1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
CD1:
◈Pietro Mascagni: Cavalleria Rusticana
Beminiano Gigli (T: Turiddu)
Adelina Cambi (S: Santuzza)
Irene Acampora (A: Mamma Lucia)
Piero Guelfi (Br: Alfio)
Analia Pini (Ms: Lola)
Adelina Cambi (S: Santuzza)
Irene Acampora (A: Mamma Lucia)
Piero Guelfi (Br: Alfio)
Analia Pini (Ms: Lola)
Chorus of Theatro di San Carlo
Orchestra of Theatro di San Carlo / Franco Patanè
Orchestra of Theatro di San Carlo / Franco Patanè
(Rec. 8 January 1952, Naples) Live Recording with Applause
CD2:
◈Ruggero Leoncavallo: Pagliacci
Beniamino Gigli (T: Canio)
Pina Malgarini (T: Nedda)
Giuseppe Gentile (Br: Tonio)
Piero de Palma (T: Beppe)
Saturno Meletti (Bs: Silvio)
Pina Malgarini (T: Nedda)
Giuseppe Gentile (Br: Tonio)
Piero de Palma (T: Beppe)
Saturno Meletti (Bs: Silvio)
Chorus of Theatro di San Carlo
Orchestra of Theatro di San Carlo / Franco Patanè
Orchestra of Theatro di San Carlo / Franco Patanè
(Rec. 8 January 1952, Naples) Live Recording with Applause
ピエトロ・マスカーニ(Pietro Mascagni, 1863-1945)の《カヴァレリア・ルスティカーナ》とルッジェーロ・レオンカヴァッロ(Ruggero Leoncavallo, 1857-1919)の《道化師》は、共にイタリアのヴェリズモ・オペラの嚆矢として知られるオペラです。上演時間もお手軽なことから、”Cav & Pag”と言われて同時上演されることもしばしばあります。CDにしても2枚組で抱き合わせて発売することが多いです。本CDは、1952年の1月8日にサン・カルロ劇場で行われた”Cav & Pag”の記録。キャストは以下の通りです。
《カヴァレリア・ルスティカーナ》
ベニャミーノ・ジーリ (トゥリッドゥ)
アデリーナ・カンピ (サントゥッツァ)
イレーネ・アカンポーラ (ルチア)
ピエロ・グエルフィ (アルフィオ)
アナリア・ピーニ (ローラ)
《道化師》
ジュゼッペ・ジェンティーレ(トニオ)
ベニャミーノ・ジーリ (カニオ)
ピエロ・デ・パルマ (ベッペ)
ピーナ・マルガリーニ (ネッダ)
サトゥルノ・メレッティ (シルヴィオ)
サン・カルロ劇場合唱団&管弦楽団/フランコ・パターネ
音質は劣悪で音程のブレも見られ、《カヴァレリア・ルスティカーナ》の間奏曲などグニャグニャしています。
客席での収録なのか、何かあるたびに拍手してしまう観衆の熱狂的なノリがそのまま収録されていて、録音している人のブラボーが盛大に入っています。ライヴ録音の嫌いな人が嫌う録音の典型ですが、なにはともあれ、ナポリの歌劇場の熱気を味わいたい人にはたまらない魅力があります。
この録音のお目当てのひとつは、20世紀イタリアの名テノール、ジーリ(Beminiano Gigli, 1890-1957)の演唱にあります。共演陣も、《カヴァレリア・ルスティカーナ》では1950年代のサン・カルロ劇場の歌姫だったカンビ(Adelina Cambi)や名脇役的メゾ・ソプラノ歌手として活躍していたピーニ(Amalia Pini, 1916-?)、フリーランスとして数々の歌劇場を渡り歩いたグエルフィ(Piero Guelfi, 1914-1989)、《道化師》でもサン・カルロ劇場をホーム・グラウンドにしたバリトン歌手のジェンティーレ(Giuseppe Gentile)、20世紀産イタリア・オペラの名人として知られたメレッティ(Saturno Meletti, 1906-1985)、サン・カルロ劇場で名脇役としての実績を積んでいたデ・パルマ(Piero de Palma, 1916-)など、ジーリ以後のイタリア・オペラ業界を盛り立てていた人たちが出演しています。
《カヴァレリア・ルスティカーナ》のほうは、ジーリのトゥリッドゥ役を中心に劇が進行し、金も力もない美男子の耽美で染め上げています。カンビの歌唱は、グエルフィとの二重唱で暗い炎をメラメラ燃やすような名唱を聴かせますが、かつてジーリが作曲者の指揮で共演したリーナ・ブルーナ・ラーザの歌唱に比べると、やや迫力負けしているようです。《道化師》は、ジェンティーレの体当たりな歌唱がなかなかの好演で、マルガリーニ(Pina Malgarini)の軽いソプラノの歌声に翻弄されてオロオロする様が見事に表現されています。
ジーリのカニオ役は迫真の出来栄えで、〈衣装をつけろ〉はアンコールされていますが、2度目の歌唱はその激烈さに観客が拍手するのを忘れてしまっています。
この録音のさらなるお目当ては、タクトを振るパターネ(Franco Patanè, 1908-1968)ではないかと思います。パターネは、イタリアはアチレアーレに生まれた名指揮者で、同じく指揮者のジュゼッペ・パターネの父君として知られています。サン・ピエトロ音楽院でヴァイオリンからオルガン、作曲まで修めたマルチ・タレントで、指揮者として世界中の歌劇場から引っ張りだこの人でしたが、その多忙さと、円熟期でのボローニャでの交通事故死で纏まった録音があまり残りませんでした。
サン・カルロ歌劇場のオーケストラや合唱団は、あまり高い水準のオーケストラではありませんが、パターネはメリハリをつけて音楽のイニシアチブを掌握し、弾むようなリズム感でうまく歌手を乗せています。音質の面から万人には勧められませんが、パターネが優れた指揮者だったという証拠としては充分に有用です。
《カヴァレリア・ルスティカーナ》
ベニャミーノ・ジーリ (トゥリッドゥ)
アデリーナ・カンピ (サントゥッツァ)
イレーネ・アカンポーラ (ルチア)
ピエロ・グエルフィ (アルフィオ)
アナリア・ピーニ (ローラ)
《道化師》
ジュゼッペ・ジェンティーレ(トニオ)
ベニャミーノ・ジーリ (カニオ)
ピエロ・デ・パルマ (ベッペ)
ピーナ・マルガリーニ (ネッダ)
サトゥルノ・メレッティ (シルヴィオ)
サン・カルロ劇場合唱団&管弦楽団/フランコ・パターネ
音質は劣悪で音程のブレも見られ、《カヴァレリア・ルスティカーナ》の間奏曲などグニャグニャしています。
客席での収録なのか、何かあるたびに拍手してしまう観衆の熱狂的なノリがそのまま収録されていて、録音している人のブラボーが盛大に入っています。ライヴ録音の嫌いな人が嫌う録音の典型ですが、なにはともあれ、ナポリの歌劇場の熱気を味わいたい人にはたまらない魅力があります。
この録音のお目当てのひとつは、20世紀イタリアの名テノール、ジーリ(Beminiano Gigli, 1890-1957)の演唱にあります。共演陣も、《カヴァレリア・ルスティカーナ》では1950年代のサン・カルロ劇場の歌姫だったカンビ(Adelina Cambi)や名脇役的メゾ・ソプラノ歌手として活躍していたピーニ(Amalia Pini, 1916-?)、フリーランスとして数々の歌劇場を渡り歩いたグエルフィ(Piero Guelfi, 1914-1989)、《道化師》でもサン・カルロ劇場をホーム・グラウンドにしたバリトン歌手のジェンティーレ(Giuseppe Gentile)、20世紀産イタリア・オペラの名人として知られたメレッティ(Saturno Meletti, 1906-1985)、サン・カルロ劇場で名脇役としての実績を積んでいたデ・パルマ(Piero de Palma, 1916-)など、ジーリ以後のイタリア・オペラ業界を盛り立てていた人たちが出演しています。
《カヴァレリア・ルスティカーナ》のほうは、ジーリのトゥリッドゥ役を中心に劇が進行し、金も力もない美男子の耽美で染め上げています。カンビの歌唱は、グエルフィとの二重唱で暗い炎をメラメラ燃やすような名唱を聴かせますが、かつてジーリが作曲者の指揮で共演したリーナ・ブルーナ・ラーザの歌唱に比べると、やや迫力負けしているようです。《道化師》は、ジェンティーレの体当たりな歌唱がなかなかの好演で、マルガリーニ(Pina Malgarini)の軽いソプラノの歌声に翻弄されてオロオロする様が見事に表現されています。
ジーリのカニオ役は迫真の出来栄えで、〈衣装をつけろ〉はアンコールされていますが、2度目の歌唱はその激烈さに観客が拍手するのを忘れてしまっています。
この録音のさらなるお目当ては、タクトを振るパターネ(Franco Patanè, 1908-1968)ではないかと思います。パターネは、イタリアはアチレアーレに生まれた名指揮者で、同じく指揮者のジュゼッペ・パターネの父君として知られています。サン・ピエトロ音楽院でヴァイオリンからオルガン、作曲まで修めたマルチ・タレントで、指揮者として世界中の歌劇場から引っ張りだこの人でしたが、その多忙さと、円熟期でのボローニャでの交通事故死で纏まった録音があまり残りませんでした。
サン・カルロ歌劇場のオーケストラや合唱団は、あまり高い水準のオーケストラではありませんが、パターネはメリハリをつけて音楽のイニシアチブを掌握し、弾むようなリズム感でうまく歌手を乗せています。音質の面から万人には勧められませんが、パターネが優れた指揮者だったという証拠としては充分に有用です。
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