1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Albéric Magnard: Hymne à la Justice, op.14
◈Albéric Magnard: Suite dans le style ancien, op.2
◈Albéric Magnard: Chant funèbre, op.9
◈Albéric Magnard: Ouverture, op.10
◈Albéric Magnard: Hymne à la Vénus, op.17
Orchestre Philharmonique du Luxembourg / Mark Stringer
(Rec. 17-21 September 2001, Conservatoire de Luxembourg)
アルベリク・マニャール(Albéric Magnard, 1865-1914)は、フランスの作曲家です。パリ音楽院を優等で卒業した後、スコラ・カントールムでヴァンサン・ダンディに学びました。また、スコラ・カントールムでは、ダンディの代講として対位法を教え、門下にデオダ・ド・セヴラックがいます。
肝心の作曲のほうは、自作に片っ端からダメ出しを繰り返たため、遺された作品は、20ほどしかありません。
リヒャルト・ヴァーグナーのファンであり、ドイツ音楽に帰属意識を置いていたマニャールでしたが、隠遁先の自宅にドイツ兵が侵入してきたため、ピストルを持って応戦し、結果、射殺された揚句に家ごと燃やされてしまいました。
本CDでは、マニャールの作品として、《正義への讃歌》(1899年作)、古風な様式による組曲(1888年作)、《葬送歌》(1895年作)、序曲(1895年作)と《ヴィーナスへの讃歌》(1904年作)の5曲が収録されています。
《正義への讃歌》は、冤罪事件として名高いドレフュス事件を受けて書かれた作品。ドレフュス事件とは、1894年に陸軍大尉のアルフレド・ドレフュスがスパイ容疑をかけられて軍籍を剥奪され、ギアナのデビルズ島に終身禁固の刑に処せられた事案です。1899年にドレフュスは特赦で釈放され、1906年に無罪を勝ち取りました。
この曲は、ドレフュスが釈放されたのを受けて作曲された作品で、1903年の1月に初演されて好評を博しました。
古風な様式による組曲は、元々2台のピアノ用に作曲された作品ですが、師のダンディから助言されて、1889年にオーケストレーションを施しました。古風な様式ということで、バロック時代の舞曲集としての組曲が意識されており、序曲としての〈フランセーズ〉のほか、〈サラバンド〉、〈ガヴォット〉、〈メヌエット〉、〈ジーグ〉という全5曲からなります。
《葬送歌》は、マニャールの父の死を悼んで作曲されたもの。マニャールの父は、フランソワ・マニャールといい、雑誌『フィガロ』の編集長を兼ねる作家でした。父は、マニャールを物心両面でサポートし、各方面にマニャールを売りこんでいたようですが、作曲家当人は父のサポートなしで作曲活動を展開したかったようです。父の行為には感謝しながらも、マニャール自身は一方で疎ましくも思っていました。
そんな父の死に際して、マニャールは、ことさら哀悼の意を強調することなく、安息への祈りと、自らが進む道への希望の光を、この作品に盛り込んでいます。
op.10の序曲は、父親が亡くなったことを契機にして、自らの半生を音楽で振り返ろうとした作品です。この作品も、《正義への賛歌》や《葬送歌》と同様にソナタ形式をベースにしており、それぞれの主題に自らの真的葛藤を盛り込んでいます。
《ヴィーナスへの讃歌》は、マニャールが自分の妻に捧げた作品です。それと同時に、表題の「ヴィーナス」については、作曲者が4歳の時に自殺してしまった自分の母を重ね合わせていると考えることもできます。母親の死は、マニャールの性格形成や父親との付き合い方などにも影響を与えています。マニャールの内面が創作の発露になっているため、《正義への讃歌》に比べて劇的な盛り上がりというよりは抒情性に重きが置かれています。
演奏は、マーク・ストリンガー(Mark Stringer, 1964-)の指揮するルクセンブルグ・フィルハーモニー管弦楽団です。ストリンガーは、ジュリアード音楽院やタングルウッド音楽祭などで、レナード・バーンスタインや小澤征爾、マイケル・ティルソン・トーマスやサイモン・ラトルらの薫陶を受けたアメリカ人指揮者です。ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団は、1933年にルクセンブルク放送交響楽団として創立されたオーケストラで、1996年に現在の名称に改めて活動しています。
本CDの演奏自体は、要求される対位法的な処理も手際良くこなしていて、そつのない仕上がりになっています。ただ、作品の彫琢の深さにまで踏み込んでいないもどかしさもあり、概して語り口が一本調子になってしまう傾向があります。
肝心の作曲のほうは、自作に片っ端からダメ出しを繰り返たため、遺された作品は、20ほどしかありません。
リヒャルト・ヴァーグナーのファンであり、ドイツ音楽に帰属意識を置いていたマニャールでしたが、隠遁先の自宅にドイツ兵が侵入してきたため、ピストルを持って応戦し、結果、射殺された揚句に家ごと燃やされてしまいました。
本CDでは、マニャールの作品として、《正義への讃歌》(1899年作)、古風な様式による組曲(1888年作)、《葬送歌》(1895年作)、序曲(1895年作)と《ヴィーナスへの讃歌》(1904年作)の5曲が収録されています。
《正義への讃歌》は、冤罪事件として名高いドレフュス事件を受けて書かれた作品。ドレフュス事件とは、1894年に陸軍大尉のアルフレド・ドレフュスがスパイ容疑をかけられて軍籍を剥奪され、ギアナのデビルズ島に終身禁固の刑に処せられた事案です。1899年にドレフュスは特赦で釈放され、1906年に無罪を勝ち取りました。
この曲は、ドレフュスが釈放されたのを受けて作曲された作品で、1903年の1月に初演されて好評を博しました。
古風な様式による組曲は、元々2台のピアノ用に作曲された作品ですが、師のダンディから助言されて、1889年にオーケストレーションを施しました。古風な様式ということで、バロック時代の舞曲集としての組曲が意識されており、序曲としての〈フランセーズ〉のほか、〈サラバンド〉、〈ガヴォット〉、〈メヌエット〉、〈ジーグ〉という全5曲からなります。
《葬送歌》は、マニャールの父の死を悼んで作曲されたもの。マニャールの父は、フランソワ・マニャールといい、雑誌『フィガロ』の編集長を兼ねる作家でした。父は、マニャールを物心両面でサポートし、各方面にマニャールを売りこんでいたようですが、作曲家当人は父のサポートなしで作曲活動を展開したかったようです。父の行為には感謝しながらも、マニャール自身は一方で疎ましくも思っていました。
そんな父の死に際して、マニャールは、ことさら哀悼の意を強調することなく、安息への祈りと、自らが進む道への希望の光を、この作品に盛り込んでいます。
op.10の序曲は、父親が亡くなったことを契機にして、自らの半生を音楽で振り返ろうとした作品です。この作品も、《正義への賛歌》や《葬送歌》と同様にソナタ形式をベースにしており、それぞれの主題に自らの真的葛藤を盛り込んでいます。
《ヴィーナスへの讃歌》は、マニャールが自分の妻に捧げた作品です。それと同時に、表題の「ヴィーナス」については、作曲者が4歳の時に自殺してしまった自分の母を重ね合わせていると考えることもできます。母親の死は、マニャールの性格形成や父親との付き合い方などにも影響を与えています。マニャールの内面が創作の発露になっているため、《正義への讃歌》に比べて劇的な盛り上がりというよりは抒情性に重きが置かれています。
演奏は、マーク・ストリンガー(Mark Stringer, 1964-)の指揮するルクセンブルグ・フィルハーモニー管弦楽団です。ストリンガーは、ジュリアード音楽院やタングルウッド音楽祭などで、レナード・バーンスタインや小澤征爾、マイケル・ティルソン・トーマスやサイモン・ラトルらの薫陶を受けたアメリカ人指揮者です。ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団は、1933年にルクセンブルク放送交響楽団として創立されたオーケストラで、1996年に現在の名称に改めて活動しています。
本CDの演奏自体は、要求される対位法的な処理も手際良くこなしていて、そつのない仕上がりになっています。ただ、作品の彫琢の深さにまで踏み込んでいないもどかしさもあり、概して語り口が一本調子になってしまう傾向があります。
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