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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Franz Schubert: Sonata for Arpeggione in A minor, D821
◈Ludwig van Beethoven: 12 Variations on 'Ein Mädchen oder Weibechen' from Mozart's "Zauberflöte", op.66
◈Ludwig van Beethoven: 7 Variations on 'Bei Männern, welche liebe fühlen' from Mozart's "Zauberflöte", WoO46
◈Ludwig van Beethoven: 12 Variations on 'See the conquering hero comes' from Handel's "Judas Maccabaeus"WoO45
Maurice Gendron (Vc)
Jean Françaix (Pf)
(Rec. November 1966 London)



フランツ・シューベルト(Franz Schubert, 1797-1828)のアルペジオーネ・ソナタ(1824年頃作)と、(Ludwig van Beethoven, 1770-1827)のチェロとピアノのための変奏曲作品の詰め合わせ。
チェロはモーリス・ジャンドロン(Maurice Gendron, 1920-1990)、ピアノはジャン・フランセ(Jean Françaix, 1912-1997)が担当しています。

アルペジオーネというのは、ヨハン・ゲオルク・シュタウファーという、ウィーンの楽器制作家が考案した弦楽器で、6本の弦を持ち、指板にフレットがついています。ギターとチェロの合いの子のような楽器でした。結局この楽器は普及せず、この楽器のために書いたシューベルトのソナタも、お蔵入りになりそうになりました。
しかし、そのメロディの美しさから、チェロに置き換えて演奏され、今日でも演奏され続けています。

ベートーヴェンは、5曲のチェロソナタを書き、このチェロ・ソナタの録音の際には、3曲あるチェロとピアノのための変奏曲のいずれかを選択して演奏します。本CDでは、その3曲全てを聴くことができます。
最初に収録されているのは、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの歌劇《魔笛》から第2幕で歌われるパパゲーノのアリア〈娘か花嫁が欲しい〉を元にして作った変奏曲です。作品番号は66番ということになっていますが、作品自体は1798年ごろに出来上がっていました。

次の変奏曲も、モーツァルトの《魔笛》から主題を拝借しています。この作品では、第1幕のパミーナとパパゲーノの二重唱〈恋を知る男たちは〉を変奏しています。この作品は、ベートーヴェン研究家のグスタフ・ノッテボームによって、作品番号として158番が付けられていましたが、1801年の作であることが分かっており、今では作品番号なしの整理番号(WoO)が付けられています。

最後に収録されているのは、ジョージ・フレデリック・ハンデルことヘンデルの《マカベウスのユダ》というオラトリオの第3部で歌われる〈見よ勇者は帰る〉を主題にした変奏曲です。1796年に作られた作品で、この頃のベトーヴェンは、チェロをピアノの添え物と見做して、ピアノに比重の高い変奏曲を書き上げています。

本CDで演奏するジャンドロンは、ジェラール・エッキャンとパブロ・カザルスに学んだフランスのチェリストです。ウィレム・メンゲルベルクに私淑し、指揮者としても活動しました。
伴奏を務めるフランセは、フランスの作曲家として知られた才人で、ピアニストとしては、イシドール・フィリップの門下生として知られています。ジャンドロンとは度々デュオを組んで演奏していたということで、阿吽の呼吸でジャンドロンのチェロに合わせています。
ジャンドロンの美質は、特にアルペジオーネ・ソナタによくあらわれていて、哀感を含んだ第1楽章のメロディを、泣き節として演奏するのではなく、凛としながらも一筋の涙をそっと見せるような気品を漂わせています。
フランセのピアノもよく感じ入り、曲の表情に寄り添った演奏で、聴き手の共感を誘います。
ベートーヴェンの作品では、ことさら構えることなく、チェロとピアノが、それぞれの変奏を思い思いに楽しんでいるような自然体の演奏を聴かせます。特に、最後のヘンデルの主題による変奏曲は、ピアニストとしてのフランセの腕の冴えを存分に味わうことができます。
全体的に、偉大な演奏を聴いたというよりも、楽しい演奏を聴いたという印象を残すアルバムと言えます。

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