1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Nino Rota: Symphony No.1 in G major
◈Nino Rota: Symphony No.2 in F
◈Nino Rota: Symphony No.3 in C
日本フィルハーモニー交響楽団 / 大友 直人
(Rec. 20-22 August 1997, 府中の森芸術劇場どりーむホール)
イタリアの作曲家、ニーノ・ロータ(Nino Rota, 1911-1979)の交響曲3曲のカップリングです。1947年に《愛の歌による交響曲》を書いていますが、ここでは収録されていません。
ロータは、母親の家系が代々音楽家で、ピアニストだった母親から音楽の英才教育を受け、8歳でオラトリオを書く程の早熟ぶりを見せました。このため、ミラノでイルデブラント・ピツェッティの薫陶を受け、ローマ聖チェチーリア音楽院でもアルフレート・カゼッラの指導を受けています。また、母方の祖父の縁でアルトゥーロ・トスカニーニの支援を受けて1931年に渡米し、カーティス音楽院に留学。フリッツ・ライナーに指揮法を、ロザリオ・スカレロに作曲を学び、サミュエル・バーバーやジャン・カルロ・メノッティらと親交を結んでいます。1932年には帰国して作曲家として活動を開始しました。第二次世界大戦中の1942年からは映画音楽の仕事も引き受けるようになり、1951年に映画監督のフェデリコ・フェリーニの知己を得てから映画音楽の方面で成功を収めるようになりました。彼の仕事でもっともよく知られたものはフランシス・フォード・コッポラ監督の『ゴッドファーザー』の音楽でしょう。
ロータ自身は映画音楽の作曲家として扱われることを嫌い、ことある毎に自分がクラシック音楽の作曲家であることを強調していました。ここに収録された作品のうち、第1番(1935-1939年作)と第2番(1939年作)の交響曲は映画音楽に手を染める前の作品ということで、元来ロータがどういう作風の作曲家だったかを知る便となるでしょう。
第1番の交響曲からして、無調音楽に背を向けたのは確実。グスタフ・マーラーの音楽をミニチュア化した音楽に仕上げています。ただ、初めての交響曲という気負いもあったのか、師匠のピッツェッティを彷彿とさせる慎重で重厚な筆致が目立ちます。第2番では第1番にみられた力みが取れ、セルゲイ・プロコフィエフの古典交響曲のような軽妙さが加わっています。トランペットの主旋律への絡み方など、未だマーラーを彷彿とさせるところは残っているものの、主題の平明さと律動性は、友人のメノッティや師匠のカゼッラの影響があるようです。
交響曲第3番(1956-1957年作)は映画音楽の方面で業績を伸ばしていた時期の作品。第2番の交響曲の路線の延長線上にあり、胸を張った後衛音楽です。オーケストレーションがより一層こなれているのは、映画音楽の仕事での慣れによるものと推察します。第1楽章では手の込んだソナタ形式を予感させながらも展開部で肩透かしを食わせ、第3楽章では弦楽器群と管楽器群が言い合いをしているうちにあっさり終わってしまうなど、奇想天外な面白さはプロコフィエフの交響曲第7番の世界を彷彿とさせます。ただ、プロコフィエフほどの辛辣さはありません。
本CDで演奏しているのは、大友直人(Naoto Otomo, 1958-)の指揮する日本フィルハーモニー交響楽団です。大友は桐朋音楽大学で小澤征爾や秋山和慶らに師事し、NHK交響楽団の指揮研究員を経て1980年にNHK交響楽団でデビューをした日本の指揮者です。日本フィルハーモニー交響楽団とはデビュー時から客演しており、1986年から2年間正指揮者として在籍していたこともあります。
ロータの交響曲は、あまり録音に恵まれていませんが、大友のメリハリの付いたダイナミックなオーケストラのコントロールで、ノリが良く親しみやすい音楽に仕上がっています。特に出色の出来は第三番の交響曲で、一筋縄ではいかないメロディ・ラインをうまく捕まえ、コミカルな表情付けで楽しく聴かせます。緩徐楽章もあっさり目のテンポ運びで品良く聴かせており、深みはないものの、これらの作品を紹介する上では充分な役割を果たす演奏といえます。
ロータは、母親の家系が代々音楽家で、ピアニストだった母親から音楽の英才教育を受け、8歳でオラトリオを書く程の早熟ぶりを見せました。このため、ミラノでイルデブラント・ピツェッティの薫陶を受け、ローマ聖チェチーリア音楽院でもアルフレート・カゼッラの指導を受けています。また、母方の祖父の縁でアルトゥーロ・トスカニーニの支援を受けて1931年に渡米し、カーティス音楽院に留学。フリッツ・ライナーに指揮法を、ロザリオ・スカレロに作曲を学び、サミュエル・バーバーやジャン・カルロ・メノッティらと親交を結んでいます。1932年には帰国して作曲家として活動を開始しました。第二次世界大戦中の1942年からは映画音楽の仕事も引き受けるようになり、1951年に映画監督のフェデリコ・フェリーニの知己を得てから映画音楽の方面で成功を収めるようになりました。彼の仕事でもっともよく知られたものはフランシス・フォード・コッポラ監督の『ゴッドファーザー』の音楽でしょう。
ロータ自身は映画音楽の作曲家として扱われることを嫌い、ことある毎に自分がクラシック音楽の作曲家であることを強調していました。ここに収録された作品のうち、第1番(1935-1939年作)と第2番(1939年作)の交響曲は映画音楽に手を染める前の作品ということで、元来ロータがどういう作風の作曲家だったかを知る便となるでしょう。
第1番の交響曲からして、無調音楽に背を向けたのは確実。グスタフ・マーラーの音楽をミニチュア化した音楽に仕上げています。ただ、初めての交響曲という気負いもあったのか、師匠のピッツェッティを彷彿とさせる慎重で重厚な筆致が目立ちます。第2番では第1番にみられた力みが取れ、セルゲイ・プロコフィエフの古典交響曲のような軽妙さが加わっています。トランペットの主旋律への絡み方など、未だマーラーを彷彿とさせるところは残っているものの、主題の平明さと律動性は、友人のメノッティや師匠のカゼッラの影響があるようです。
交響曲第3番(1956-1957年作)は映画音楽の方面で業績を伸ばしていた時期の作品。第2番の交響曲の路線の延長線上にあり、胸を張った後衛音楽です。オーケストレーションがより一層こなれているのは、映画音楽の仕事での慣れによるものと推察します。第1楽章では手の込んだソナタ形式を予感させながらも展開部で肩透かしを食わせ、第3楽章では弦楽器群と管楽器群が言い合いをしているうちにあっさり終わってしまうなど、奇想天外な面白さはプロコフィエフの交響曲第7番の世界を彷彿とさせます。ただ、プロコフィエフほどの辛辣さはありません。
本CDで演奏しているのは、大友直人(Naoto Otomo, 1958-)の指揮する日本フィルハーモニー交響楽団です。大友は桐朋音楽大学で小澤征爾や秋山和慶らに師事し、NHK交響楽団の指揮研究員を経て1980年にNHK交響楽団でデビューをした日本の指揮者です。日本フィルハーモニー交響楽団とはデビュー時から客演しており、1986年から2年間正指揮者として在籍していたこともあります。
ロータの交響曲は、あまり録音に恵まれていませんが、大友のメリハリの付いたダイナミックなオーケストラのコントロールで、ノリが良く親しみやすい音楽に仕上がっています。特に出色の出来は第三番の交響曲で、一筋縄ではいかないメロディ・ラインをうまく捕まえ、コミカルな表情付けで楽しく聴かせます。緩徐楽章もあっさり目のテンポ運びで品良く聴かせており、深みはないものの、これらの作品を紹介する上では充分な役割を果たす演奏といえます。
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