏は、1900年に成立した出版譜(1901年刊)による演奏です。
フルネは、この曲を大変愛好しており、晩年には1893年に作られた版(ジャン=ミシェル・ネクトゥーとロジェ・ドラージュの校訂版)でも録音しています。このCDに収録されている演奏は、フルネにとって二度目の録音であり、合唱団の水準を格段に上げての再録音でした。
フルネのこの曲での音響設計は、オルガンの響きを軸にして、適宜オーケストラで肉付けを行っていくというもので、その結果、教会の厳粛さを備えた響きを獲得しています。
オルガンの響きを基調としたオーケストラの軽めの音での演奏は、ゆったりしたテンポではかみ合わなかったのか、サッと流すようなテンポ設定でアッサリと仕上げています。
〈ピエ・イエズス〉でのアーメリングの歌唱のしっとり感が、フルネの颯爽とした曲運びに適度な湿度を与えており、全体的には好印象の演奏に仕上がっています。ただ、クリュイセンの歌う〈リベラ・メ〉は、フルネの指揮に乗っかった演奏ですが、やや表情付けに深刻さがなく、存在感を示すには至っていません。
1887年に作曲されたパヴァーヌは、レクイエムと同じころに書かれた作品だけに、レクイエムに通じる透明な美しさで満たされた作品です。任意で合唱を付随させることができますが、フルネは純粋な管弦楽曲として演奏しています。本演奏では、淡い色調のオーケストラで淡々と描くことによって、かえって曲自体のドラマが赤裸々に浮かび上がります。ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の淡色系の色合いを生かした名演奏だと思います。
《ペレアスとメリザンド》は、1898年に作曲された作品。ロンドンでモーリス・メーテルリンクの戯曲『ペレアスとメリザンド』が上演されることになり、その舞台音楽としてフォーレに作曲依頼が舞い込んできたのでした。
急な依頼と納品期日の短さゆえに、フォーレは、オーケストレーションをするにあたって弟子のシャルル・ケクランの助けを借りています。
劇音楽の形態では、劇の上演に付随してつかわれることになるため、フォーレは演奏会用の組曲に編みなおして発表しています。
組曲の構成では、〈前奏曲〉〈糸を紡ぐ女〉〈メリザンドの歌〉〈シシリエンヌ〉〈メリザンドの死〉の5曲からなりますが、ジンマンは〈アンダンテ〉を加えて6曲構成で演奏しています。
ジンマンの演奏は、フルネほどの淡色系のカラフルさは持ち合わせていませんが、曲をシンフォニックに響かせようという意図の感じられる演奏です。ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の控えめさゆえに、これ見よがしないやらしさに陥ることがなく、十分に美しい演奏になっています。
オーケストラはロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団で、レクイエムとパヴァーヌをジャン・フルネ(Jean Fournet, 1913-2008)が指揮し、《ペレアスとメリザンド》ではデイヴィット・ジンマン(David Zinman, 1936-)が指揮をしています。
また、レクイエムではエリー・アーメリング(Elly Ameling, 1933-)とベルナルト・クリュイセン(Bernard Kruysen, 1933-2000)、ダニエル・コルゼンパ(Daniel Corzempa, 1944-)とオランダ放送合唱団の賛助を得ており、《ペレアスとメリザンド》では〈メリザンドの歌〉でジル・ゴメス(Gil Gomez, 1942-)が参加しています。
なお、本CDで指揮を担当するフルネとジンマンは、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の歴代の首席指揮者で、特にジンマンは、本CDの収録時には首席指揮者に就任したばかりでした。
レクイエムについては、以前の記事で概略を述べてあるので、ご参照いただければと思います。なお、本演奏は、1900年に成立した出版譜(1901年刊)による演奏です。
フルネは、この曲を大変愛好しており、晩年には1893年に作られた版(ジャン=ミシェル・ネクトゥーとロジェ・ドラージュの校訂版)でも録音しています。このCDに収録されている演奏は、フルネにとって二度目の録音であり、合唱団の水準を格段に上げての再録音でした。
フルネのこの曲での音響設計は、オルガンの響きを軸にして、適宜オーケストラで肉付けを行っていくというもので、その結果、教会の厳粛さを備えた響きを獲得しています。
オルガンの響きを基調としたオーケストラの軽めの音での演奏は、ゆったりしたテンポではかみ合わなかったのか、サッと流すようなテンポ設定でアッサリと仕上げています。
〈ピエ・イエズス〉でのアーメリングの歌唱のしっとり感が、フルネの颯爽とした曲運びに適度な湿度を与えており、全体的には好印象の演奏に仕上がっています。ただ、クリュイセンの歌う〈リベラ・メ〉は、フルネの指揮に乗っかった演奏ですが、やや表情付けに深刻さがなく、存在感を示すには至っていません。
1887年に作曲されたパヴァーヌは、レクイエムと同じころに書かれた作品だけに、レクイエムに通じる透明な美しさで満たされた作品です。任意で合唱を付随させることができますが、フルネは純粋な管弦楽曲として演奏しています。本演奏では、淡い色調のオーケストラで淡々と描くことによって、かえって曲自体のドラマが赤裸々に浮かび上がります。ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の淡色系の色合いを生かした名演奏だと思います。
《ペレアスとメリザンド》は、1898年に作曲された作品。ロンドンでモーリス・メーテルリンクの戯曲『ペレアスとメリザンド』が上演されることになり、その舞台音楽としてフォーレに作曲依頼が舞い込んできたのでした。
急な依頼と納品期日の短さゆえに、フォーレは、オーケストレーションをするにあたって弟子のシャルル・ケクランの助けを借りています。
劇音楽の形態では、劇の上演に付随してつかわれることになるため、フォーレは演奏会用の組曲に編みなおして発表しています。
組曲の構成では、〈前奏曲〉〈糸を紡ぐ女〉〈メリザンドの歌〉〈シシリエンヌ〉〈メリザンドの死〉の5曲からなりますが、ジンマンは〈アンダンテ〉を加えて6曲構成で演奏しています。
ジンマンの演奏は、フルネほどの淡色系のカラフルさは持ち合わせていませんが、曲をシンフォニックに響かせようという意図の感じられる演奏です。ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の控えめさゆえに、これ見よがしないやらしさに陥ることがなく、十分に美しい演奏になっています。
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