1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Joseph Jongen: Synphonie Concertante, op.81
◈Aaron Copland: Symphony for Organ and Orchestra
Pierre Pincemaille (Org)
Orchestre Perpignan Langdoc-Roussillon / Daniel Tosi
Orchestre Perpignan Langdoc-Roussillon / Daniel Tosi
(Rec. 25 November 2001, La Cathédrale Saint-Jean-Baptiste, Perpignan)
ジョセフ・ジョンゲン(Joseph Jongen, 1873-1953)の協奏交響曲とアーロン・コープランド(Aaron Copland, 1900-1990)のオルガンとオーケストラのための交響曲のカップリング。
ジョンゲンはベルギーの作曲家で、目下のところ、この協奏交響曲が代表作として、良く録音されます。
コープランドは、アメリカの作曲家ですが、《エル・サロン・メヒコ》のような分かりやすい音楽が好まれています。
といっても、コープランドは渋い作品も書いており、この若書きの交響曲は、コープランドの「本気」を垣間見る快作です。
ジョンゲンの協奏交響曲は、1926年に制作された作品。アメリカのシアター・オルガンの制作会社の依頼でド派手なオルガン音楽を依頼されて、この曲を作りました。しかし、ジョンゲンの父親が亡くなったり、オルガンの会社の社長が亡くなったりして、結局アメリカでの初演が出来ず、1928年にブリュッセルで初演されました。
ジョンゲンは、積極的に教会旋法を用い、通常の調性音楽とは一風異なった摩訶不思議な音楽世界を構築しています。全部で4楽章からなり、第2楽章から第4楽章までは〈ディヴェルティメント〉、〈とても遅く〉、〈トッカータ〉というタイトルを与えています。
ドリア旋法に基づいたフーガで幕を開ける第1楽章から華々しくオーケストラが活躍し、オーケストラと丁々発止のやりとりをする様は、圧倒的な豪華さを聴き手に感じさせます。
その後も、どこかユーモラスな第2楽章や、神秘的な静謐さを醸しだす第3楽章を経て、豪華絢爛なフィナーレへと達し、聴き手の目ならぬ耳をくらませるような高い演奏効果を誇ります。
特にフィナーレの〈トッカータ〉は、ヴァージル・フォックスのようなヴィルトゥオーゾ・オルガニストがオルガン独奏用に編み直して演奏するほどに愛されています。
ただ、オーケストラもオルガンも、難易度が非常に高いため、おいそれと演奏できるような作品でないことは確かなことです。
コープランドの交響曲は、ジョンゲンが協奏交響曲を作った2年前の1924年に書き上げた作品。
新進気鋭の作曲家として気を吐いていたコープランドならではのダイナミックな作品に仕上がっています。
作曲した翌年の1月21日には、ウォルター・ダムロッシュがこの曲をニューヨーク・フィルハーモニックの演奏会で初演し、まずまずの成功を収めています。
ただ、コープランドは、オルガンとオーケストラの組み合わせでは、今後演奏機会が限られると思いなおし、オルガン・パートを抜いた交響曲に作り直し、交響曲第1番として発表しなおしました。
ここに収録されている演奏は、そうした改訂を施す前の交響曲です。
曲は〈プレリュード〉、〈スケルツォ〉、〈フィナーレ〉の3楽章構成ですが、〈フィナーレ〉では諧謔味だけでなく、どっしりとした緩徐部も備えており、従来の4楽章構成を圧縮した形での3楽章構成を意識しています。
ジョンゲンの協奏交響曲よりも調性の曖昧な音楽であり、アルノルト・シェーンベルクらの音楽を横目で見ながらの作品ではなかったかおと推測します。また、部分的にJazzのイディオムも援用しているあたり、コープランドの器用さを垣間見ることが出来ます。
演奏は、ピエール・パンスメイユ(Pierre Pincemaille, 1956-)のオルガンと、ダニエル・トージ(Daniel Tosi, 1953-)の指揮するペルピニャン・ラングドック=ルシヨン管弦楽団によるもの。パンスメイユはフランスのオルガニストで、パリ音楽院で和声・対位法・オルガンを学び、プルミエ・プリを得て卒業した逸材として知られています。
トージは、ペルピニャン生まれの指揮者で、彼自身作曲家として、1983年のローマ大賞を受賞するなどの経歴を持っています。1989年ごろから、ペルピニャンの音楽院で教授をしており、そのつながりで、ペルピニャン・ラングドック=ルシヨン管弦楽団の指揮者もやっているとのこと。
ジョンゲンの作品にコープランドの作品を並べ、同時代の別の国の作曲家の作風を比較させるという企画は、非常に有意義なものです。ただし、演奏のほうは、ジョンゲンの作品に関して言えば、オーケストラのほうを中心に、まだ未消化な部分があり、作品の良さを広めるほどの説得力を持ち得ていません。パンスメイユのオルガンの演奏も、なかなかモチベーションが上がらず、〈ディヴェルティメント〉などでのリズムの歯切れに問題が残ります。
コープランドの作品では、トージのほうがジョンゲンより感情移入が出来やすく、パンスメイユもコープランドの作品のほうが面白いのか、よく練り込まれた表現でなかなか納得の演奏が出来上がっています。
オーケストラの、特に弦楽セクションの響きの薄さが金管セクションの突出を許してしまっている傾向があるものの、作品の内包する緊張感と、よく噛みあっています。
ジョンゲンはベルギーの作曲家で、目下のところ、この協奏交響曲が代表作として、良く録音されます。
コープランドは、アメリカの作曲家ですが、《エル・サロン・メヒコ》のような分かりやすい音楽が好まれています。
といっても、コープランドは渋い作品も書いており、この若書きの交響曲は、コープランドの「本気」を垣間見る快作です。
ジョンゲンの協奏交響曲は、1926年に制作された作品。アメリカのシアター・オルガンの制作会社の依頼でド派手なオルガン音楽を依頼されて、この曲を作りました。しかし、ジョンゲンの父親が亡くなったり、オルガンの会社の社長が亡くなったりして、結局アメリカでの初演が出来ず、1928年にブリュッセルで初演されました。
ジョンゲンは、積極的に教会旋法を用い、通常の調性音楽とは一風異なった摩訶不思議な音楽世界を構築しています。全部で4楽章からなり、第2楽章から第4楽章までは〈ディヴェルティメント〉、〈とても遅く〉、〈トッカータ〉というタイトルを与えています。
ドリア旋法に基づいたフーガで幕を開ける第1楽章から華々しくオーケストラが活躍し、オーケストラと丁々発止のやりとりをする様は、圧倒的な豪華さを聴き手に感じさせます。
その後も、どこかユーモラスな第2楽章や、神秘的な静謐さを醸しだす第3楽章を経て、豪華絢爛なフィナーレへと達し、聴き手の目ならぬ耳をくらませるような高い演奏効果を誇ります。
特にフィナーレの〈トッカータ〉は、ヴァージル・フォックスのようなヴィルトゥオーゾ・オルガニストがオルガン独奏用に編み直して演奏するほどに愛されています。
ただ、オーケストラもオルガンも、難易度が非常に高いため、おいそれと演奏できるような作品でないことは確かなことです。
コープランドの交響曲は、ジョンゲンが協奏交響曲を作った2年前の1924年に書き上げた作品。
新進気鋭の作曲家として気を吐いていたコープランドならではのダイナミックな作品に仕上がっています。
作曲した翌年の1月21日には、ウォルター・ダムロッシュがこの曲をニューヨーク・フィルハーモニックの演奏会で初演し、まずまずの成功を収めています。
ただ、コープランドは、オルガンとオーケストラの組み合わせでは、今後演奏機会が限られると思いなおし、オルガン・パートを抜いた交響曲に作り直し、交響曲第1番として発表しなおしました。
ここに収録されている演奏は、そうした改訂を施す前の交響曲です。
曲は〈プレリュード〉、〈スケルツォ〉、〈フィナーレ〉の3楽章構成ですが、〈フィナーレ〉では諧謔味だけでなく、どっしりとした緩徐部も備えており、従来の4楽章構成を圧縮した形での3楽章構成を意識しています。
ジョンゲンの協奏交響曲よりも調性の曖昧な音楽であり、アルノルト・シェーンベルクらの音楽を横目で見ながらの作品ではなかったかおと推測します。また、部分的にJazzのイディオムも援用しているあたり、コープランドの器用さを垣間見ることが出来ます。
演奏は、ピエール・パンスメイユ(Pierre Pincemaille, 1956-)のオルガンと、ダニエル・トージ(Daniel Tosi, 1953-)の指揮するペルピニャン・ラングドック=ルシヨン管弦楽団によるもの。パンスメイユはフランスのオルガニストで、パリ音楽院で和声・対位法・オルガンを学び、プルミエ・プリを得て卒業した逸材として知られています。
トージは、ペルピニャン生まれの指揮者で、彼自身作曲家として、1983年のローマ大賞を受賞するなどの経歴を持っています。1989年ごろから、ペルピニャンの音楽院で教授をしており、そのつながりで、ペルピニャン・ラングドック=ルシヨン管弦楽団の指揮者もやっているとのこと。
ジョンゲンの作品にコープランドの作品を並べ、同時代の別の国の作曲家の作風を比較させるという企画は、非常に有意義なものです。ただし、演奏のほうは、ジョンゲンの作品に関して言えば、オーケストラのほうを中心に、まだ未消化な部分があり、作品の良さを広めるほどの説得力を持ち得ていません。パンスメイユのオルガンの演奏も、なかなかモチベーションが上がらず、〈ディヴェルティメント〉などでのリズムの歯切れに問題が残ります。
コープランドの作品では、トージのほうがジョンゲンより感情移入が出来やすく、パンスメイユもコープランドの作品のほうが面白いのか、よく練り込まれた表現でなかなか納得の演奏が出来上がっています。
オーケストラの、特に弦楽セクションの響きの薄さが金管セクションの突出を許してしまっている傾向があるものの、作品の内包する緊張感と、よく噛みあっています。
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