1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Nikos Skalkottas: Quartet No.1 for Piano and Winds
Håkan Hardenberger (Tp)
Heinz Holliger (Ob)
Klaus Thunemann (Fg)
Bruno Canino (Pf)
Heinz Holliger (Ob)
Klaus Thunemann (Fg)
Bruno Canino (Pf)
(Rec. 14 February 1994, La Chaux-de-Fonds, Switzerland)
◈Nikos Skalkottas: Concertino for Oboe and PianoHeinz Holliger (Ob)
Bruno Canino (Pf)
Bruno Canino (Pf)
(Rec. 14 February 1994, La Chaux-de-Fonds, Switzerland)
◈Nikos Slkalkottas: Sonata Concertante for Bassoon and PianoKlaus Thunemann (Fg)
Bruno Canino (Pf)
Bruno Canino (Pf)
(Rec. 14 February 1994, La Chaux-de-Fonds, Switzerland)
◈Nikos Skalkottas: Concertino for Trumpet and PianoHåkan Hardenberger (Tp)
Bruno Canino (Pf)
Bruno Canino (Pf)
(Rec. 14 February 1994, La Chaux-de-Fonds, Switzerland)
◈Nikos Skalkottas: Quartet No.2 for Piano and WindsHåkan Hardenberger (Tp)
Heinz Holliger (Ob)
Klaus Thunemann (Fg)
Bruno Canino (Pf)
Heinz Holliger (Ob)
Klaus Thunemann (Fg)
Bruno Canino (Pf)
(Rec. 14 February 1994, La Chaux-de-Fonds, Switzerland)
ニコス・スカルコッタス(Nikos Skalkottas, 1904-1949)は、ギリシャの作曲家。
元々ヴァイオリニストとして活動するはずだったスカルコッタスは、1921年にドイツに留学してヴィリー・ヘスにヴァイオリンを師事していましたが、次第に作曲に興味を持つようになり、ロベルト・カーン、パウル・ユオン、フィリップ・ヤルナッハらから作曲の指導を受け、1927年から1930年まで、アルノルト・シェーンベルクの下で十二音音楽の技法を習いました。
1933年にギリシャに帰国したスカルコッタスでしたが、彼の作る無調音楽は、ギリシャではほとんど受け入れてもらえず、ギリシャ楽壇で孤立した存在になってしまいました。
やむなく、聴衆受けのいいギリシャ舞曲集の作曲も手がけましたが、彼を取り巻く環境は好転せず、作曲家だけでは食べていけないということで、ギリシャのオーケストラに就職して第2ヴァイオリンの奏者として活動していました。
本CDは、ピアノを軸に、オーボエとファゴットとトランペットのための室内楽曲を集めたアルバムです。内訳は、1939年作のオーボエとピアノのためのコンチェルティーノ、1940年代初頭の作とされる四重奏曲2曲およびトランペットとピアノのためのコンチェルティーノ、1943年作とされるファゴットとピアノのための協奏風ソナタの5曲です。これらの曲は、スカルコッタスが勤務していたオーケストラの団員から依頼をとりつけて作曲したもののようですが、楽譜を見た団員達から演奏不可能のレッテルを貼られ、スカルコッタスの生前には演奏されませんでした。
生前のスカルコッタスは、これらの曲について、2曲の四重奏曲をプロローグとエピローグとしてそれぞれ配置し、四重奏曲の管楽器奏者たちの持ち回りで、それぞれにピアノと共演するという「サイクル・コンサート」を構想していました。本CDでは、その「サイクル・コンサート」の構想通りに作品を収録しています。
本CDで演奏しているのは、スイス人オーボエ奏者のハインツ・ホリガー(Heinz Holliger, 1939-)、ドイツ人ファゴット奏者のクラウス・トゥーネマン(Klaus Thunemann, 1937-)、スウェーデン人トランペット奏者のホーカン・ハーデンベルガー(Håkan Hardenberger, 1961-)とイタリア人ピアニストのブルーノ・カニーノ(Bruno Canino, 1935-)です。
ホリガーとカニーノは作曲家としても活動しており、オーボエのコンチェルティーノの、まるでネイティヴの人たちによる演奏であるかのような流暢さは、このCDの聴きどころのひとつとなっています。
トランペットのハーデンベルガーも、同時代の作曲家の作品を積極的に取り上げる人だけあって、よくこなれた演奏で、スカルコッタスの作品の面白さをよく伝えてくれます。
トゥーネマンの演奏する協奏的ソナタは、他のコンチェルティーノよりも長丁場ですが、ファゴットのすっとぼけたような味わいを巧みに生かし、無調音楽ながら、全く飽きの来ない演奏を繰り広げています。
しかし、これらの曲の最大の功労は、ピアノを弾くカニーノにあります。決して簡単とは言えないピアノ・パートに果敢に挑み、弾力性のあるリズム感とどっしりとした風格のある音色で、ともすると散漫になる音楽のモチベーションを、よい状態で維持し続けています。
元々ヴァイオリニストとして活動するはずだったスカルコッタスは、1921年にドイツに留学してヴィリー・ヘスにヴァイオリンを師事していましたが、次第に作曲に興味を持つようになり、ロベルト・カーン、パウル・ユオン、フィリップ・ヤルナッハらから作曲の指導を受け、1927年から1930年まで、アルノルト・シェーンベルクの下で十二音音楽の技法を習いました。
1933年にギリシャに帰国したスカルコッタスでしたが、彼の作る無調音楽は、ギリシャではほとんど受け入れてもらえず、ギリシャ楽壇で孤立した存在になってしまいました。
やむなく、聴衆受けのいいギリシャ舞曲集の作曲も手がけましたが、彼を取り巻く環境は好転せず、作曲家だけでは食べていけないということで、ギリシャのオーケストラに就職して第2ヴァイオリンの奏者として活動していました。
本CDは、ピアノを軸に、オーボエとファゴットとトランペットのための室内楽曲を集めたアルバムです。内訳は、1939年作のオーボエとピアノのためのコンチェルティーノ、1940年代初頭の作とされる四重奏曲2曲およびトランペットとピアノのためのコンチェルティーノ、1943年作とされるファゴットとピアノのための協奏風ソナタの5曲です。これらの曲は、スカルコッタスが勤務していたオーケストラの団員から依頼をとりつけて作曲したもののようですが、楽譜を見た団員達から演奏不可能のレッテルを貼られ、スカルコッタスの生前には演奏されませんでした。
生前のスカルコッタスは、これらの曲について、2曲の四重奏曲をプロローグとエピローグとしてそれぞれ配置し、四重奏曲の管楽器奏者たちの持ち回りで、それぞれにピアノと共演するという「サイクル・コンサート」を構想していました。本CDでは、その「サイクル・コンサート」の構想通りに作品を収録しています。
本CDで演奏しているのは、スイス人オーボエ奏者のハインツ・ホリガー(Heinz Holliger, 1939-)、ドイツ人ファゴット奏者のクラウス・トゥーネマン(Klaus Thunemann, 1937-)、スウェーデン人トランペット奏者のホーカン・ハーデンベルガー(Håkan Hardenberger, 1961-)とイタリア人ピアニストのブルーノ・カニーノ(Bruno Canino, 1935-)です。
ホリガーとカニーノは作曲家としても活動しており、オーボエのコンチェルティーノの、まるでネイティヴの人たちによる演奏であるかのような流暢さは、このCDの聴きどころのひとつとなっています。
トランペットのハーデンベルガーも、同時代の作曲家の作品を積極的に取り上げる人だけあって、よくこなれた演奏で、スカルコッタスの作品の面白さをよく伝えてくれます。
トゥーネマンの演奏する協奏的ソナタは、他のコンチェルティーノよりも長丁場ですが、ファゴットのすっとぼけたような味わいを巧みに生かし、無調音楽ながら、全く飽きの来ない演奏を繰り広げています。
しかし、これらの曲の最大の功労は、ピアノを弾くカニーノにあります。決して簡単とは言えないピアノ・パートに果敢に挑み、弾力性のあるリズム感とどっしりとした風格のある音色で、ともすると散漫になる音楽のモチベーションを、よい状態で維持し続けています。
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