1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Samuel Barber: Symphony No.1, op.9
◈Samuel Barber: Essay No.1, op.12
◈Samuel Barber: Essay No.2, op.17
◈Samuel Barber: Night Flight, op.19a
London Symphony Orchestra / David Measham
(Rec. September 1973, St.Giles' Cripplegate, Barbican, London)
◈Samuel Barber: Music from Shelley, op.7West Australian Symphony Orchestra / David Measham
(Rec. September 1973, St.Giles' Cripplegate, Barbican, London)
◈Samuel Barber: KnoxvilleMolly McGurk (S)
West Australian Symphony Orchestra / David Measham
(Rec. September 1973, St.Giles' Cripplegate, Barbican, London)
アメリカの作曲家、サミュエル・バーバー(Samuel Barber, 1910-1981)の管弦楽曲集です。
バーバーは母親がアマチュアのピアニスト、叔母がルイーズ・ホーマーという往年のコントラルト歌手という家に育っています。カーティス音楽院でロザリオ・スカレロに学び、ジャンカルロ・メノッティとはルームメイトという間柄でした。バーバーの作風としては、実験的な作法には染まらず、部分的に無調音楽の傾向を取り入れるくらいのものでした。
本CDでは、交響曲第1番と《エッセイ》第1番と第2番、《夜間飛行》の4曲がデヴィット・ミーシャム(David Measham, 1937-2005)の指揮するロンドン交響楽団の録音で収録されており、この4曲は、かつてユニコーン・カンチャナというレーベルからリリースされていました。レジス・レーベルがライセンスを受けて発売するにあたって、《シェリーからの音楽》と《ノックスヴィル、1915年の夏》がミーシャムの指揮する西オーストラリア交響楽団の演奏で加えられています。《ノックスヴィル》ではオーストラリアのソプラノ歌手、モリー・マクガーク(Molly McGurk)が共演しています。この全6曲が1973年9月のロンドン、バービカンでの収録ということになっていますが、《シェリーからの音楽》と《ノックスヴィル》は、オーケストラも共演者もオーストラリアを本拠に活動している人だけに、ロンドンでの収録かどうかに疑念が残ります。
CDに収録された全6曲で指揮を執るミーシャムは、イギリス生まれの人で、ギルドホール音楽学校でノーマン・デル・マーの薫陶を受けましたが、ヴァイオリニストとして音楽活動を始めています。最初はBBC交響楽団の第二ヴァイオリン奏者で、1963年からはバーミンガム市交響楽団の副リーダーを務め、1967年からは、指揮者に転向したネヴィル・マリナーの後任として、ロンドン交響楽団の第二ヴァイオリン・セクションのリーダーを務めました。1971年にハンス・シュミット=イッセルシュテットの代役として指揮者デビューを果たし、西オーストラリア交響楽団の首席指揮者としてオーストリアを本拠に活動し、その地で骨を埋めることになりました。無論、事あるごとにイギリスに戻って録音や客演をこなしており、例えば、1974年にリック・ウェイクマンが制作したロック・アルバムにロンドン交響楽団を率いて参加しています。
本CDに収録された演奏は、全体的に可もなく不可もなくといったところ。単一楽章の編成による交響曲第1番は、序奏部の煩雑さを消化しきれておらず、しどろもどろの演奏になっていますが、後半に緩徐的な場面に入ってから持ち直し、スケールの大きな終結まで持ちこたえています。2つのエッセイは、しっかりと腰を落ち着けた演奏で、なかなか秀逸。《夜間飛行》も、元々ヴァイオリニストだっただけあって、弦楽合奏の表情付けに深い味わいを感じさせます。ただ、曲想をつかめていない部分が所々あるのか、それぞれの曲の全体的印象が希薄になります。
オーケストラを自在にコントロールするという面では、西オーストラリア交響楽団を指揮した《シェリーからの音楽》のほうがオーケストラの緊張感が高く、聴き応えのある演奏に仕上がっています。マクガークの独唱を加えた《ノックスヴィル》は、ややマクガークの声が細めとはいえ、デリケートな抑揚の変化にミーシャムが当意即妙のサポートで曲の情感を引き出しています。
バーバーは母親がアマチュアのピアニスト、叔母がルイーズ・ホーマーという往年のコントラルト歌手という家に育っています。カーティス音楽院でロザリオ・スカレロに学び、ジャンカルロ・メノッティとはルームメイトという間柄でした。バーバーの作風としては、実験的な作法には染まらず、部分的に無調音楽の傾向を取り入れるくらいのものでした。
本CDでは、交響曲第1番と《エッセイ》第1番と第2番、《夜間飛行》の4曲がデヴィット・ミーシャム(David Measham, 1937-2005)の指揮するロンドン交響楽団の録音で収録されており、この4曲は、かつてユニコーン・カンチャナというレーベルからリリースされていました。レジス・レーベルがライセンスを受けて発売するにあたって、《シェリーからの音楽》と《ノックスヴィル、1915年の夏》がミーシャムの指揮する西オーストラリア交響楽団の演奏で加えられています。《ノックスヴィル》ではオーストラリアのソプラノ歌手、モリー・マクガーク(Molly McGurk)が共演しています。この全6曲が1973年9月のロンドン、バービカンでの収録ということになっていますが、《シェリーからの音楽》と《ノックスヴィル》は、オーケストラも共演者もオーストラリアを本拠に活動している人だけに、ロンドンでの収録かどうかに疑念が残ります。
CDに収録された全6曲で指揮を執るミーシャムは、イギリス生まれの人で、ギルドホール音楽学校でノーマン・デル・マーの薫陶を受けましたが、ヴァイオリニストとして音楽活動を始めています。最初はBBC交響楽団の第二ヴァイオリン奏者で、1963年からはバーミンガム市交響楽団の副リーダーを務め、1967年からは、指揮者に転向したネヴィル・マリナーの後任として、ロンドン交響楽団の第二ヴァイオリン・セクションのリーダーを務めました。1971年にハンス・シュミット=イッセルシュテットの代役として指揮者デビューを果たし、西オーストラリア交響楽団の首席指揮者としてオーストリアを本拠に活動し、その地で骨を埋めることになりました。無論、事あるごとにイギリスに戻って録音や客演をこなしており、例えば、1974年にリック・ウェイクマンが制作したロック・アルバムにロンドン交響楽団を率いて参加しています。
本CDに収録された演奏は、全体的に可もなく不可もなくといったところ。単一楽章の編成による交響曲第1番は、序奏部の煩雑さを消化しきれておらず、しどろもどろの演奏になっていますが、後半に緩徐的な場面に入ってから持ち直し、スケールの大きな終結まで持ちこたえています。2つのエッセイは、しっかりと腰を落ち着けた演奏で、なかなか秀逸。《夜間飛行》も、元々ヴァイオリニストだっただけあって、弦楽合奏の表情付けに深い味わいを感じさせます。ただ、曲想をつかめていない部分が所々あるのか、それぞれの曲の全体的印象が希薄になります。
オーケストラを自在にコントロールするという面では、西オーストラリア交響楽団を指揮した《シェリーからの音楽》のほうがオーケストラの緊張感が高く、聴き応えのある演奏に仕上がっています。マクガークの独唱を加えた《ノックスヴィル》は、ややマクガークの声が細めとはいえ、デリケートな抑揚の変化にミーシャムが当意即妙のサポートで曲の情感を引き出しています。
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