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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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CD1:
◈Hector Berlioz: Overture "Carnaval romain", op.9
Orchestre Symphonique de la Radio-Télévision Belge de la Communate Française / André Vandernoot
(Rec. 13 October 1989, Grande Auditorium, Maison de la Radio, Bruxelles) Live Recording with Applause
◈Hector Berlioz: Symphonie fantastique, op.14
Orchestre Symphonique de la Radio-Télévision Belge de la Communate Française / André Vandernoot
(Rec. 23 November 1990, Grande Salle Henry Le Bœuf, Palais de Beaux-Arts, Bruxelles) Live Recording with Applause

CD2:
◈Ludwig van Beethoven: Symphony No.4 in B flat major, op.60
Orchestre Symphonique de la Radio-Télévision Belge de la Communate Française / André Vandernoot
(Rec. 12 January 1990, Grande Auditorium, Maison de la Radio, Bruxelles) Live Recording with Applause
◈Ludwig van Beethoven: Symphony No.7 in A major, op.92
Orchestre Symphonique de la Radio-Télévision Belge de la Communate Française / André Vandernoot
(Rec. 27 January 1990, Grande Auditorium, Maison de la Radio, Bruxelles) Live Recording with Applause

CD3:
◈Gustav Mahler: Symphony No.1 in D major "Titan"
Orchestre Symphonique de la Radio-Télévision Belge de la Communate Française / André Vandernoot
(Rec. 27 January 1990, Grande Auditorium, Maison de la Radio, Bruxelles) Live Recording with Applause

CD4:
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Le Noces de Figaro, K492 - Overture
Orchestre Symphonique de la Radio-Télévision Belge de la Communate Française / André Vandernoot
(Rec. 12 January 1991, Grande Auditorium, Maison de la Radio, Bruxelles) Live Recording with Applause
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Piano Concerto No.21 in C major, K467
Abdel Rahman El Bacha (Pf)
Orchestre Symphonique de la Radio-Télévision Belge de la Communate Française / André Vandernoot
(Rec. 21 October 1987, Grande Auditorium, Maison de la Radio, Bruxelles) Live Recording with Applause
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Symphony no.35 in D major, K385 "Haffner"
Orchestre Symphonique de la Radio-Télévision Belge de la Communate Française / André Vandernoot
(Rec. 12 January 1991, Grande Auditorium, Maison de la Radio, Bruxelles) Live Recording with Applause

CD5:
◈Peter Ilyich Tchaikovsky: Ouverture Solennelle "L'Année 1812"
Orchestre Symphonique de la Radio-Télévision Belge de la Communate Française / André Vandernoot
(Rec. 5 March 1989, Grande Salle Henry Le Bœuf, Palais de Beaux-Arts, Bruxelles) Live Recording with Applause
・Peter Ilyich Tchaikovsky: Symphony No.5 in E minor, op.64
Orchestre Symphonique de la Radio-Télévision Belge de la Communate Française / André Vandernoot
(Rec. 8 October 1989, Grande Salle Henry Le Bœuf, Palais de Beaux-Arts, Bruxelles) Live Recording with Applause



ベルギー人指揮者のアンドレ・ヴァンデルノート(André Vandernoot, 1927-1991)にスポットを当てた5枚組のCDです。
ヴァンデルノートは、ブリュッセル音楽院でフルートを専攻していましたが、左手の指の麻痺のため志半ばでフルーティストの道を断念しています。1951年に第1回目のブザンソン国際指揮者コンクールが開かれ、ヴァンデルノートもこのコンクールに参加しましたが、この時第8位に入賞しています。その翌年にはウィーン音楽院に留学して、ハンス・スヴァロフスキーの元で指揮法を学び、1954年に帰国してからはベルギー国立管弦楽団の指揮者陣の一人として演奏活動を開始しています。
アントウェルペン歌劇場の練習指揮者としてさらなる経験を積んだヴァンデルノートは、1960年にブリュッセルのモネ劇場の音楽監督に就任し、この頃から世界各国を回って指揮者としての名声を上げていきました。
この頃は、レコーディングにも意欲的に取り組み、EMIレーベル系列の主力アーティストとして将来を嘱望されていましたが、1970年代に入ると録音活動から距離を置くようになり、1974年からベルギー国立管弦楽団の首席指揮者を短期間務め、1976年からオランダのブラバント管弦楽団に転出したという情報がちらほらと漏れ伝わってくるのみになりました。

ベルギー・フランス語放送交響楽団(以下、RTBF交響楽団)は、晩年のヴァンデルノートがよく指揮していたオーケストラで、RTBFのアーカイヴには、まだ相当数の録音が保存されていると思われます。このCDセットでは、その中でも特に重要と思われる録音がピックアップされており、晩年のヴァンデルノートの至芸を味わうのがねらいと言えそうです。
なお、それぞれのCDは分売もされていて、気になったCDだけチョイスして買うこともできます。

一枚目のCD(【SSS0001-2】)は、エクトル・ベルリオーズ(Hector Berlioz, 1803-1869)の序曲《ローマの謝肉祭》(1843年作)と幻想交響曲が収録されています。
序曲《ローマの謝肉祭》は、1838年に初演された《ベンヴェヌート・チェリーニ》の素材を使って作った演奏会用の作品。当該のオペラとは縁が深いものの、そのオペラの序曲ではありません。
幻想交響曲(1830年作)は、アイルランド人女優のハリエット・スミッソンとの一方的な失恋体験を元に発奮して作った作品。失恋の相手を暗示するメロディを曲のそこかしこにちりばめる手法は、「固定楽想」と呼ばれ、ベルギー出身の作曲家であるセザール・フランクが好んで用いた「循環形式」の先駆となりました。ベルリオーズは、この作品に度々手を加えていたため、なかなか作品を出版せず、1845年になってやっと出版しています。
ヴァンデルノートは、1960年代に幻想交響曲をフランス国立放送管弦楽団と録音しており、ベルリオーズの作品は得意の演目だったようですが、RTBF交響楽団の演奏水準、特に弦楽セクションの弱さがオーケストラ全体の音色のバランスに影響し、かなりパサパサした音楽になっています。《ローマの謝肉祭》では、オーケストラの弱点が露呈する前に巧く音楽をまとめていますが、幻想交響曲は、第4楽章あたりからオーケストラのスタミナが切れてきており、クライマックスへの盛り上げがかなり息切れしているように聴こえます。
ヴァンデルノートの表現を味わうというよりも、彼が非力なオーケストラを、どう操縦して着地点に持っていくかというところを確かめる演奏だといえます。

2枚目のCD(【SSS0002-2】)は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven, 1770-1827)の第4番(1807年作)と第7番(1813年作)の交響曲が収録されています。
ヴァンデルノートは、元々フルーティスト志望だったため、管楽セクションのとりわけ木管楽器を際立たせるのを好みますが、第4番の交響曲では、その木管を突出させる響きのブレンドで、弦楽セクションの非力さをカバーしようとしているようです。第3楽章のスケルツォのダイナミズムが今一つ弱いのは、オーケストラの力量不足ゆえでしょう。
第7番の交響曲は、オーケストラが総力を上げて、リヒャルト・ヴァーグナーがいうように「舞踏の聖化」を行いますが、まるで錘をつけられているかのような演奏で、リズムにキレがありません。
肝心要の第2楽章も、悲哀のメロディを纏綿と歌う余裕が感じられませんでした。

3枚目のCD(【SSS0003-2】)は、グスタフ・マーラー(Gustav Mahler, 1860-1911)の交響曲第1番《巨人》が収録されています。
1884年から1888年にかけて作曲された本作品は、元々交響詩という形で発表されていました。
元々は、第1楽章と第2楽章の間に〈花の章〉と呼ばれた楽章が存在しており、この楽章を含めた3つ楽章を第一部とし、後の2つの楽章を第二部としていました。1896年に大幅な改定を施した時に、〈花の章〉を削除し、現行の4楽章の交響曲としての形が出来上がりました。
「巨人」というタイトルは、交響詩として発表した時に、マーラーが愛読していたジャン・パウルの小説のタイトルを拝借したものです。交響曲として発表し直した際にタイトルは削除されたのですが、今日では、そのタイトルが勝手に復活してしまっています。
演奏は、あまり期待しないできくと、倒れそうで倒れないような、ハラハラドキドキのスリリングな演奏です。
木管楽器の偏愛傾向が強く、響きはアンバランスですが、その調和を度外視したアンサンブルで騙しながらなんとか全部演奏しきったところに充実を感じられます。
聴きものは第3楽章で、ジャック・カロの戯画を下敷きにした作品ですが、民謡《フレール・ジャック》を元にしたコントラバスのメロディの虚ろさが妙にリアルです。

4枚目のCD(【SSS0004-2】)は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)の音楽が収録されています。
ヴァンデルノートはモーツァルトの作品を好んでおり、1960年代にはモーツァルトの交響曲を矢継ぎ早に録音していました。
一連のCDの中では、このCDに収録されている演奏が、一番コンディションがいいようです。
歌劇《フィガロの結婚》序曲は、まるでフルートが主役のような響きでユニークな演奏です。弦楽器の早いパッセージはやや怪しげですが、短い曲だけに大きな破綻もなく、一気呵成に聴かせるだけの勢いを保持しています。
ピアノ協奏曲第21番は、アブデル・ラーマン・エル・バシャ(Abdel Rahman El Bacha, 1958-)との共演。エル・バシャは、レバノン出身のピアニストで、ツヴァルト・サルキシアン門下。サルキシアンは、マルグリット・ロンとジャック・フェヴリエに師事したアルメニア人ピアニストです。その後、クラウディオ・アラウに才能を認められ、パリ音楽院に留学し、ピエール・サンカンのクラスに入り、ピアノと室内楽、和声と対位法の4部門で一等賞を得て卒業しています。さらに、1978年にはブリュッセルのエリザベト王妃国際音楽コンクールで満場一致の第1位を獲得したことで、世界的ピアニストとして注目を集めました。
本CDでは、第1楽章にわずかな弾き損じこそあるものの、音の一つ一つの粒立ちがよく、右手と左手の絡み合いが透けて見えるような演奏を聴かせてくれます。
伴奏のオーケストラは、やはり弦楽セクションが弱体ですが、木管セクションが、その弱点を補って余りあるほどにニュアンスの豊かな演奏を繰り広げており、大きな不満はありません。
最後は、交響曲第35番《ハフナー》が収録されていますが、これまた木管セクションに響きのウェイトが置かれているものの、弦楽セクションが気合の入った演奏を聴かせてくれます。

5枚目のCD(【SSS0005-2】)は、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(Pyotr Ilyich Tchaikovsky, 1840-1893)の大序曲《1812年》と交響曲第5番が収録されています。
《1812年》のほうは、1882年のモスクワ産業芸術博覧会の出し物として1880年に作曲した作品。
チャイコフスキーは、こうした博覧会の出し物として作品を作ることが嫌いだったらしく、博覧会の音楽監督を引き受けた親友のニコライ・ルビンシテインの説得に応じて作品を作りました。
1812年というのは、ナポレオン1世がロシア遠征をおこなって敗北を喫した年で、戦勝70周年ということで、このロシア遠征のことが象徴的に描かれています。最後はキャノン砲の空砲が使われますが、キャノン砲はおいそれと用意できるものではないので、大太鼓を叩いて大砲の代わりにしています。
交響曲第5番のほうは、1888年に書かれた作品。1877年作の交響曲第4番同様にベートーヴェンを意識したと思われる個所が散見されます。ただ、初演は批評家たちから散々にたたかれ、チャイコフスキー自身も、作品の出来に不満を持っていましたが、再演されるたびに評価が上がり、チャイコフスキーの傑作と見なされるようになりました。
ヴァンデルノートの演奏は、オーケストラの弦楽セクションが薄味なため、曲想の要求する音の重さから遠い演奏になっています。《1812年》など、クライマックスに至るまでの腰が軽く、あまり戦勝気分を味わう音楽にはなり得ていません。
しかし、思ったほどアンサンブルは瓦解しておらず、チャイコフスキーの音楽とはかくあるべしということに拘泥しなければ、本CDセットの中では、出来のいい方の演奏ではないかと思います。

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