1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Hugo Wolf: Variationen
◈Hugo Wolf: Rondo Capriccioso
◈Hugo Wolf: Humoreske
◈Hugo Wolf: Schmmerlied
◈Hugo Wolf: Scherz und Spiel
◈Hugo Wolf: Meisersinger-Paraphrase
◈Hugo Wolf: Walküre-Paraphrase
Ana-Marija Markovina (Pf)
(Rec. 25-17 January 2007, Rudolf Oetker Hall)
フーゴー・ヴォルフ(Hugo Wolf, 1860-1903)は、オーストリアの作曲家。父親からピアノと作曲を叩きこまれ、16歳ごろにウィーン音楽院に進学するものの、1877年には音楽院の院長にふざけて脅迫状を送りつけ、退学処分を受けています。結果として、ヴォルフは独学でピアノと作曲の腕を磨き、ピアノ教師として生計を立てることになったのでした。
ヴォルフは、熱烈なリヒャルト・ヴァーグナーの信奉者となり、後述するヴァーグナーの楽劇のパラフレーズまで作っています。また、ヨハネス・ブラームスに作品を見せたところ、対位法を学習するように言われたのを逆恨みし、音楽評論家としてブラームスを徹底的に攻撃するようになりました。
生涯に於いて、主に歌曲の作曲で知られ、エドゥアルド・メーリケやヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフの詩による歌曲集で名を残しましたが、攻撃的な性格が災いして、生活の破綻とともに性格も破綻し、発狂したまま非業の死を遂げています。
そんなヴォルフですが、若かりし頃にはピアノ曲も作っていました。
本CDに収録されているのは、
◉ 変奏曲(1875年頃作)
◉ ロンド・カプリチオーソ(1876年作)
◉ ユーモレスク(1877年作)
◉ 眠りの精(1878年作)
◉ 戯れと遊び(1878年作)
◉ マイスタージンガーのパラフレーズ(1880-1882年頃作)
◉ ワルキューレのパラフレーズ(1880-1882年頃作)
以上の7曲です。1878年作の2曲は、《幼年時代から》(Aus der Kinderzeit)という題名でまとめて出版されています。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンのソナチネみたいなメロディを、頭をひねりながら変奏曲に仕立て上げた1875年の作品や、ベートーヴェンのソナタを思わせるロンド・カプリチオーソなど、10代の少年の目一杯の背伸びした音楽を堪能できますが、ユーモレスクでは、ベートーヴェン風の音楽から離れており、《幼年時代から》の2曲ではロベルト・シューマン風の音楽へと変貌しています。
マイスタージンガーのパラフレーズは、リヒャルト・ヴァーグナーの《ニュルンベルクのマイスタージンガー》に出てくるマイスタージンガーの動機、ギルドの動機、愛の動機、ヴァルターの動機など様々な動機を組み合わせて、ヴァーグナーの楽劇へのオマージュとした作品です。こうした動機を小出しにしながら最終的に第一幕前奏曲の堂々たるピアノ用編曲に収斂させていくところに、ヴォルフの秀逸な楽曲構成の技術を感得することが出来るでしょう。
ワルキューレのパラフレーズも、《ラインの黄金》の第2夜《ヴァルキューレ》へのオマージュであり、ヴェルズングやフンディング、ジークリンデなどの登場人物の動機や、剣の動機やヴェルズングの悩みなど、状況の動機がふんだんに盛り込まれています。
こうしたパラフレーズは、先にカール・タウジヒが作曲しており、ヴォルフは、タウジヒの作品を参考にして、作品を書き上げ、ヴァーグナーへの賛美の印としたのでした。
アナ=マリア・マルコヴィナ(Ana-Marija Markovina, 1970-)は、パウル・バドゥラ=スコダの弟子として知られる、クロアチア生まれのピアニストです。
1870年代の音楽は、丁寧な演奏で作品の形をよく整えていますが、2曲のパラフレーズも同じようなアプローチをとっています。テクニック面での破綻は全くありませんが、もう少し思い切りのいい表現で、作品と格闘してほしかったように思います。
ヴォルフは、熱烈なリヒャルト・ヴァーグナーの信奉者となり、後述するヴァーグナーの楽劇のパラフレーズまで作っています。また、ヨハネス・ブラームスに作品を見せたところ、対位法を学習するように言われたのを逆恨みし、音楽評論家としてブラームスを徹底的に攻撃するようになりました。
生涯に於いて、主に歌曲の作曲で知られ、エドゥアルド・メーリケやヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフの詩による歌曲集で名を残しましたが、攻撃的な性格が災いして、生活の破綻とともに性格も破綻し、発狂したまま非業の死を遂げています。
そんなヴォルフですが、若かりし頃にはピアノ曲も作っていました。
本CDに収録されているのは、
◉ 変奏曲(1875年頃作)
◉ ロンド・カプリチオーソ(1876年作)
◉ ユーモレスク(1877年作)
◉ 眠りの精(1878年作)
◉ 戯れと遊び(1878年作)
◉ マイスタージンガーのパラフレーズ(1880-1882年頃作)
◉ ワルキューレのパラフレーズ(1880-1882年頃作)
以上の7曲です。1878年作の2曲は、《幼年時代から》(Aus der Kinderzeit)という題名でまとめて出版されています。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンのソナチネみたいなメロディを、頭をひねりながら変奏曲に仕立て上げた1875年の作品や、ベートーヴェンのソナタを思わせるロンド・カプリチオーソなど、10代の少年の目一杯の背伸びした音楽を堪能できますが、ユーモレスクでは、ベートーヴェン風の音楽から離れており、《幼年時代から》の2曲ではロベルト・シューマン風の音楽へと変貌しています。
マイスタージンガーのパラフレーズは、リヒャルト・ヴァーグナーの《ニュルンベルクのマイスタージンガー》に出てくるマイスタージンガーの動機、ギルドの動機、愛の動機、ヴァルターの動機など様々な動機を組み合わせて、ヴァーグナーの楽劇へのオマージュとした作品です。こうした動機を小出しにしながら最終的に第一幕前奏曲の堂々たるピアノ用編曲に収斂させていくところに、ヴォルフの秀逸な楽曲構成の技術を感得することが出来るでしょう。
ワルキューレのパラフレーズも、《ラインの黄金》の第2夜《ヴァルキューレ》へのオマージュであり、ヴェルズングやフンディング、ジークリンデなどの登場人物の動機や、剣の動機やヴェルズングの悩みなど、状況の動機がふんだんに盛り込まれています。
こうしたパラフレーズは、先にカール・タウジヒが作曲しており、ヴォルフは、タウジヒの作品を参考にして、作品を書き上げ、ヴァーグナーへの賛美の印としたのでした。
アナ=マリア・マルコヴィナ(Ana-Marija Markovina, 1970-)は、パウル・バドゥラ=スコダの弟子として知られる、クロアチア生まれのピアニストです。
1870年代の音楽は、丁寧な演奏で作品の形をよく整えていますが、2曲のパラフレーズも同じようなアプローチをとっています。テクニック面での破綻は全くありませんが、もう少し思い切りのいい表現で、作品と格闘してほしかったように思います。
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