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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Giuseppe Tartini: "L'arte dell’ arco" for Unaccompanied Violin
Gilles Colliard (Vn)
(Rec. 29 & 30 June 1992, Châtonneyre in Corseaux, Switzerland)




無伴奏ヴァイオリンのための《運弓の技芸》は、イタリアのヴァイオリニスト兼作曲家であるジュゼッペ・タルティーニ(Giuseppe Tartini, 1692-1770)が書いたヴァイオリンの教材的作品。アルカンジェロ・コレルリのソナタ集(op.5)から第10番のソナタのメロディを主題にした変奏曲です。ヴァイオリン学習者は、この変奏の中からいくつか苦手そうなものを見繕って浚えば苦手克服できるかもしれません。1747年にパリで刊行された時には変奏は17曲ありましたが、1758年に再版された時には38曲まで増え、タルティーニの没後の1798年に再版された時には50もの変奏に膨れ上がっています。19世紀にはヴァイオリンの練習用に重宝され、ブリュッセル音楽院のユベール・レオナールやライプツィヒ音楽院のフェルディナント・ダヴィットなどは独自にピアノ伴奏を加えてレッスンに使っていました。また、変奏曲を適宜抜き出して演奏会で取り上げることもあり、フリッツ・クライスラーは《コレルリの主題による変奏曲》と題して小品化に成功しています。
本CDでは、原点に立ち返り、50の変奏を余すところなく収録していますが、演奏しているのは、スイス人ヴァイオリニストのジル・コリアール(Gilles Colliard, 1967-)です。コリアールはジャン=ピエール・ヴァレーズの門下生で、師匠と同じく指揮者としても活躍し、今ではトゥールーズ室内管弦楽団の音楽監督を務めています。古楽器の演奏にも興味を持っていて、本録音で使われている楽器はデヴィット・テクラーの1717年製のものが使われているとのこと。ただし、弓については情報がなく、ジャケットの写真を見る限りでは、それほど古くないトゥルト弓を用いていると思われます。
コリアールの演奏は、ロジャー・ノリントンらが提唱するような古楽器演奏のスタイルとは異なり、ヴィブラートを嫌味にならない程度に程良く効かせた、オーソドックスなものです。テンポを揺らしたり、派手に振る舞ったりというところがなく、至って真面目。曲自体が、1~2分程度でコロコロ雰囲気を変えるので、五十数分の演奏時間を、それほど退屈せずに聴くことができます。音の線は細めではあるものの、敢えて細めの音を出している風ではありません。重音奏法の個所では、所々苦戦しているものの、音楽の流れが停滞する程ではなく、示範としては充分な演奏といえるでしょう。当面、この曲の録音としては、このコリアール盤しか入手できないということで、独占的な地位を占めていますが、レイチェル・ポッジャーのような名うての古楽器演奏の名手が取り組めば、もっとスリルのある演奏に仕上がるのではないかと思います。

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