1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Ludwig van Beethoven: Violin Concerto in D major, op.61
Franco Gulli (Vn)
Orchestre des Concerts Lamoureux / Rudolf Alberth
(Rec. 12 May 1958, Salle Wagram, Paris)
◈Felix Mendelssohn: Violin Concerto in E minor, op.64Franco Gulli (Vn)
Orchestre du Théâtre de la Fenice / Ettore Gracis
(Rec. 15 March 1959, Théâtre de la Fenice, Venise)
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven, 1770-1827)のニ長調のヴァイオリン協奏曲(1806年作)と、フェリックス・メンデルスゾーン(Felix Mendelssohn, 1809-1847)のホ短調のヴァイオリン協奏曲(1844年作)のカップリングです。
ベートーヴェンもメンデルスゾーンもヴァイオリン演奏を職業にしている人ではなかったので、それぞれ知り合いのヴァイオリニストを助言者に立て、初演の時には独奏者を務めてもらっています。
本CDでヴァイオリン独奏を担当しているのは、イタリア人ヴァイオリニストのフランコ・グッリ(Franco Gulli, 1926-2001)です。グッリは、キジアーナ音楽院でアリゴ・セラートに師事し、スイスに居を構えていたヨーゼフ・シゲティの薫陶も受けた人で、奥さんでピアニストのエンリカ・カヴァッロとデュオを組んで活躍しました。
師匠のシゲティほどにボウイングに苦労しなかった人で、よく引き締まった音色で端正にメロディを歌いあげる芸風を持っています。
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のほうは、ルドルフ・アルベルト(Rudolf Alberth, 1918-1992)の指揮するラムルー管弦楽団の伴奏です。アルベルトは、本CDでは"Albert"と表記され、資料によっては「アルバート」と記されることもありますが、フランクフルト・アム・マインに生まれたドイツ人です。
地元のホッホ音楽院で音楽理論と対位法を学んだアルベルトの本職は作曲家でしたが、指揮者としても、地元のヘッセン放送交響楽団やバイエルン放送交響楽団など、ドイツ各地の放送局のオーケストラに客演してキャリアを重ねています。ただ、本職を作曲家として定めていたのか、オーケストラの専属指揮者としてのポストには固執しませんでした。また、アルベルトは、ディスク・フランセというレーベルとも関係が深く、その縁でフランスのオーケストラとも共演を重ねていたようです。
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲のほうは、エットーレ・グラチス(Ettore Gracis, 1915-1992)の指揮するフェニーチェ歌劇場管弦楽団が伴奏を務めています。
グラチスは、イタリアの指揮者で、ジャン・フランチェスコ・マリピエロから作曲を学び、アントニオ・グァルニエリから指揮法を学んでいます。ベネデット・マルチェロ音楽院の指揮法の先生を務めたり、フェニーチェ歌劇場をはじめとするイタリア各地の歌劇場を回った人で、18世紀のオペラのスペシャリストとして知られた傍らで、同世代の作曲家の作品も積極的に取り上げていた点は、アルベルトの音楽遍歴と多少似通った点があります。
ベートーヴェンの作品も、メンデルスゾーンの作品も、独奏ヴァイオリンを美しく歌わせることに主眼を置いた作品であり、美音家としてのグッリの側面が望ましい形で引き出された録音です。
ベートーヴェン作品では、特に第2楽章が聴きもので、凛としたヴァイオリンの音色でことさら美しくヴァイオリンを歌い上げているので、名歌手の心地よい歌声を聴いているような夢心地に誘ってくれます。
オーケストラも、硬軟使い分けた巧みな伴奏でグッリの独奏を支えており、アルベルトの手綱さばきの見事さが随所に光っています。
メンデルスゾーンの作品では、フェニーチェ歌劇場のオーケストラの音色のローカル色が、多少違和感を残すものの、グラチスの勘所を押さえた指揮のおかげで、さほど大きな破綻もなく、相応の手ごたえのある演奏に仕上がっています。
第3楽章では、やはり木管楽器のセクションが心もとないものの、グッリの磨き抜かれた音色と安定した技巧のおかげで、さほどオーケストラの欠点が気になりません。
なお、本CDでは、メンデルスゾーンの作品の方に、第1楽章と第2楽章への移行の際に無音の部分が出来てしまうという、痛恨の編集ミスがあります。
ベートーヴェンもメンデルスゾーンもヴァイオリン演奏を職業にしている人ではなかったので、それぞれ知り合いのヴァイオリニストを助言者に立て、初演の時には独奏者を務めてもらっています。
本CDでヴァイオリン独奏を担当しているのは、イタリア人ヴァイオリニストのフランコ・グッリ(Franco Gulli, 1926-2001)です。グッリは、キジアーナ音楽院でアリゴ・セラートに師事し、スイスに居を構えていたヨーゼフ・シゲティの薫陶も受けた人で、奥さんでピアニストのエンリカ・カヴァッロとデュオを組んで活躍しました。
師匠のシゲティほどにボウイングに苦労しなかった人で、よく引き締まった音色で端正にメロディを歌いあげる芸風を持っています。
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のほうは、ルドルフ・アルベルト(Rudolf Alberth, 1918-1992)の指揮するラムルー管弦楽団の伴奏です。アルベルトは、本CDでは"Albert"と表記され、資料によっては「アルバート」と記されることもありますが、フランクフルト・アム・マインに生まれたドイツ人です。
地元のホッホ音楽院で音楽理論と対位法を学んだアルベルトの本職は作曲家でしたが、指揮者としても、地元のヘッセン放送交響楽団やバイエルン放送交響楽団など、ドイツ各地の放送局のオーケストラに客演してキャリアを重ねています。ただ、本職を作曲家として定めていたのか、オーケストラの専属指揮者としてのポストには固執しませんでした。また、アルベルトは、ディスク・フランセというレーベルとも関係が深く、その縁でフランスのオーケストラとも共演を重ねていたようです。
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲のほうは、エットーレ・グラチス(Ettore Gracis, 1915-1992)の指揮するフェニーチェ歌劇場管弦楽団が伴奏を務めています。
グラチスは、イタリアの指揮者で、ジャン・フランチェスコ・マリピエロから作曲を学び、アントニオ・グァルニエリから指揮法を学んでいます。ベネデット・マルチェロ音楽院の指揮法の先生を務めたり、フェニーチェ歌劇場をはじめとするイタリア各地の歌劇場を回った人で、18世紀のオペラのスペシャリストとして知られた傍らで、同世代の作曲家の作品も積極的に取り上げていた点は、アルベルトの音楽遍歴と多少似通った点があります。
ベートーヴェンの作品も、メンデルスゾーンの作品も、独奏ヴァイオリンを美しく歌わせることに主眼を置いた作品であり、美音家としてのグッリの側面が望ましい形で引き出された録音です。
ベートーヴェン作品では、特に第2楽章が聴きもので、凛としたヴァイオリンの音色でことさら美しくヴァイオリンを歌い上げているので、名歌手の心地よい歌声を聴いているような夢心地に誘ってくれます。
オーケストラも、硬軟使い分けた巧みな伴奏でグッリの独奏を支えており、アルベルトの手綱さばきの見事さが随所に光っています。
メンデルスゾーンの作品では、フェニーチェ歌劇場のオーケストラの音色のローカル色が、多少違和感を残すものの、グラチスの勘所を押さえた指揮のおかげで、さほど大きな破綻もなく、相応の手ごたえのある演奏に仕上がっています。
第3楽章では、やはり木管楽器のセクションが心もとないものの、グッリの磨き抜かれた音色と安定した技巧のおかげで、さほどオーケストラの欠点が気になりません。
なお、本CDでは、メンデルスゾーンの作品の方に、第1楽章と第2楽章への移行の際に無音の部分が出来てしまうという、痛恨の編集ミスがあります。
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