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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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CD1:
◈Antonio Vivaldi: L'estro Armonico - Concerto No.1 in D major, op.3-1 RV549
Jan Tomasow (1st Vn)
Willi Boskovsky (2nd Vn)
Philipp Mattheis (3rd Vn)
Walter Hintermeyer (4th Vn)
Chamber Orchestre of the Vienna State Opera / Mario Rossi
Hermann von Nordberg (Cemb)
(Rec. June 1957, Brahmssaal, Vienna)
◈Antonio Vivaldi: L'estro Armonico - Concerto No.2 in G minor, op.3-2, RV578
Jan Tomasow (1st Vn)
Willi Boskovsky (2nd Vn)
Richard Harand (Vc)
Chamber Orchestre of the Vienna State Opera / Mario Rossi
Hermann von Nordberg (Cemb)
(Rec. June 1957, Brahmssaal, Vienna)
◈Antonio Vivaldi: L'estro Armonico - Concerto No.3 in G major, op.3-3, RV310
Jan Tomasow (Vn)
Chamber Orchestre of the Vienna State Opera / Mario Rossi
Hermann von Nordberg (Cemb)
(Rec. June 1957, Brahmssaal, Vienna)
◈Antonio Vivaldi: L'estro Armonico - Concerto No.4 in E minor, op.3-4, RV550
Jan Tomasow (1st Vn)
Willi Boskovsky (2nd Vn)
Philipp Mattheis (3rd Vn)
Walter Hintermeyer (4th Vn)
Chamber Orchestre of the Vienna State Opera / Mario Rossi
Hermann von Nordberg (Cemb)
(Rec. June 1957, Brahmssaal, Vienna)
◈Antonio Vivaldi: L'estro Armonico - Concerto No.5 in G minor, op.3-5, RV519
Jan Tomasow (1st Vn)
Willi Boskovsky (2nd Vn)
Chamber Orchestre of the Vienna State Opera / Mario Rossi
Hermann von Nordberg (Cemb)
(Rec. June 1957, Brahmssaal, Vienna)
◈Antonio Vivaldi: L'estro Armonico - Concerto No.6 in G minor, op.3-6, RV356
Jan Tomasow (Vn)
Chamber Orchestre of the Vienna State Opera / Mario Rossi
Hermann von Nordberg (Cemb)
(Rec. June 1957, Brahmssaal, Vienna)

CD2:
◈Antonio Vivaldi: L'estro Armonico - Concerto No.7 in F major, op.3-7, RV567
Jan Tomasow (1st Vn)
Willi Boskovsky (2nd Vn)
Philipp Mattheis (3rd Vn)
Walter Hintermeyer (4th Vn)
Richard Harand (Vc)
Chamber Orchestre of the Vienna State Opera / Mario Rossi
Hermann von Nordberg (Cemb)
(Rec. June 1957, Brahmssaal, Vienna)
◈Antonio Vivaldi: L'estro Armonico - Concerto No.8 in A minor, op.3-8, RV522
Jan Tomasow (1st Vn)
Willi Boskovsky (2nd Vn)
Chamber Orchestre of the Vienna State Opera / Mario Rossi
Hermann von Nordberg (Cemb)
(Rec. June 1957, Brahmssaal, Vienna)
◈Antonio Vivaldi: L'estro Armonico - Concerto No.9 in D major, op.3-9, RV230
Jan Tomasow (Vn)
Chamber Orchestre of the Vienna State Opera / Mario Rossi
Hermann von Nordberg (Cemb)
(Rec. June 1957, Brahmssaal, Vienna)
◈Antonio Vivaldi: L'estro Armonico - Concerto No.10 in B minor, op.3-10, RV580
Jan Tomasow (1st Vn)
Willi Boskovsky (2nd Vn)
Philipp Mattheis (3rd Vn)
Walter Hintermeyer (4th Vn)
Richard Harand (Vc)
Chamber Orchestre of the Vienna State Opera / Mario Rossi
Hermann von Nordberg (Cemb)
(Rec. June 1957, Brahmssaal, Vienna)
◈Antonio Vivaldi: L'estro Armonico - Concerto No.11 in D minor, op.3-11, RV565
Jan Tomasow (1st Vn)
Willi Boskovsky (2nd Vn)
Richard Harand (Vc)
Chamber Orchestre of the Vienna State Opera / Mario Rossi
Hermann von Nordberg (Cemb)
(Rec. June 1957, Brahmssaal, Vienna)
◈Antonio Vivaldi: L'estro Armonico - Concerto No.12 in E major, op.3-12, RV265
Jan Tomasow (Vn)
Chamber Orchestre of the Vienna State Opera / Mario Rossi
Hermann von Nordberg (Cemb)
(Rec. June 1957, Brahmssaal, Vienna)



《調和の幻想(霊感)》(L'estro Armonico)は、イタリアの作曲家、アントニオ・ヴィヴァルディ(Antonio Vivaldi, 1678-1741)が1711年に、オランダのロジェ出版社から刊行した協奏曲集です。オランダの出版業界は、ヨーロッパ随一の技術を誇っていて、ヨーロッパ中に広く自分の名を売るためには、オランダの出版社に出版を依頼するのが常道だったようです。1703年からピエタ慈善院の合奏団の指導の仕事で実績を積んできたヴィヴァルディにとって、この曲集の出版こそは、ヨーロッパ中に自分の名を知らしめる大きな契機でした。
実際、この曲集は、当時の音楽業界の注目作になり、例えば、ヨハン・ゼバスティアン・バッハは、この曲集の第3番の協奏曲をオルガン用に編曲しています。
今日でもスズキ・メソードの教材として第6番の協奏曲が頻繁に取り上げられており、ヴァイオリン学習者には広く知られています。
この曲集は、多楽章形式の協奏曲と3楽章形式の協奏曲が混在しており、ヴィヴァルディの協奏曲作曲における様式上の葛藤を垣間見ることが出来ます。多楽章の協奏曲は、ヴィヴァルディの大先輩であるアルカンジェロ・コレッリの影響を指摘することが出来るでしょう。コレッリは合奏協奏曲の様式を普及させた人として西洋音楽史に名を刻んでいる人です。合奏協奏曲は、「コンチェルティーノ」と呼ばれる独奏楽器群と「リピエーノ」と呼ばれる多人数の合奏体が交代しながら演奏する様式です。コレッリは、この様式で名作を残しましたが、ヴィヴァルディもその影響を受けており、この協奏曲集の第1番、第4番、第7番、第10番における4人のヴァイオリン独奏は、その名残を色濃くとどめています。また、第2番と第4番では四つの楽章、第7番、第10番と第11番では五つの楽章で構成され、これらの楽章構成も、コレッリの育てた合奏協奏曲の様式と関係があります。
一方で、三つの楽章から構成される音楽については、コレッリ以降、ジュゼッペ・トレッリらの手によって推進されてきた独奏協奏曲の様式の影響も受けています。多楽章だった合奏協奏曲の様式に比べて、急-緩-急のテンポ配分で三つの楽章に分けるというコンパクト化に、独奏協奏曲の様式の大きな特徴があります。この様式を、ヴィヴァルディ自身も大変気に入っていたようで、彼が積極的にこの様式を協奏曲の作曲に取り入れることで、この様式のスタンダード化に拍車がかかることになりました。ヴィヴァルディのこの曲集における様式の不統一性は、いわば、合奏協奏曲の様式から独奏協奏曲へと、協奏曲の作曲様式が移り変わる時代的節目を反映した結果と受け止められることでしょう。

演奏は、マリオ・ロッシ(Mario Rossi, 1902-1992)の指揮するウィーン国立歌劇場室内管弦楽団が担当しています。本CDでは、ヤン・トマソウ(Jan Tomasow, 1914-1961)、ヴィリー・ボスコフスキー(Willi Boskovsky, 1909-1991)、フィリップ・マタイス(Philipp Mattheis)、ヴァルター・ヒンターマイヤー(Walter Hintermeyer)のヴァイオリン独奏、ウィーン交響楽団の首席奏者であるリヒャルト・ハラント(Richard Harand)のチェロ、ヘルマン・フォン・ノルトベルク(Hermann von Nordberg)のチェンバロによる通奏低音が加わっていますが、本CDではトマソウとボスコフスキー名前だけがソリストとしてクレジットされています。
トマソウは、アルゼンチン出身のヴァイオリニストで、ヨーゼフ・シゲティとカール・フレッシュの門下生です。ボスコフスキーはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサート・マスターを務めていたオーストリアのヴァイオリニスト。第3ヴァイオリン独奏以下のマタイスとヒンターマイヤーは、ボスコフスキーの子分です。
指揮を務めるロッシは、アルトゥーロ・トスカニーニが用意したミラノ・スカラ座の芸術顧問の座を蹴ってトリノ・イタリア放送交響楽団の首席指揮者に就任した傑物。ウィーン在住の音楽家たちを集めたと思しき室内管弦楽団を徹底的にしごき、ガッチリとした造形を瓦解させないくらいにしっかりしたアンサンブルを実現しています。独奏群に関しては、トマソウ以外がウィーンの奏者による演奏ということで、トマソウにとって完全にアウェイということになりますが、トマソウの端正な演奏スタイルがよく馴染み、立派な演奏に仕上がっています。トマソウは、シカゴ交響楽団やボルティモア交響楽団等でコンサート・マスターを務めていた名手でもあり、ボスコフスキーと同業でした。本演奏のソロ演奏が、これ見よがしに目立とうとしない演奏に終始しているのは、コンサート・マスターとしての立ち位置を極めた者同士が、アンサンブルへの気配りを巡って競い合った結果なのかもしれません。そのためか、良く整ったアンサンブルに程よい緊張感が走り、トマソウの折り目正しい演奏を要にすることで、清涼な演奏に仕上がりました。
今日の少人数編成による演奏スタイルと比べても、聴き劣りのしない新鮮さがあります。

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