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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Zoltán Kodály: "Háry János" Suite
Concertgebouw Orchestra of Amsterdam / Willem Mengelberg
(Rec. 12 December 1940, Concertgebouw, Amsterdam) Live Recording with Applause
◈Zoltán Kodály: Variation on a Hungarian folksong "The Peacock"
Concertgebouw Orchestra of Amsterdam / Willem Mengelberg
(Rec. 23 November 1939, Concertgebouw, Amsterdam) Live Recording with Applause
◈Hans Pfitzner: Cello Concerto No.1 in G major, op.42
Gaspar Cassadó (Vc)
Concertgebouw Orchestra of Amsterdam / Willem Mengelberg
(Rec. 12 December 1940, Concertgebouw, Amsterdam) Live Recording with Applause



ハンガリーの作曲家であるゾルターン・コダーイ(Zoltán Kodály, 1882-1967)。
彼は音楽教育家であると同時に、ハンガリー民謡の収集家でもありました。コダーイは、その民謡収集の成果を《ガランタ舞曲》や《マロシュセーク舞曲》といった様々な作品として発表しましたが、本CDに聴かれる《ハーリ・ヤーノシュ》の組曲や《孔雀の主題による変奏曲》(以下《孔雀》)もまた、ハンガリー民謡をベースにした作品です。

《ハーリ・ヤーノシュ》は、元々4幕の歌劇として1925年頃に発表したもの。この歌劇は喜歌劇や音楽劇に近く、完成されてからすぐさま管弦楽用組曲として編み直され、コダーイの重要な管弦楽曲の一つに数えられています。
曲は〈前奏曲、おとぎ話が始まる〉、〈ウィーンの音楽時計〉、〈歌〉、〈戦争とナポレオンの敗北〉、〈間奏曲〉、〈皇帝と廷臣たちの入場〉の6曲からなります。
最初の〈前奏曲、おとぎ話は始まる〉では、最初にオーケストラがくしゃみを表現しますが、このくしゃみは、コダーイ自身によれば、「話をするときに、聴き手がくしゃみをすれば、それはまぎれもなく本当の話」という迷信に基づいたものとのこと。
〈ウィーンの音楽時計〉は、青年時代のハーリがウィーンに留学した時の印象を綴ったもの。もちろん農民のハーリはウィーンに行ったことはなく、ハーリの想像上のウィーンがここで描かれることになります。
ハーリの郷愁の歌に相当する〈歌〉を経て、オーストリア軍の将軍としてナポレオン軍と戦ってナポレオンを跪かせた〈戦争とナポレオンの敗北〉の音楽へと移り変わります。この〈歌〉と、次の〈間奏曲〉ではツィンバロンが効果的に使われている点が特筆に値します。この〈間奏曲〉で使われているメロディは、18世紀末から19世紀初頭にかけてハンガリーで流行した募兵用のダンス・パフォーマンスの音楽に基づいています。
最後の〈皇帝と廷臣たちの入場〉は、ハーリがオーストリア皇帝に謁見し、ナポレオンを排撃した武勲を讃えられる話を表現しています。

《孔雀》は、ハンガリー民謡の《孔雀は飛んだ》という民謡を主題にした変奏曲です。オスマン帝国とオーストリア帝国の二重支配に苦しんでいたハンガリーにおいて、こうした抑圧状況からの解放を願う歌として歌い継がれてきた民謡ですが、1939年にアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の創立50周年のための音楽として委嘱された時、敢えてこの主題を選んだところに、ナチス・ドイツをはじめとすファシスト政権へのあてつけとしての意味を確認できるかもしれません。
本作品は、ウィレム・メンゲルベルク(Willem Mengelberg, 1871-1951)指揮するアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団によって初演され、本CDに収録されている録音は、その初演時の演奏とのことです。

本CDの最後のトラックに収録されているチェロ協奏曲第1番は、ドイツ人作曲家のハンス・プフィッツナー(Hans Pfitzner, 1869-1949)が1935年に作曲した作品です。
便宜上「第1番」ということになっていますが、プフィッツナーは1888年に一度チェロ協奏曲を書き上げています。
1888年の作品は、マックス・ブルッフに宛てて郵送したものの、郵送料不足で返送されてしまい、プフィッツナーも返送された楽譜をぞんざいに扱ったために行方不明になってしまった経緯があります。
ガスパール・カサド(Gaspar Cassadó, 1897-1966)に献呈された本作品は、本来第2番に相当しますが、晩年になって、プフィッツナーが1888年に書いた作品のことを思い出し、第2番のチェロ協奏曲として記憶を頼りに書き上げたため、1888年の作品は1977年に発見されるまでなかったことになってしまいました。
このト長調の「第1番」のチェロ協奏曲は、「急-緩-急」の3つの部分に分けられますが、楽章としての区分けはされておらず、単一楽章の作品と見做されます。ほぼ休みなくチェロがモノローグ調で弾き続け、オーケストラがチェロ独奏を彩るように間の手を入れる作りになっています。超絶技巧の披露よりはチェロの音色から引き出される抒情性にスポットライトを当てた作品であり、名技性を期待して聴くと、あまりに渋い作品に聴こえることでしょう。

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