1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
[BBC Radio Classics] ブリテン:みどり児はお生まれになった/マルタン:二重合唱のためのミサ曲 プール指揮 BBCシンガーズ、ウェストミンスター大聖堂聖歌隊員 【CRCB-6058】
◈Frank Martin: Mass for Double Choir
BBC Singers / John Poole
(Rec. 8 September 1980, Holy Trinity Church, Brompton) Live Recording without Applause
◈Henri Duparc: Motet "Benedicat Vobis Domine"BBC Singers / John Poole
Margaret Phillips (Org)
Margaret Phillips (Org)
(Rec. 4 October 1985, BBC Studio 1, Maida Vale) Live Recording without Applause
◈Benjamin Britten: A Boy was bornChoristers of Westminster Cathedral (Chorus master: Stephen Cleobury)
BBC Singers / John Poole
BBC Singers / John Poole
(Rec. 12 January 1983) Live Recording with Applause
◈Gabriel Fauré: Pavane, op.50BBC Singers
BBC Concert Orchestra / Simon Joly
BBC Concert Orchestra / Simon Joly
(Rec. 19 April 1983)
イギリス放送(BBC)のアーカイヴからCD化された合唱作品集。作品の指揮はほぼジョン・プール(John Poole, 1934-)が執っております。
プールはオックスフォード大学の合唱団の団員を経てロンドン大学の合唱団のオルガニスト兼指揮者として経験を積み、1968年からBBC交響楽団附属の合唱団の指揮者として活躍した人です。1972年から1989年までBBCシンガーズの音楽監督を務め、その後はフランスのボーカル・ド・フランスの音楽監督に転出しました。
最初に収録されているのは、スイスの作曲家、フランク・マルタン(Frank Martin, 1890-1974)の二重合唱のためのミサ曲です。
この曲はハンブルクで1963年に初演され、マルタンが亡くなる一年前にようやく公刊されましたが、1922年から1926年までに書き上げられていました。
マルタンは12歳でヨハン・ゼバスティアン・バッハに魅せられ、1918年にエルネスト・アンセルメに出会ってからはフランス音楽に夢中になり、1938年半ばから無調音楽の手法を導入し始めるという作風の変遷を辿りましたが、この作品はフランス音楽の極意を求めてパリやローマをめぐっていた頃の作品ということになります。作品の骨格はJ.S.バッハのそれに通じながら、ハーモニーはクロード・ドビュッシーやモーリス・ラヴェルらに通じ、さらにはグレゴリオ聖歌などの影響も指摘できます。無伴奏合唱なので器楽が混じらない分、純粋に合唱で構成された合奏協奏曲のような趣があり、本CDで演奏しているジョン・プール(John Poole, 1934-)の指揮するBBCシンガーズも、そうした趣旨で演奏しています。第3曲目の〈クレド〉など、作品に通う信仰心のようなものは薄らいでいますが、作品を飽きさせずに聴かせようという創意は感じられます。
続く曲は、アンリ・デュパルク(Henri Duparc, 1848-1933)のモテット《ヴェネディカート・ヴォービス・ドミネ》。デュパルクはフランスの作曲家で、セザール・フランクに私淑していました。1885年に神経症のため作曲の筆が取れなくなり、画家に転身を図ったものの50代にして失明してしまうという不幸な経歴で知られます。生前500以上もの作品を書きながら、生前に90%以上の作品を破棄してしまい、現在残されてるのは、17曲ほどの歌曲といくつかの器楽曲のみです。このモテットも、デュパルクの手から奇跡的に生き残った稀有な作品。師のフランクを思わせる簡潔なメロディと、後半で女声と男声が呼び合うように歌う個所は、BBCシンガーズの合唱の大味さを飛び越えて夢のよう。この曲でのみの出演となるマーガレット・フィリップス(Margaret Phillips, 1950-)は王立音楽院を経てマリー=クレール・アランに師事したオルガニスト。のびやかな演奏で合唱を大らかに支えています。
ベンジャミン・ブリテン(Benjamin Britten, 1913-1976)の《嬰児はお生まれになった》は、合唱によるコラール変奏曲。ブリテンは《青少年のための管弦楽入門》などで知られるイギリスの高名な作曲家。この曲はブリテンが20歳の時に作曲した作品で、混声合唱に少年合唱を加えています。混声合唱はBBCシンガーズ、少年合唱はスティーヴン・クレオバリー(Stephen Cleobury, 1948-)の率いるウェストミンスター大聖堂聖歌隊が合流しています。BBCシンガーズの精度は、聖歌隊よりもラフではあるものの、ライブ録音ならではの熱気で勢いの良い合唱になっています。
最後に収録されているフランス人作曲家、ガブリエル・フォーレ(Gabriel Fauré, 1845-1924)の《パヴァーヌ》は、サイモン・ジョリー(Simon Joly, 1952-)の指揮するBBCシンガーズ&BBCコンサート管弦楽団の演奏。ジョリーはウェールズ・ナショナル・オペラやイングリッシュ・ナショナル・オペラでの下積みを経て、プールの後を継ぎ、BBCシンガーズの音楽監督となった人。本録音時にはプールのアシスタントとしてBBCシンガーズを指揮していました。BBCコンサート管弦楽団は、1931年にBBC専属のオペラ用オーケストラとして発足し、1972年に現在の名称になったオーケストラ。BBCのポップス・オーケストラとして活動中です。ここでは、フルートを中心に可不足のない好演を披露し、BBCシンガーズの合唱に良い雰囲気を纏わせています。
プールはオックスフォード大学の合唱団の団員を経てロンドン大学の合唱団のオルガニスト兼指揮者として経験を積み、1968年からBBC交響楽団附属の合唱団の指揮者として活躍した人です。1972年から1989年までBBCシンガーズの音楽監督を務め、その後はフランスのボーカル・ド・フランスの音楽監督に転出しました。
最初に収録されているのは、スイスの作曲家、フランク・マルタン(Frank Martin, 1890-1974)の二重合唱のためのミサ曲です。
この曲はハンブルクで1963年に初演され、マルタンが亡くなる一年前にようやく公刊されましたが、1922年から1926年までに書き上げられていました。
マルタンは12歳でヨハン・ゼバスティアン・バッハに魅せられ、1918年にエルネスト・アンセルメに出会ってからはフランス音楽に夢中になり、1938年半ばから無調音楽の手法を導入し始めるという作風の変遷を辿りましたが、この作品はフランス音楽の極意を求めてパリやローマをめぐっていた頃の作品ということになります。作品の骨格はJ.S.バッハのそれに通じながら、ハーモニーはクロード・ドビュッシーやモーリス・ラヴェルらに通じ、さらにはグレゴリオ聖歌などの影響も指摘できます。無伴奏合唱なので器楽が混じらない分、純粋に合唱で構成された合奏協奏曲のような趣があり、本CDで演奏しているジョン・プール(John Poole, 1934-)の指揮するBBCシンガーズも、そうした趣旨で演奏しています。第3曲目の〈クレド〉など、作品に通う信仰心のようなものは薄らいでいますが、作品を飽きさせずに聴かせようという創意は感じられます。
続く曲は、アンリ・デュパルク(Henri Duparc, 1848-1933)のモテット《ヴェネディカート・ヴォービス・ドミネ》。デュパルクはフランスの作曲家で、セザール・フランクに私淑していました。1885年に神経症のため作曲の筆が取れなくなり、画家に転身を図ったものの50代にして失明してしまうという不幸な経歴で知られます。生前500以上もの作品を書きながら、生前に90%以上の作品を破棄してしまい、現在残されてるのは、17曲ほどの歌曲といくつかの器楽曲のみです。このモテットも、デュパルクの手から奇跡的に生き残った稀有な作品。師のフランクを思わせる簡潔なメロディと、後半で女声と男声が呼び合うように歌う個所は、BBCシンガーズの合唱の大味さを飛び越えて夢のよう。この曲でのみの出演となるマーガレット・フィリップス(Margaret Phillips, 1950-)は王立音楽院を経てマリー=クレール・アランに師事したオルガニスト。のびやかな演奏で合唱を大らかに支えています。
ベンジャミン・ブリテン(Benjamin Britten, 1913-1976)の《嬰児はお生まれになった》は、合唱によるコラール変奏曲。ブリテンは《青少年のための管弦楽入門》などで知られるイギリスの高名な作曲家。この曲はブリテンが20歳の時に作曲した作品で、混声合唱に少年合唱を加えています。混声合唱はBBCシンガーズ、少年合唱はスティーヴン・クレオバリー(Stephen Cleobury, 1948-)の率いるウェストミンスター大聖堂聖歌隊が合流しています。BBCシンガーズの精度は、聖歌隊よりもラフではあるものの、ライブ録音ならではの熱気で勢いの良い合唱になっています。
最後に収録されているフランス人作曲家、ガブリエル・フォーレ(Gabriel Fauré, 1845-1924)の《パヴァーヌ》は、サイモン・ジョリー(Simon Joly, 1952-)の指揮するBBCシンガーズ&BBCコンサート管弦楽団の演奏。ジョリーはウェールズ・ナショナル・オペラやイングリッシュ・ナショナル・オペラでの下積みを経て、プールの後を継ぎ、BBCシンガーズの音楽監督となった人。本録音時にはプールのアシスタントとしてBBCシンガーズを指揮していました。BBCコンサート管弦楽団は、1931年にBBC専属のオペラ用オーケストラとして発足し、1972年に現在の名称になったオーケストラ。BBCのポップス・オーケストラとして活動中です。ここでは、フルートを中心に可不足のない好演を披露し、BBCシンガーズの合唱に良い雰囲気を纏わせています。
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