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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Jacques Offenbach (arr. Manuel Rosenthal): Gaîte Parisienne
◈Charles Gounod: Ballet Music from "Faust"
Orchestre Symphonique de Monréal / Charles Dutoit
(Rec. September 1983, St.Eustache, Monréal)



ジャック・オッフェンバック(Jacques Offenbach, 1819-1880)は、ドイツ出身のフランスの作曲家です。
本名をヤコプ・エベルスト(Jakob Eberst)といい、フランスに渡って、名前のJakobをフランス式のJacquesに替え、出身地のオッフェンバッハ・アム・マインから苗字を拝借して、ジャック・オッフェンバックを芸名として使っていました。
パリ音楽院の留学生受け入れの記念すべき一人目となったオッフェンバックは、チェロ科の専攻でしたが、サロンでチェロを弾いたり作曲したりして日銭を稼いでいるうちに、コネクションが出来、ブーフ・パリジャンを立ち上げて、自分で作ったオペレッタ(喜歌劇)を上演したら大当たりをとってしまったとのこと。それ以来、彼のオペレッタは発表するごとに大評判となり、それがヨーロッパ全土を席巻して、オッフェンバックは、オペレッタの王様のような存在になってしまいました。
晩年はオペラ(歌劇)業界への進出をもくろんでいましたが、《ホフマン物語》を未完成のまま世を去りました。

時は下って1937年に、モンテ・カルロ・ロシア・バレエ団が、指揮者で作曲家のマニュエル・ロザンタール(Manuel Rosenthal, 1904-2003)に依頼して、オッフェンバックのオペレッタを素材にしたバレエ音楽を依頼し、本CDに収録されている《パリの喜び》が出来上がります。1938年の4月5日にモンテ・カルロで初演されたこのバレエは大ヒットし、オーケストラのコンサートでも度々取り上げられるようになりました。
バレエとしての粗筋は、大体以下の通り
18世紀パリのレストラン。色んなカップルが暇をつぶしているところに、美女の手袋売りが登場する。そこにいた男性達は手袋売りを口説こうとするが、全く相手にされない。
そこに金持ちのペルー人がやってくる。その場にいた女たちは、お金目当てにペルー人に寄っていくが、手袋売りだけは動じなかった。
そこに男爵が登場し、手袋売りとダンスを踊る。二人がダンスを踊っている間にペルー人は客のみんなとシャンパンをガブガブ飲んでいたのだが、軍隊の将校が現れて、パリ随一の美女ラリオンヌを導きいれる。男爵がラリオンヌに目を奪われている隙をついて、ペルー人が手袋売りに言い寄るが、ペルー人の動向に気づいた男爵が怒り狂い、ペルー人と男爵の間で喧嘩になる。喧嘩がひと段落すると、男爵と手袋売りがワルツを踊り出し、そこに客が押し寄せてカンカン踊りを踊って大盛り上がりになる。レストランは閉店時間になり、カップルたちは三々五々と散っていき、男爵と手袋売りもカップルとなって夜の街に消えていく。手袋売りが手を振った先には、レストランに一人取り残されたペルー人の姿があった。


本CDの余白に収録されているのは、シャルル・グノー(Charles Gounod, 1818-1893)の《ファウスト》からのバレエ音楽です。
《ファウスト》はグノーの作曲したグランド・オペラの傑作です。グランド・オペラは、大がかりな演出で、イタリア・オペラにバレエなどを加えて豪華絢爛に仕上げた、フランスのオペラのスタイルです。そのオペラのあちこちに配置されているバレエ音楽の場面を集めたのが、このバレエ集です。
収録されているバレエ音楽は以下の通りです。
・ヌビア人の踊り(Dance of Nubians)
・クレオパトラと金杯(Cleopatra and Golden Cup)
・ヌビア奴隷の踊り(Danse antique)
・クレオパトラと奴隷の踊り(Dance of Cleopatra and Her Slaves)
・トロイの娘たちの踊り(Dance of the Trojan Maidens)
・鏡の踊り(Mirror Dance)
・フリネの踊り(Dance of Phryne)
演奏は、シャルル・デュトワ(Charles Dutoit, 1936-)率いるモントリオール交響楽団です。
デュトワとモントリオール交響楽団は、1977年からの名コンビで、エルネスト・アンセルメとスイス・ロマンド管弦楽団のコンビの再来とまで言われたことがあります。
デュトワ自身、アンセルメと同じくスイスの出身で、アンセルメとの交流も深かったようです。洗練された音色の感覚を持ち、本CDの録音でも、華やかでありながら、うるさくならず、どこか上品な雰囲気を湛えた名演奏が繰り広げられています。オーケストラの機能自体は、アンセルメ時代のスイス・ロマンド管弦楽団に比べると、モントリオール交響楽団の方が、安定度が高いように思われます。
メインのオッフェンバックの作品でも軽妙洒脱な音色と軽快なリズム感覚で楽しく聴かせてくれるデュトワとモントリオール交響楽団ですが、彼らの音色のキャラクターに合致しているのは、グノーの音楽の方でしょう。

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