1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Johannes Brahms: Violin Concerto in D major, op.77
György Garay (Vn)
Rundfunk-Sinfonieorchster Leipzig / Herbert Kegel
(Rec. 14 November 1961, Bethanienkirche, Leipzig)
◈Johannes Brahms: Schlicksalslied, op.54Rundfunk-Chor Leipzig
Rundfunk-Sinfonieorchster Leipzig / Herbert Kegel
Rundfunk-Sinfonieorchster Leipzig / Herbert Kegel
(Rec. 10 September 1951, Kongresshalle, Leipzig)
ドイツの作曲家、ヨハネス・ブラームス(Johannes Brahms, 1833-1897)のヴァイオリン協奏曲(1878年作)と《運命の歌》(1868-1871年作)のカップリング。
ヴァイオリン協奏曲は、ヴァイオリンとチェロの二重協奏曲を除けば、ブラームスが作った唯一のヴァイオリン協奏曲になります。
《運命の歌》は、フリードリヒ・ヘルダーリン(Friedrich Hölderlin, 1770-1843)の『ヒュペリオン』の中に載っている詩に基づき、オーケストラ伴奏つきの合唱曲として発表した作品です。天国に憧憬を示しながら、現世の苦しみを嘆く内容の歌になっていますが、ブラームスは、後奏に前奏の天国的な雰囲気を復活させ、後味の良い作品に仕上げています。
本CDの演奏は、ヘルベルト・ケーゲル(Herbert Kegel, 1920-1990)の指揮するライプツィヒ放送交響楽団(現:MDR交響楽団)を軸に、ヴァイオリン協奏曲ではジェルジ・ガライ(György Garay, 1909-1988)が独奏を務め、《運命の歌》ではライプツィヒ放送合唱団(現:MDR合唱団)が共演しています。
ケーゲルは、ボリス・ブラッヒャーやパウル・デッサウらの作曲や音楽理論を教わったほか、アルフレッド・シュティアーに合唱指揮を教わり、さらにカール・ベームの薫陶も受けた、ドイツはドレスデン出身の指揮者です。1956年に、亡くなったヘルマン・アーベントロートの後を継いでライプツィヒ放送交響楽団の首席指揮者に就任し、併設の合唱団ごとドイツ随一の団に仕立て上げた手腕から、ドイツにこの人ありと言われた人でした。
ガライは、イェネー・フバイ門下のハンガリー人ヴァイオリニストです。ハンガリー国立交響楽団のコンサート・マスターを務めたり、フランツ・リスト音楽院のヴァイオリン科の教授を務めたりしながら、ソリストとして活動していましたが、1960年にライプツィヒ放送交響楽団のコンサートマスターにヘッド・ハンティングされて、ライプツィヒに定住するようになりました。本録音は、当楽団のコンサート・マスターに就任したての頃の録音ということになります。
ヴァイオリン協奏曲の録音は、オーケストラをソリストより奥まったところに配置したような音場感です。当時の協奏曲のセッションでは一般的な音の録り方ですが、そのおかげで、この協奏曲の音のバランスの問題が巧く補われています。ライプツィヒ放送交響楽団のサウンドは、質実剛健。とりわけどのパートが巧いというわけではありませんが、誤魔化したような個所は全くなく、引き締まった音色でケーゲルの要求に応えています。
ガライの独奏も、大向こうを唸らせるような貫禄の芸ではなく、オーケストラによくなじむ老練の芸で、演奏を綺麗にまとめています。第2楽章では、ガライの高音の音色の麗しさがよく映えており、凛とした美しさがあります。
《運命の歌》のほうは、まだ前任のアーベントロートの助手をしていた時期に録音されたもの。オーケストラは努めて柔和に演奏していますが、ケーゲルが首席指揮者に就任した後のような洗練はまだ感じられません。合唱団の歌唱も、より精妙さを求められるでしょう。ブラームスのこの曲の紹介というよりは、徒弟時代のケーゲルを知る資料の一つと捉えた方が良いのかもしれません。
ヴァイオリン協奏曲は、ヴァイオリンとチェロの二重協奏曲を除けば、ブラームスが作った唯一のヴァイオリン協奏曲になります。
《運命の歌》は、フリードリヒ・ヘルダーリン(Friedrich Hölderlin, 1770-1843)の『ヒュペリオン』の中に載っている詩に基づき、オーケストラ伴奏つきの合唱曲として発表した作品です。天国に憧憬を示しながら、現世の苦しみを嘆く内容の歌になっていますが、ブラームスは、後奏に前奏の天国的な雰囲気を復活させ、後味の良い作品に仕上げています。
本CDの演奏は、ヘルベルト・ケーゲル(Herbert Kegel, 1920-1990)の指揮するライプツィヒ放送交響楽団(現:MDR交響楽団)を軸に、ヴァイオリン協奏曲ではジェルジ・ガライ(György Garay, 1909-1988)が独奏を務め、《運命の歌》ではライプツィヒ放送合唱団(現:MDR合唱団)が共演しています。
ケーゲルは、ボリス・ブラッヒャーやパウル・デッサウらの作曲や音楽理論を教わったほか、アルフレッド・シュティアーに合唱指揮を教わり、さらにカール・ベームの薫陶も受けた、ドイツはドレスデン出身の指揮者です。1956年に、亡くなったヘルマン・アーベントロートの後を継いでライプツィヒ放送交響楽団の首席指揮者に就任し、併設の合唱団ごとドイツ随一の団に仕立て上げた手腕から、ドイツにこの人ありと言われた人でした。
ガライは、イェネー・フバイ門下のハンガリー人ヴァイオリニストです。ハンガリー国立交響楽団のコンサート・マスターを務めたり、フランツ・リスト音楽院のヴァイオリン科の教授を務めたりしながら、ソリストとして活動していましたが、1960年にライプツィヒ放送交響楽団のコンサートマスターにヘッド・ハンティングされて、ライプツィヒに定住するようになりました。本録音は、当楽団のコンサート・マスターに就任したての頃の録音ということになります。
ヴァイオリン協奏曲の録音は、オーケストラをソリストより奥まったところに配置したような音場感です。当時の協奏曲のセッションでは一般的な音の録り方ですが、そのおかげで、この協奏曲の音のバランスの問題が巧く補われています。ライプツィヒ放送交響楽団のサウンドは、質実剛健。とりわけどのパートが巧いというわけではありませんが、誤魔化したような個所は全くなく、引き締まった音色でケーゲルの要求に応えています。
ガライの独奏も、大向こうを唸らせるような貫禄の芸ではなく、オーケストラによくなじむ老練の芸で、演奏を綺麗にまとめています。第2楽章では、ガライの高音の音色の麗しさがよく映えており、凛とした美しさがあります。
《運命の歌》のほうは、まだ前任のアーベントロートの助手をしていた時期に録音されたもの。オーケストラは努めて柔和に演奏していますが、ケーゲルが首席指揮者に就任した後のような洗練はまだ感じられません。合唱団の歌唱も、より精妙さを求められるでしょう。ブラームスのこの曲の紹介というよりは、徒弟時代のケーゲルを知る資料の一つと捉えた方が良いのかもしれません。
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