1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
CD1:
◈Max Reger: Variations and Fugue on a theme by J.A. Hiller, op.100
Philharmoniches Staatsorchester Hamburg / Joseph Keilberth
(Rec. 29 March 1955, Hamburg)
CD2:
◈Max Reger: Variations and Fugue on a theme by Mozart, op.132
◈Max Reger: Ballet Suite for Orchestra, op.130
Bamberger Symphoniker / Joseph Keilberth
(Rec. 23-25 July 1963)
マックス・レーガー(Max Reger, 1873-1916)の変奏曲&フーガ2題と舞踏組曲をヨーゼフ・カイルベルト(Joseph Keilberth, 1908-1968)の指揮する録音で集めた2枚組CDです。
CDの表記では、《ヒラーの主題による変奏曲とフーガ》をバンベルク交響楽団の演奏とし、《モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ》と舞踏組曲をハンブルク国立フィルハーモニー管弦楽団(現:ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団)の演奏だということになっていますが、テレフンケンのロゴでLPとして発売されていた時、《ヒラーの主題による変奏曲とフーガ》はハンブルク国立フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、《モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ》と舞踏組曲のカップリングはバンベルク交響楽団の演奏と表記されていました。本CDで復刻された時に表記があべこべになり、今のところ、これらの音源がCDに収録されるたびに、あべこべになったままの情報でクレジットされるようになっています。このCDでは録音年などの表記も為されておらず、原盤の扱いの杜撰さが気にかかります。販売元のワーナー・ミュージック・グループは、版元のテルデック(旧:テレフンケン)の情報を精査し、正しく音源を扱って欲しいものです。
閑話休題、《ヒラーの主題による変奏曲とフーガ》は、ヨハン・アダム・ヒラー(Johann Adam Hiller, 1728-1804)の歌劇《収穫の花束》のメロディを拝借して11回変装した後、そこから得られたモチーフを組み合わせてフーガにしてしまったという作品。1904年から1907年までに書き上げられ、1907年の10月15日にケルンで作曲者自身の指揮で初演されました。作品は指揮者のフリッツ・シュタインバッハに献呈されています。
《モーツァルトの主題による変奏曲》は1914年に作曲され、翌年の2月5日にベルリンで作曲者自身の指揮で初演されています。ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)のピアノ・ソナタ第11番(K331)の第1楽章の主題を元に8つの変奏曲を作り、さらにそこから生じたモチーフでフーガを作っています。
舞踏組曲は1913年に作曲された作品。いつ初演されたの詳しいことは分かっていません。曲は〈入場〉、〈コロンビーヌ〉、〈ハーレクイン〉、〈ピエロとピエレット〉、〈愛のダンス〉、〈フィナーレ〉の6曲からなり、コメディ的なキャラクターを描き分けています。
2つの「変奏曲とフーガ」は、ヨハネス・ブラームスの《ハイドンの主題による変奏曲》等の構想を引き継いでいますが、レーガーの作品は、ブラームスの作品以上に主題の変容が激しくなっています。一方で、舞踏組曲のように趣向を凝らした複雑さはそこそこにして、簡潔で諧謔的に纏める作風にも挑戦しており、どのようにでも自分の筆を走らせることができることを誇示しているかのようです。
本CDで指揮を執るカイルベルトは、ドイツの音楽家の家系に生まれ、カールスルーエの歌劇場の練習指揮者として叩き上げられた人です。1940年にプラハ・ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任してから、このオーケストラと親密な関係を作り、このオーケストラが紆余曲折を経てバンベルク交響楽団に改組されてからも、1949年から首席指揮者として亡くなるまで在任していました。一方で、ハンブルク国立フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督の任も1950年代に兼任しており、ドイツ音楽業界の重鎮として着実に地歩を固めていました。
《ヒラーの主題による変奏曲とフーガ》は、前述のようにハンブルク国立フィルハーモニー管弦楽団との演奏ですが、大まかには各変奏の特徴を捉えた立派な演奏に仕上がっています。ただし、所々で弦楽セクションにアンサンブルの大雑把さが見られ、管楽セクションも、音楽が複雑化するとニュアンスが乏しくなる傾向があります。最後のフーガでは次第にオーケストラに余裕がなくなり、暴走しそうな危うさがあります。
手兵のバンベルク交響楽団との《モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ》も、先の《ヒラーの主題による変奏曲とフーガ》と同じような演奏内容ですが、こちらのほうが細部まで神経が行き渡り、どのセクションも生き生きとしています。舞踏組曲ではカイルベルトが思うがままにオーケストラを操っていますが、アンサンブルが乱れないので、各曲の性格描写が大味にならず、緻密に聴こえます。
CDの表記では、《ヒラーの主題による変奏曲とフーガ》をバンベルク交響楽団の演奏とし、《モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ》と舞踏組曲をハンブルク国立フィルハーモニー管弦楽団(現:ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団)の演奏だということになっていますが、テレフンケンのロゴでLPとして発売されていた時、《ヒラーの主題による変奏曲とフーガ》はハンブルク国立フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、《モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ》と舞踏組曲のカップリングはバンベルク交響楽団の演奏と表記されていました。本CDで復刻された時に表記があべこべになり、今のところ、これらの音源がCDに収録されるたびに、あべこべになったままの情報でクレジットされるようになっています。このCDでは録音年などの表記も為されておらず、原盤の扱いの杜撰さが気にかかります。販売元のワーナー・ミュージック・グループは、版元のテルデック(旧:テレフンケン)の情報を精査し、正しく音源を扱って欲しいものです。
閑話休題、《ヒラーの主題による変奏曲とフーガ》は、ヨハン・アダム・ヒラー(Johann Adam Hiller, 1728-1804)の歌劇《収穫の花束》のメロディを拝借して11回変装した後、そこから得られたモチーフを組み合わせてフーガにしてしまったという作品。1904年から1907年までに書き上げられ、1907年の10月15日にケルンで作曲者自身の指揮で初演されました。作品は指揮者のフリッツ・シュタインバッハに献呈されています。
《モーツァルトの主題による変奏曲》は1914年に作曲され、翌年の2月5日にベルリンで作曲者自身の指揮で初演されています。ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)のピアノ・ソナタ第11番(K331)の第1楽章の主題を元に8つの変奏曲を作り、さらにそこから生じたモチーフでフーガを作っています。
舞踏組曲は1913年に作曲された作品。いつ初演されたの詳しいことは分かっていません。曲は〈入場〉、〈コロンビーヌ〉、〈ハーレクイン〉、〈ピエロとピエレット〉、〈愛のダンス〉、〈フィナーレ〉の6曲からなり、コメディ的なキャラクターを描き分けています。
2つの「変奏曲とフーガ」は、ヨハネス・ブラームスの《ハイドンの主題による変奏曲》等の構想を引き継いでいますが、レーガーの作品は、ブラームスの作品以上に主題の変容が激しくなっています。一方で、舞踏組曲のように趣向を凝らした複雑さはそこそこにして、簡潔で諧謔的に纏める作風にも挑戦しており、どのようにでも自分の筆を走らせることができることを誇示しているかのようです。
本CDで指揮を執るカイルベルトは、ドイツの音楽家の家系に生まれ、カールスルーエの歌劇場の練習指揮者として叩き上げられた人です。1940年にプラハ・ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任してから、このオーケストラと親密な関係を作り、このオーケストラが紆余曲折を経てバンベルク交響楽団に改組されてからも、1949年から首席指揮者として亡くなるまで在任していました。一方で、ハンブルク国立フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督の任も1950年代に兼任しており、ドイツ音楽業界の重鎮として着実に地歩を固めていました。
《ヒラーの主題による変奏曲とフーガ》は、前述のようにハンブルク国立フィルハーモニー管弦楽団との演奏ですが、大まかには各変奏の特徴を捉えた立派な演奏に仕上がっています。ただし、所々で弦楽セクションにアンサンブルの大雑把さが見られ、管楽セクションも、音楽が複雑化するとニュアンスが乏しくなる傾向があります。最後のフーガでは次第にオーケストラに余裕がなくなり、暴走しそうな危うさがあります。
手兵のバンベルク交響楽団との《モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ》も、先の《ヒラーの主題による変奏曲とフーガ》と同じような演奏内容ですが、こちらのほうが細部まで神経が行き渡り、どのセクションも生き生きとしています。舞踏組曲ではカイルベルトが思うがままにオーケストラを操っていますが、アンサンブルが乱れないので、各曲の性格描写が大味にならず、緻密に聴こえます。
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