1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Dmitri Shostakovich: 24 Preludes and Fugues, op.87
Keith Jarrett (Pf)
(Rec. July 1991, Salle de Musique, La Chaux de Fonds)
ドミトリー・ショスタコーヴィチ(Dmitri Shostakovich, 1906-1975)は旧ソ連時代のロシアを生きた作曲家です。彼自身はピアニストとしても腕に覚えがあり、第一回目のショパン・コンクールに出場し、選外佳作の名誉賞を獲得しました。結果、作曲家としての活動に重点を置くようになりましたが、ピアニストとしての活動も諦めていなかったようです。
本CDに収録された24の前奏曲とフーガは、元々ピアニストとしてのショスタコーヴィチの自己鍛錬のための練習曲として構想されていた作品です。しかし、1950年にヨハン・ゼバスティアン・バッハの没後200周年を記念してライプツィヒで行われた国際ピアノ・コンクールに審査員として招聘された時、優勝したタチアナ・ニコラーエワの演奏を聴いて感銘を受け、自己鍛錬のための練習曲の作曲プランを見直し、結果この作品になりました。作品はニコラーエワに献呈され、1952年の12月末に、レニングラードで、ニコラーエワの手で初演されています。
この24の前奏曲とフーガは、ニコラーエワと出会う契機になったJ.S.バッハの作品にインスパイアされています。J.S.バッハには全2巻の《平均律クラヴィーア曲集》がありますが、この曲集は、それぞれ24の調による前奏曲とフーガが詰め合わされています。ショスタコーヴィチは、そうしたJ.S.バッハの例に倣って、24の調からなる前奏曲とフーガをせっせと作りました。
しかし、ショスタコーヴィチは、全てにおいてJ.S.バッハを踏襲したわけではありません。例えば、J.S.バッハのそれが同名長調・短調という配列にして半音ずつ主音を上げていったのに対し、ショスタコーヴィチのそれは、先行する長調の曲に平行調の曲を配置し、次の長調の曲には、前の長調の属調の曲を配置しました。いうなれば、曲が進むに従って、調号のシャープが一つずつ増えていくような形で曲を配列し、J.S.バッハの曲集とは趣を異にする作品に仕上げています。
この前奏曲とフーガの24曲は、ニコラーエワらを筆頭に全曲演奏が度々行われてきましたが、作曲者自身は全曲演奏にこだわらず、自らが好んだものを抜粋して演奏していました。ただし、今日では、全曲での演奏が一般的になっています。
本CDの演奏は、アメリカ人ピアニストのキース・ジャレット(Keith Jarrett, 1945-)によるものです。ジャレットは、バークレー音楽大学で学んだ人で、ジャズ・ピアニストとして活躍しています。ジャズの名手として名声を確立していたジャレットでしたが、クラシック音楽の方面にも多大な興味を示し、この曲集の録音も、そうしたジャレットの興味の一環として録音されたものです。
ジャレットは、J.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集も手掛けていましたが、このショスタコーヴィチの曲集では、J.S.バッハの影響から切り離しているようです。
ジャレットのクラシック音楽のアルバムの中では、比較的ジャズのテイストに近く、フーガなど、対位法の網の目を編み上げるというよりも、インプロヴィゼーションの要領で、響きを楽しんでいる風に聴こえます。J.S.バッハの音楽のような構築性よりも、作品から抒情性を引き出してみた演奏なので、ガッチリとした演奏を是とする人には、とんでもない演奏に聴こえるでしょう。
本CDに収録された24の前奏曲とフーガは、元々ピアニストとしてのショスタコーヴィチの自己鍛錬のための練習曲として構想されていた作品です。しかし、1950年にヨハン・ゼバスティアン・バッハの没後200周年を記念してライプツィヒで行われた国際ピアノ・コンクールに審査員として招聘された時、優勝したタチアナ・ニコラーエワの演奏を聴いて感銘を受け、自己鍛錬のための練習曲の作曲プランを見直し、結果この作品になりました。作品はニコラーエワに献呈され、1952年の12月末に、レニングラードで、ニコラーエワの手で初演されています。
この24の前奏曲とフーガは、ニコラーエワと出会う契機になったJ.S.バッハの作品にインスパイアされています。J.S.バッハには全2巻の《平均律クラヴィーア曲集》がありますが、この曲集は、それぞれ24の調による前奏曲とフーガが詰め合わされています。ショスタコーヴィチは、そうしたJ.S.バッハの例に倣って、24の調からなる前奏曲とフーガをせっせと作りました。
しかし、ショスタコーヴィチは、全てにおいてJ.S.バッハを踏襲したわけではありません。例えば、J.S.バッハのそれが同名長調・短調という配列にして半音ずつ主音を上げていったのに対し、ショスタコーヴィチのそれは、先行する長調の曲に平行調の曲を配置し、次の長調の曲には、前の長調の属調の曲を配置しました。いうなれば、曲が進むに従って、調号のシャープが一つずつ増えていくような形で曲を配列し、J.S.バッハの曲集とは趣を異にする作品に仕上げています。
この前奏曲とフーガの24曲は、ニコラーエワらを筆頭に全曲演奏が度々行われてきましたが、作曲者自身は全曲演奏にこだわらず、自らが好んだものを抜粋して演奏していました。ただし、今日では、全曲での演奏が一般的になっています。
本CDの演奏は、アメリカ人ピアニストのキース・ジャレット(Keith Jarrett, 1945-)によるものです。ジャレットは、バークレー音楽大学で学んだ人で、ジャズ・ピアニストとして活躍しています。ジャズの名手として名声を確立していたジャレットでしたが、クラシック音楽の方面にも多大な興味を示し、この曲集の録音も、そうしたジャレットの興味の一環として録音されたものです。
ジャレットは、J.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集も手掛けていましたが、このショスタコーヴィチの曲集では、J.S.バッハの影響から切り離しているようです。
ジャレットのクラシック音楽のアルバムの中では、比較的ジャズのテイストに近く、フーガなど、対位法の網の目を編み上げるというよりも、インプロヴィゼーションの要領で、響きを楽しんでいる風に聴こえます。J.S.バッハの音楽のような構築性よりも、作品から抒情性を引き出してみた演奏なので、ガッチリとした演奏を是とする人には、とんでもない演奏に聴こえるでしょう。
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