1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Paul Dukas: Symphony in C major
◈Paul Dukas: Introduction à Acte 3 de "Aliane et Barbe bleue"
Prchestre National de l'O.R.T.F. / Jean Martinon
(Rec. February 1972, Studio 103 O.R.T.F., Paris)
ポール・デュカス(Paul Dukas, 1865-1935)は、フランスの作曲家。14歳のときに独学で音楽の勉強をはじめ、1882年にパリ音楽院に入学してエルネスト・ギローに作曲を、テオドール・デュボワに和声学を学んでいます。1891年に発表した《ポリュークト》序曲で作曲家として認められ、1910年からはパリ音楽院で後進の指導にあたりました。批評家でもあったデュカスは、厳格な批判精神を持ち、亡くなるまでに、書きためた作品のうち、自分の意に染まなかった作品を悉く破棄しています。結果として、遺された作品は、数えるほどしかありません。
こうしたデュカスの自己批判から生き延びた作品の一つとして、1895年から翌年にかけて作曲された唯一の交響曲があります。1897年の1月3日に、パリのオペラ座でポール・ヴィダルの指揮で初演された時は、ヴァンサン・ダンディやエルネスト・ショーソンといった先人たちの交響曲の二番煎じと見做されましたが、1900年に再演されたときに名曲としての評価を確立しました。作品は、セザール・フランクを彷彿とさせる3楽章から成る作品。直截的な主題と入念な展開は、フランクからショーソンまでの交響曲の作風を取り込もうとする意欲が感じられます。しかし、この曲を発表した頃、クロード・ドビュッシーが《牧神の午後のための前奏曲》を発表して、機能和声に囚われない作風を確立しており、そこに敢えて交響曲を作曲して世に問うたところに、デュカスの音楽的な立場が分かろうというものです。
1907年にデュカスの作った《アリアーヌと青ひげ》は、全3幕のオペラですが、本CDでは第3幕の前奏曲が演奏されています。ここでは、ドビュッシー等の見せた精妙な感覚美を掬い取ろうとするデュカスの努力が垣間見られます。繊細さと豪華さを併せ持った絶妙なオーケストレーションで、秘密の多い青ひげ公の神秘性を描き出しています。
本CDで演奏するのは、ジャン・マルティノン(Jean Martinon, 1910-1970)の指揮するフランス国立放送管弦楽団(現:フランス国立管弦楽団)です。堅牢なオーケストレーションを華やかに鳴らすのは、マルティノンの得意とするところ。華麗ではあるけれども、ヒロイズムに浸っていないので、説教臭さが鼻につかない演奏です。ドイツの一流オーケストラのようなガッチリとしたアンサンブルへの意地は見られませんが、開放的なサウンドが、デュカスの音楽を若々しいものにしています。
《アリアーヌと青ひげ》から第3幕の前奏曲も、崩壊しそうで崩壊しない絶妙なアンサンブルのバランスと、管楽セクションの自然な表情付けが隠し味になり、このオペラの全曲を聴いてみたい気分にさせます。
こうしたデュカスの自己批判から生き延びた作品の一つとして、1895年から翌年にかけて作曲された唯一の交響曲があります。1897年の1月3日に、パリのオペラ座でポール・ヴィダルの指揮で初演された時は、ヴァンサン・ダンディやエルネスト・ショーソンといった先人たちの交響曲の二番煎じと見做されましたが、1900年に再演されたときに名曲としての評価を確立しました。作品は、セザール・フランクを彷彿とさせる3楽章から成る作品。直截的な主題と入念な展開は、フランクからショーソンまでの交響曲の作風を取り込もうとする意欲が感じられます。しかし、この曲を発表した頃、クロード・ドビュッシーが《牧神の午後のための前奏曲》を発表して、機能和声に囚われない作風を確立しており、そこに敢えて交響曲を作曲して世に問うたところに、デュカスの音楽的な立場が分かろうというものです。
1907年にデュカスの作った《アリアーヌと青ひげ》は、全3幕のオペラですが、本CDでは第3幕の前奏曲が演奏されています。ここでは、ドビュッシー等の見せた精妙な感覚美を掬い取ろうとするデュカスの努力が垣間見られます。繊細さと豪華さを併せ持った絶妙なオーケストレーションで、秘密の多い青ひげ公の神秘性を描き出しています。
本CDで演奏するのは、ジャン・マルティノン(Jean Martinon, 1910-1970)の指揮するフランス国立放送管弦楽団(現:フランス国立管弦楽団)です。堅牢なオーケストレーションを華やかに鳴らすのは、マルティノンの得意とするところ。華麗ではあるけれども、ヒロイズムに浸っていないので、説教臭さが鼻につかない演奏です。ドイツの一流オーケストラのようなガッチリとしたアンサンブルへの意地は見られませんが、開放的なサウンドが、デュカスの音楽を若々しいものにしています。
《アリアーヌと青ひげ》から第3幕の前奏曲も、崩壊しそうで崩壊しない絶妙なアンサンブルのバランスと、管楽セクションの自然な表情付けが隠し味になり、このオペラの全曲を聴いてみたい気分にさせます。
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