1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Sigismund Toduţă: Four Tablatures for Lute by Valentin Greff Bakfark
Chamber Orchestra of the Bucharest 'George Enescu' Philharmonic / Paul Popescu
(Rec. Unknown)
◈Paul Constantinescu: Concerto for Violin and OrchestraŠtefan Ruha (Vn)
Cluj-Napoca Philharmonic Orchestra / Mircea Cristescu
(Rec. Unknown)
◈Şerban Nichifor: Symphony No.4 "From West to East"Ilie Voicu (Tp)
Ioana Thomasz (Pf)
National Orchestra of the Romanian Radio-Television / Paul Popescu
Ioana Thomasz (Pf)
National Orchestra of the Romanian Radio-Television / Paul Popescu
(Rec. 1984)
20世紀ルーマニアの作曲家たちの作品を集めたCDです。
演目はシギスムント・トドゥツァの(Sigismund Toduţă 1908-1991)の《ヴァレンティン・グレフ・バクファルクによるリュートのための四枚の楽譜》、パウル・コンスタンティネスク(Paul Constantinescu, 1909-1963)のヴァイオリン協奏曲、シェルバン・ニチフォア(Şerban Nichifor, 1954-)の交響曲第4番《西から東へ》です。
トドゥツァは、クルジュ音楽院からローマの聖チェチーリア音楽院に留学し、アルフレッド・カゼッラとイルデブラント・ピツェッティに師事した作曲家です。母校に戻って作曲家の教授に就任し、クルージュ=ナポカ・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督も務めていました。16世紀トランシルヴァニアのリュート奏者バクファルク(Valentin Greff Bakfark, 1506-1576)の楽譜に基づく弦楽合奏のための《4枚の楽譜》は、師匠のカゼッラらの復古主義を彷彿とさせます。
パウル・ポペスク(Paul Popescu)指揮するブカレスト・ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー室内管弦楽団の演奏は、やや中声部の音程がブレる個所が散見されるものの、全体的には無難な出来栄えです。
コンスタンティネスクは、ブカレスト音楽院経由でウィーンに留学し、ヨーゼフ・マルクスとフランツ・シュミットの薫陶を受けた作曲家です。帰国後は母校の作曲科教授を務め、ジョルジュ・エネスクの後継者と見做されました。1955年に発表されたヴァイオリン協奏曲は、形式面では古典的な三楽章の形式を踏襲しています。1955年の作品にしては、無調音楽への志向は巧みに避けられており、華麗なオーケストレーションに彩られた名技性は、エネスクの作風に近いというよりは、エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲に近いと思います。
演奏は、ヴァイオリン独奏をシュテファン・ルハ(Štefan Ruha, 1931-1994)ことイシュトヴァーン・ルハ(István Ruha)、伴奏をミルチャ・クリステスク(Mircea Cristescu, 1928-1995)率いるクルージュ=ナポカ・フィルハーモニー管弦楽団が担当しています。
ルハは、ハンガリー人の家系としてルーマニアのカレイで生まれたヴァイオリニストで、クルージュ=ナポカのゲオルゲ・ディマ音楽院でフェレンツ・バローグに学んでいます。
コンクール歴として、1958年にチャイコフスキー国際音楽コンクールのヴァイオリン部門で第3位入賞、同年のブカレストで開催されたジョルジェ・エネスク国際ヴァイオリン・コンクールで優勝、翌年のロン=ティボー国際音楽コンクールのヴァイオリン部門で第24位という成績を残し、第二次世界大戦後のルーマニアの代表的なヴァイオリニストの一人として知られるようになりました。
ルーマニア人のクリステスクは、ブカレスト音楽院でコンスタンティン・シルヴェストリに師事した指揮者です。
パウル・ヒンデミットの作曲活動の初期の延長線上に成立したようなこのヴァイオリン協奏曲を、ルハは切れ味の鋭い技巧でテキパキと演奏していますが、元々ヴァイオリニスト志望だったクリステスクはルハの呼吸にピッタリと合わせて万全のサポートをしています。第1楽章および第3楽章では、ルハの機能性の高い独奏と、クリステスクのダイナミックな伴奏で面白く聴けますが、とりわけ第2楽章のルハのヴァイオリンの濃密な歌い口が耳に残ります。
ニチフォアはブカレスト音楽院卒の作曲家です。
1977年に開かれたユトレヒトのビルトホーフェンで開かれた作曲コンクールで第1位を獲得してから世界を股にかけて活躍しています。ニチフォアの交響曲第4番は第3番の交響曲同様に旅先のアメリカを題材にした作品で、キッチュなメロディをたっぷり詰め込んで楽しい作品に仕上げています。交響曲と言いながら、しょっぱなからピアノとトランペットでブルースまがいの音楽を奏でたり、ディズニー映画の『ピノキオ』の劇中歌〈星に願いを〉を引用したり、ビッグ・バンドさながらに金管楽器を豪勢に鳴らしたりと、かなり自由奔放な音楽になっています。
交響曲というよりは、アメリカに関する音のパノラマ集といったほうがいいかもしれません。
ここでは、ポペスクがルーマニア国立放送管弦楽団を指揮して演奏していますが、トランペット奏者としてクレジットされているイリエ・ヴォイク(Ilie Voicu)やピアノ担当のイオアナ・トマーシュ(Ioana Thomasz)は、楽団の奏者ではないかと思われます。
音楽自体は軽いものですが、ポペスク率いるオーケストラは気合を入れてドラマティックな演奏にしようと奮闘しています。ひょうきんな音楽を真面目に演奏するオーケストラの演奏は、バスター・キートンの喜劇のような味わいがあります。
演目はシギスムント・トドゥツァの(Sigismund Toduţă 1908-1991)の《ヴァレンティン・グレフ・バクファルクによるリュートのための四枚の楽譜》、パウル・コンスタンティネスク(Paul Constantinescu, 1909-1963)のヴァイオリン協奏曲、シェルバン・ニチフォア(Şerban Nichifor, 1954-)の交響曲第4番《西から東へ》です。
トドゥツァは、クルジュ音楽院からローマの聖チェチーリア音楽院に留学し、アルフレッド・カゼッラとイルデブラント・ピツェッティに師事した作曲家です。母校に戻って作曲家の教授に就任し、クルージュ=ナポカ・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督も務めていました。16世紀トランシルヴァニアのリュート奏者バクファルク(Valentin Greff Bakfark, 1506-1576)の楽譜に基づく弦楽合奏のための《4枚の楽譜》は、師匠のカゼッラらの復古主義を彷彿とさせます。
パウル・ポペスク(Paul Popescu)指揮するブカレスト・ジョルジェ・エネスク・フィルハーモニー室内管弦楽団の演奏は、やや中声部の音程がブレる個所が散見されるものの、全体的には無難な出来栄えです。
コンスタンティネスクは、ブカレスト音楽院経由でウィーンに留学し、ヨーゼフ・マルクスとフランツ・シュミットの薫陶を受けた作曲家です。帰国後は母校の作曲科教授を務め、ジョルジュ・エネスクの後継者と見做されました。1955年に発表されたヴァイオリン協奏曲は、形式面では古典的な三楽章の形式を踏襲しています。1955年の作品にしては、無調音楽への志向は巧みに避けられており、華麗なオーケストレーションに彩られた名技性は、エネスクの作風に近いというよりは、エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲に近いと思います。
演奏は、ヴァイオリン独奏をシュテファン・ルハ(Štefan Ruha, 1931-1994)ことイシュトヴァーン・ルハ(István Ruha)、伴奏をミルチャ・クリステスク(Mircea Cristescu, 1928-1995)率いるクルージュ=ナポカ・フィルハーモニー管弦楽団が担当しています。
ルハは、ハンガリー人の家系としてルーマニアのカレイで生まれたヴァイオリニストで、クルージュ=ナポカのゲオルゲ・ディマ音楽院でフェレンツ・バローグに学んでいます。
コンクール歴として、1958年にチャイコフスキー国際音楽コンクールのヴァイオリン部門で第3位入賞、同年のブカレストで開催されたジョルジェ・エネスク国際ヴァイオリン・コンクールで優勝、翌年のロン=ティボー国際音楽コンクールのヴァイオリン部門で第24位という成績を残し、第二次世界大戦後のルーマニアの代表的なヴァイオリニストの一人として知られるようになりました。
ルーマニア人のクリステスクは、ブカレスト音楽院でコンスタンティン・シルヴェストリに師事した指揮者です。
パウル・ヒンデミットの作曲活動の初期の延長線上に成立したようなこのヴァイオリン協奏曲を、ルハは切れ味の鋭い技巧でテキパキと演奏していますが、元々ヴァイオリニスト志望だったクリステスクはルハの呼吸にピッタリと合わせて万全のサポートをしています。第1楽章および第3楽章では、ルハの機能性の高い独奏と、クリステスクのダイナミックな伴奏で面白く聴けますが、とりわけ第2楽章のルハのヴァイオリンの濃密な歌い口が耳に残ります。
ニチフォアはブカレスト音楽院卒の作曲家です。
1977年に開かれたユトレヒトのビルトホーフェンで開かれた作曲コンクールで第1位を獲得してから世界を股にかけて活躍しています。ニチフォアの交響曲第4番は第3番の交響曲同様に旅先のアメリカを題材にした作品で、キッチュなメロディをたっぷり詰め込んで楽しい作品に仕上げています。交響曲と言いながら、しょっぱなからピアノとトランペットでブルースまがいの音楽を奏でたり、ディズニー映画の『ピノキオ』の劇中歌〈星に願いを〉を引用したり、ビッグ・バンドさながらに金管楽器を豪勢に鳴らしたりと、かなり自由奔放な音楽になっています。
交響曲というよりは、アメリカに関する音のパノラマ集といったほうがいいかもしれません。
ここでは、ポペスクがルーマニア国立放送管弦楽団を指揮して演奏していますが、トランペット奏者としてクレジットされているイリエ・ヴォイク(Ilie Voicu)やピアノ担当のイオアナ・トマーシュ(Ioana Thomasz)は、楽団の奏者ではないかと思われます。
音楽自体は軽いものですが、ポペスク率いるオーケストラは気合を入れてドラマティックな演奏にしようと奮闘しています。ひょうきんな音楽を真面目に演奏するオーケストラの演奏は、バスター・キートンの喜劇のような味わいがあります。
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