1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
CD1:
◈Claude Debussy: Préludes Livre 1
Dino Ciani (Pf)
(Rec. April 1972, Plenarsaal der Akademie der Wissenschaften, Residenz, München)
◈Claude Debussy: Suite Bergamasque◈Claude Debussy: Danse
◈Claude Debussy: Deux Arabesques
Tamás Vásáry (Pf)
(Rec. April 1969, Plenarsaal der Akademie der Wissenschaften, Residenz, München)
CD2:
◈Claude Debussy: Préludes Livre 2
Dino Ciani (Pf)
(Rec. April 1972, Plenarsaal der Akademie der Wissenschaften, Residenz, München)
◈Claude Debussy: Pour le piano◈Claude Debussy: La plus que lente
◈Claude Debussy: L'Isle Joyeuse
◈Claude Debussy: Masques
Tamás Vásáry (Pf)
(Rec. April 1969, Plenarsaal der Akademie der Wissenschaften, Residenz, München)
本CDは、クロード・ドビュッシー(Claude Debussy, 1862-1918)の前奏曲集全曲と、ベルガマスク組曲、《舞曲》(スティリー風のタランテラ)、2つのアラベスク、《ピアノのために》、《レントより遅く》、《喜びの島》、《仮面》の7曲を詰め込んだ2枚組です。
前奏曲集は、イタリア人ピアニストのディノ・チアーニ(Dino Ciani, 1941-1974)が担当し、残りの7曲を、ハンガリー人ピアニストのタマーシュ・ヴァーシャーリ(Tamás Vásáry, 1933-)が弾いています。
チアーニは、ローマでマルタ・デル・ヴェッキオに学んだ後、アルフレッド・コルトーの薫陶を受けたピアニストです。コルトーは、自らの没年までチアーニを指導し続けました。1961年には、チアーニはブダペストで行われたフランツ・リスト国際ピアノ・コンクールで第2位に入賞し、イタリアの新進ピアニストとして脚光を集めることになりました。同世代のマウリツィオ・ポリーニの好敵手と目された彼は、ドイツ・グラモフォンと専属契約を結び、ドイツ・グラモフォンの看板アーティストとしての未来を嘱望されましたが、32歳の時に自動車事故で急逝してしまいました。
ヴァーシャーリは、エルネー・ドホナーニの指導の下で神童ピアニストとしてデビューした逸材でした。
フランツ・リスト音楽院ではヨーゼフ・ガートにピアノを師事し、ゾルターン・コダーイから音楽理論を教わっています。コダーイは、この神童を可愛がり、自分の助手としてフランツ・リスト音楽院に留め置いただけでなく、スタンウェイのピアノを特注してプレゼントしています。1956年にハンガリーからスイスに亡命してからは、世界的に活躍していますが、1970年代末ごろからは、指揮者としても活動しているようです。
チアーニの本録音は、絶妙な語り口で、ドビュッシーの色彩的な幻想世界にトランスできるような雰囲気を作ってくれます。大先輩のアルトゥーロ・ベネデッティ=ミケランジェリとはまた違った芸風で、綿密な計算で人工美を作り上げるというよりも、本質直観で繊細な機微を弾き分けるといった感じが、本演奏でのチアーニの魅力といえるでしょう。第一巻の〈デルフィの舞姫たち〉など、デリケートな和音を慈しむように弾いており、思わず息をのむ美しさを内包しています。
第一巻以上の難易度を誇る第二巻の前奏曲集においても、チアーニは第一巻と変わらない優美さで弾ききっています。〈月光の降り注ぐ露台〉など、絶妙の間合いで、ドビュッシーのポエジーを十分に引き出しています。
チアーニの前奏曲集の埋め草のように詰め込まれたヴァーシャーリの演奏は、カップリングの扱いゆえに軽んじられがちですが、大変優れた演奏です。
奇を衒わず、淡々と弾きこんでいるものの、美しい音でしっかりと紡ぎ上げているので、ドビュッシーの音楽の幻想味をごく自然に味わうことが出来ます。
特に《2つのアラベスク》などは、ふんわりとしたアルペジオが絶品で、思わずうっとりと聴き惚れてしまうことでしょう。
これからドビュッシーの音楽に馴染みたい人にはうってつけの、スタンダードな演奏です。
前奏曲集は、イタリア人ピアニストのディノ・チアーニ(Dino Ciani, 1941-1974)が担当し、残りの7曲を、ハンガリー人ピアニストのタマーシュ・ヴァーシャーリ(Tamás Vásáry, 1933-)が弾いています。
チアーニは、ローマでマルタ・デル・ヴェッキオに学んだ後、アルフレッド・コルトーの薫陶を受けたピアニストです。コルトーは、自らの没年までチアーニを指導し続けました。1961年には、チアーニはブダペストで行われたフランツ・リスト国際ピアノ・コンクールで第2位に入賞し、イタリアの新進ピアニストとして脚光を集めることになりました。同世代のマウリツィオ・ポリーニの好敵手と目された彼は、ドイツ・グラモフォンと専属契約を結び、ドイツ・グラモフォンの看板アーティストとしての未来を嘱望されましたが、32歳の時に自動車事故で急逝してしまいました。
ヴァーシャーリは、エルネー・ドホナーニの指導の下で神童ピアニストとしてデビューした逸材でした。
フランツ・リスト音楽院ではヨーゼフ・ガートにピアノを師事し、ゾルターン・コダーイから音楽理論を教わっています。コダーイは、この神童を可愛がり、自分の助手としてフランツ・リスト音楽院に留め置いただけでなく、スタンウェイのピアノを特注してプレゼントしています。1956年にハンガリーからスイスに亡命してからは、世界的に活躍していますが、1970年代末ごろからは、指揮者としても活動しているようです。
チアーニの本録音は、絶妙な語り口で、ドビュッシーの色彩的な幻想世界にトランスできるような雰囲気を作ってくれます。大先輩のアルトゥーロ・ベネデッティ=ミケランジェリとはまた違った芸風で、綿密な計算で人工美を作り上げるというよりも、本質直観で繊細な機微を弾き分けるといった感じが、本演奏でのチアーニの魅力といえるでしょう。第一巻の〈デルフィの舞姫たち〉など、デリケートな和音を慈しむように弾いており、思わず息をのむ美しさを内包しています。
第一巻以上の難易度を誇る第二巻の前奏曲集においても、チアーニは第一巻と変わらない優美さで弾ききっています。〈月光の降り注ぐ露台〉など、絶妙の間合いで、ドビュッシーのポエジーを十分に引き出しています。
チアーニの前奏曲集の埋め草のように詰め込まれたヴァーシャーリの演奏は、カップリングの扱いゆえに軽んじられがちですが、大変優れた演奏です。
奇を衒わず、淡々と弾きこんでいるものの、美しい音でしっかりと紡ぎ上げているので、ドビュッシーの音楽の幻想味をごく自然に味わうことが出来ます。
特に《2つのアラベスク》などは、ふんわりとしたアルペジオが絶品で、思わずうっとりと聴き惚れてしまうことでしょう。
これからドビュッシーの音楽に馴染みたい人にはうってつけの、スタンダードな演奏です。
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