1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈伊福部 昭: 日本狂詩曲
新星日本交響楽団 / 山田 一雄
(Rec. 13 May 1980, 東京文化会館) Live Recording with Applause
◈伊福部 昭: 土俗的三連画新星日本交響楽団 / 山田 一雄
(Rec. 27 May 1986, 東京文化会館) Live Recording with Applause
◈伊福部 昭: オーケストラとマリンバのためのラウダ・コンチェルタータ安倍 圭子 (Mb)
新星日本交響楽団 / 山田 一雄
(Rec. 12 September 1979, 東京文化会館) Live Recording with Applause
伊福部昭(Akira Ifukube, 1914-2006)は、北海道出身の作曲家です。
アレクサンデル・チェレプニンに短期間師事したほかは、ほぼ独学で作曲技術を身につけました。
本CDは、そんな伊福部の管弦楽作品2作と、マリンバとオーケストラのための協奏作品を1曲収録しています。
日本狂詩曲(1935年作)は、チェレプニンとの出会いを生んだ作品で、伊福部にとっては、最初の管弦楽作品です。
当時、親友の三浦淳史は、セルゲイ・クーセヴィツキーの甥にあたる、指揮者のファビエン・セヴィツキーと交流があり、そのセヴィツキーに献呈する作品として、この作品が作られました。この時、〈じょんがら舞曲〉、〈夜曲〉、〈祭〉の3曲からなる作品として完成しました。しかし、敬愛するモーリス・ラヴェルが、チェレプニン賞の審査員を務めるということで、伊福部は、この曲をチェレプニン賞に作品を応募することにし、応募規定の都合で〈じょんがら舞曲〉をカットして、事務局に送付しました。この曲は、見事に一等賞を獲得し、1936年に、セヴィツキーの指揮するボストンのピープルス交響楽団により初演され、成功を収めました。ただし、この曲はなかなか国内で演奏されず、本CDでの演奏が、日本初演です。
この曲を作曲した伊福部に興味を持ったチェレプニンは、来日して短期間ながら、伊福部に作曲法を伝授しています。
次に収録されているのは、《土俗的三連画》(1937年)です。
この作品は、作曲を教えてくれたチェレプニンに捧げる作品として完成させたもので、〈同郷の女たち〉、〈ティンベ〉、〈パッカイ〉の3つの部分からなります。
北海道東端の寒村に林務官として赴任していた伊福部は、その土地の生活や音楽に魅せられ、その音楽のアンソロジーとして曲を作ったようです。〈ティンベ〉は、伊福部が当時住んでいたところにあった岬の名前で、〈パッカイ〉は、伊福部によれば、アイヌの古老が酔って歌う様子のことらしいです。本来アイヌ語では「背負う」という意味があります。
1939年に新交響楽団(現:NHK交響楽団)の手で初演されました。
最後に収録されたオーケストラとマリンバのためのラウダ・コンチェルタータ(1979年)は、新星日本交響楽団の創立10周年のための委嘱作品として1976年に一旦完成した作品です。新星日本交響楽団の委嘱を受けて、1979年に改訂を施して決定稿を作り、オーケストラの創立10周年の定期演奏会で初演されました。本演奏は、その初演時のライヴ録音です。
ラウダ・コンチェルタータの「ラウダ」とは、頌歌のことで、コンチェルタータとは「協奏曲風」の意味です。人知を超えた自然的存在を讃える音楽として立案された本作品では、主にオーケストラがその超越的存在への礼賛を担当し、マリンバが、その礼賛のための踊りを司るとのこと。単一楽章の作品ですが、躍動的な前半から静謐な中盤へと移行し、最終的には野生的な音楽で盛り上がります。
演奏は、全て山田一雄(Kazuo Yamada, 1912-1991)指揮する新星日本交響楽団が担当し、山田ならではのパワフルな演奏が楽しめます。
日本狂詩曲など、〈夜曲〉の纏綿とした歌と〈祭〉の躍動性の対比が凄まじく、チェレプニン賞の審査員たちの度肝を抜いたのもなるほどと思わせる演奏です。
《土俗的三連画》は、本来少人数の編成で演奏されますが、本演奏では、弦楽セクションを増員して演奏しており、躍動感のある演奏になっております。トランペット、オーボエやファゴット、クラリネットなど管楽器は全て一本ずつですが、どの奏者も表情が豊かで、すっとぼけた味わいが魅力的です。
ラウダ・コンチェルタータは、安倍圭子(Keiko Abe, 1937-)との共演で、安倍の迫力あるマリンバの演奏がオーケストラに火をつけ、熱気いっぱいの演奏に仕上がっています。中間部では音楽はクール・ダウンしますが、緊張の糸がピンと張り詰めていて、音楽は全く弛緩していません。後半部は、勢いがつき過ぎて、オーケストラとマリンバのコンビネーションが怪しくなっていますが、それでも前へ前へと前進する力には圧倒させられます。
本CDに収録された演奏は、技術的に万全な演奏ではありませんが、伊福部の音楽の土俗的な躍動性を味わうには十二分な演奏です。
アレクサンデル・チェレプニンに短期間師事したほかは、ほぼ独学で作曲技術を身につけました。
本CDは、そんな伊福部の管弦楽作品2作と、マリンバとオーケストラのための協奏作品を1曲収録しています。
日本狂詩曲(1935年作)は、チェレプニンとの出会いを生んだ作品で、伊福部にとっては、最初の管弦楽作品です。
当時、親友の三浦淳史は、セルゲイ・クーセヴィツキーの甥にあたる、指揮者のファビエン・セヴィツキーと交流があり、そのセヴィツキーに献呈する作品として、この作品が作られました。この時、〈じょんがら舞曲〉、〈夜曲〉、〈祭〉の3曲からなる作品として完成しました。しかし、敬愛するモーリス・ラヴェルが、チェレプニン賞の審査員を務めるということで、伊福部は、この曲をチェレプニン賞に作品を応募することにし、応募規定の都合で〈じょんがら舞曲〉をカットして、事務局に送付しました。この曲は、見事に一等賞を獲得し、1936年に、セヴィツキーの指揮するボストンのピープルス交響楽団により初演され、成功を収めました。ただし、この曲はなかなか国内で演奏されず、本CDでの演奏が、日本初演です。
この曲を作曲した伊福部に興味を持ったチェレプニンは、来日して短期間ながら、伊福部に作曲法を伝授しています。
次に収録されているのは、《土俗的三連画》(1937年)です。
この作品は、作曲を教えてくれたチェレプニンに捧げる作品として完成させたもので、〈同郷の女たち〉、〈ティンベ〉、〈パッカイ〉の3つの部分からなります。
北海道東端の寒村に林務官として赴任していた伊福部は、その土地の生活や音楽に魅せられ、その音楽のアンソロジーとして曲を作ったようです。〈ティンベ〉は、伊福部が当時住んでいたところにあった岬の名前で、〈パッカイ〉は、伊福部によれば、アイヌの古老が酔って歌う様子のことらしいです。本来アイヌ語では「背負う」という意味があります。
1939年に新交響楽団(現:NHK交響楽団)の手で初演されました。
最後に収録されたオーケストラとマリンバのためのラウダ・コンチェルタータ(1979年)は、新星日本交響楽団の創立10周年のための委嘱作品として1976年に一旦完成した作品です。新星日本交響楽団の委嘱を受けて、1979年に改訂を施して決定稿を作り、オーケストラの創立10周年の定期演奏会で初演されました。本演奏は、その初演時のライヴ録音です。
ラウダ・コンチェルタータの「ラウダ」とは、頌歌のことで、コンチェルタータとは「協奏曲風」の意味です。人知を超えた自然的存在を讃える音楽として立案された本作品では、主にオーケストラがその超越的存在への礼賛を担当し、マリンバが、その礼賛のための踊りを司るとのこと。単一楽章の作品ですが、躍動的な前半から静謐な中盤へと移行し、最終的には野生的な音楽で盛り上がります。
演奏は、全て山田一雄(Kazuo Yamada, 1912-1991)指揮する新星日本交響楽団が担当し、山田ならではのパワフルな演奏が楽しめます。
日本狂詩曲など、〈夜曲〉の纏綿とした歌と〈祭〉の躍動性の対比が凄まじく、チェレプニン賞の審査員たちの度肝を抜いたのもなるほどと思わせる演奏です。
《土俗的三連画》は、本来少人数の編成で演奏されますが、本演奏では、弦楽セクションを増員して演奏しており、躍動感のある演奏になっております。トランペット、オーボエやファゴット、クラリネットなど管楽器は全て一本ずつですが、どの奏者も表情が豊かで、すっとぼけた味わいが魅力的です。
ラウダ・コンチェルタータは、安倍圭子(Keiko Abe, 1937-)との共演で、安倍の迫力あるマリンバの演奏がオーケストラに火をつけ、熱気いっぱいの演奏に仕上がっています。中間部では音楽はクール・ダウンしますが、緊張の糸がピンと張り詰めていて、音楽は全く弛緩していません。後半部は、勢いがつき過ぎて、オーケストラとマリンバのコンビネーションが怪しくなっていますが、それでも前へ前へと前進する力には圧倒させられます。
本CDに収録された演奏は、技術的に万全な演奏ではありませんが、伊福部の音楽の土俗的な躍動性を味わうには十二分な演奏です。
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