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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Jehan Alain: Trois danses, JA120
Marie-Clair Alain (Org)
(Rec. 10-12 October 2000, Église de la Madeleine, Paris)
◈Jehan Alain: Postlude pour l'office de Complies, JA29
◈Jehan Alain: Choral cistercien, JA132
◈Jehan Alain: Complainte à la mode ancienne, JA38
◈Jehan Alain: Fugue en mode de Fa, JA28
◈Jehan Alain: Verset-Choral, JA6
Marie-Clair Alain (Org)
(Rec. 13 October 1999, Abbaye de Valloires, Argoules)
◈Jehan Alain: Intermezzo, JA66bis
◈Jehan Alain: Ballade en mode phrygien, JA67
◈Jehan Alain: Aria, JA136
◈Jehan Alain: Le jardin suspendu, JA71
◈Jehan Alain: Lamento, JA14
◈Jehan Alain: Berceuse sur deux notes qui cornent, JA7bis
◈Jehan Alain: Climat, JA79
◈Jehan Alain: Monodie, JA133
◈Jehan Alain: Andante, JA89bis
◈Jehan Alain: Chant donné, JA37
◈Jehan Alain: De Jules Lemaître, JA62
◈Jehan Alain: Fantasmagorie (première version), JA63
Marie-Clair Alain (Org)
(Rec. 18-19 October 2000, Romainmôtier, Suisse)



フランスのオルガニスト、マリー=クレール・アラン(Marie-Clair Alain, 1926-)によるジャン・アラン(Jehan Alain, 1911-1940)のオルガン作品集の第2集です。J.アランはM-C.アランの兄で、両者ともオルガンの専門家、アルベール・アランの子どもです。J.アランはパリ音楽院卒のオルガニスト兼作曲家でしたが、第二次世界大戦に従軍して戦死してしまいました。M-C.アランもパリ音楽院に進学し、兄の師であったマルセル・デュプレにオルガンを学んでいます。ヨハン・ゼバスティアン・バッハの作品解釈に一家言を持ち、3度もJ.S.バッハのオルガン作品の全集を録音していますが、ことあるごとにJ.アランの作品を取り上げており、彼の作品の普及に努めていました。
本CDでは、以下の曲が取り上げられています。
▤ 3つの舞曲 JA120 (1937-1939年作)
- 喜び (Joies)
- 喪 「英雄の思い出を讃える舞曲」 (Deulis {Danse funèbre pour honorer une mémoire héroïque})
- 格闘 (Luttes), JA82
▤ 終課のための後奏曲 JA29 (1929年作)
▤ シトー会のコラール JA132 (1934年作)
▤ 古い旋法によるコラール JA38 (1932年作)
▤ ファの旋法によるフーガ JA28 (1932年作)
▤ 唱句コラール JA6 (1931年3月頃作)
▤ 間奏曲 JA66bis (1934年5月頃作)
▤ フリギア旋法のバラード JA9 (1930年1月頃作)
▤ アリア JA136 (1938年11月頃作)
▤ 空中庭園 JA71 (1938年10月頃作))
▤ 哀歌 JA14 (1930年2月頃作)
▤ 耳鳴りのする二つの音による子守歌 JA7bis (1929年8月頃作)
▤ クリマ JA79 (1932年3月頃作)
▤ モノディ JA133 (1932年9月頃作)
▤ アンダンテ JA89bis (1935年作)
▤ 課題旋律 JA37 (1932年作)
▤ ジュール・ルメートルから JA62 (1935年作)
▤ 魔術幻影 JA63 (1935年作)
これらの作品の中で特に重要なのが《3つの舞曲》です。M-C.アランもパリはマドレーヌ教会のアリスティド・カヴァイエ=コル製の大オルガンを使い、凄みのある演奏を聴かせています。この作品の肝となる部分は第2曲〈喪〉です。この作品を書き始めた頃に妹のマリー=オディール・アランがアルプスで遭難死しており、〈喪〉は「英雄の思い出を讃える舞曲」というタイトルをつけて他の2曲に先駆けて完成されています。この《3つの舞曲》は、ピアノ2台用の作品としてもまとめられましたが、オーケストラ曲にする構想もあり、第2曲だけ切り離してオルガンと弦楽合奏とティンパニのための作品に仕立て上げた異稿も存在しています。
異稿という点では、《間奏曲》は、ファゴット・ソナタの第2楽章をオルガン用に書きなおしたもので、《アンダンテ》も、ピアノ用の組曲からオルガン用に独立させた作品でした。
本CDの中には、J.アランの作曲家としての修行中の作品もあり、《ファの旋法によるコラール》はジョルジュ・コサードの対位法の課題として書かれたもので、《課題旋律》はアンドレ・ブロックの和声法の授業で書いたものです。《終課のための後奏曲》などのように、オルガニストとしてヴァロワール修道院にアルバイトに行った先で作ったものもあり、M-C.アランは、その修道院の古いオルガンを使って録音しています。古色蒼然とした音色とJ.アランの神秘的な和声がうまくブレンドしています。M-C.アラン自身も、この修道院のオルガンを気に入っており、度々演奏しに訪れているとのことです。
《空中庭園》はJ.アラン曰く「誰にも侵入されない憩いの地」であり、「芸術家がずっと憧れ求め続ける理念」の象徴とのことで、自らの作風の信条を示した作品。オルガンの音の響きで異空間を作ろうとしたかのような《クリマ》(雰囲気)のような作品もあります。父A.アランが修理するオルガンの空鳴(自鳴)の音をモチーフにした《耳鳴りのする二つの音による子守歌》も、そのアイデアだけでなく、和声的なセンスが感じられます。これらの演奏では、J.アランが日常的に弾いていたA.アランの自宅用オルガンが使われており、M-C.アランにとっても馴染みの深いオルガンの音色です。M-C.アランの演奏は、オルガンの音に兄の思い出を浮かべるような、ゆったりとした演奏で、《アリア》のような採るに足りない音楽として棒読みに陥りそうな小品に血を通わせています。最後に収められた《魔術幻影》などは、神秘性よりもユーモラスさが勝っており、聴いた後の余韻が心地良くなります。

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