1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Jacques Offenbach: Suite No.1 - Cours méthodique de duos pour deux violoncelles op.54
◈Jacques Offenbach: Suite No.2 - Cours méthodique de duos pour deux violoncelles op.54
Roland Pidoux (Vc)
Étienne Péclard (Vc)
Étienne Péclard (Vc)
(Rec. December 1979)
ジャック・オッフェンバック(Jacques Offenbach, 1819-1880)はフランスの有名なオペレッタ作家ですが、出身はケルンのオッフェンバッハ地方。チェリストになるべくパリ音楽院に入学し、そのままサロン界の売れっ子チェリストになりました。このサロン界でのコネクションを使って19世紀フランス・オペレッタ業界の大立者にのし上がったわけですが、若いころはピアノ曲やチェロ用の作品を作っていたようです。
本CDに収録された2挺のチェロのための組曲は、《チェロ二重奏のための綿密な教程》所収の作品。オッフェンバックは同様の作品を何冊か出版しており、サロンでチェロを弾いたり教えたりしていた若き日のオッフェンバックの姿が想像されます。今日でも、アンサンブル醸成のための練習曲としてこの手の作品は有用ですが、それゆえか、積極的な録音はあまり為されていませんでした。そういう意味で、ローラン・ピドゥー(Roland Pidoux, 1946-)とエティエンヌ・ペクラール(Étienne Péclard, 1946-)による本録音は、歓迎されるべき演奏と言えるでしょう。
この2曲のチェロ二重奏用の組曲(op.57にはもう一曲組曲が存在する)は、いずれも3曲の構成をとり、さながら3楽章のソナタのような作りになっています。第1曲目は手堅いソナタ形式が踏襲され、3曲全体の半分くらいの演奏時間になります。オッフェンバックは重奏を巧みに使い分けて豊かなハーモニーを織り上げており、合奏がうまくこなせれば、演奏者もその響きの豊かさにうっとりするという寸法になっています。また、弾き手が退屈しないように甘口のメロディもふんだんに取り込まれ、メロディ・メイカーとしてのオッフェンバックの才能の確かさも確認できるでしょう。
本CDで演奏するピドゥーとペクラールは、共にパリ音楽院でアンドレ・ナヴァラ、ジョセフ・カルヴェらに師事したフランスきってのチェリストです。ピドゥーのほうは、パリ・オペラ座の首席奏者やフランス国立管弦楽団の首席奏者等を歴任する傍らでヴィア・ノヴァ四重奏団に加入したり、レジス&ブルノのパスキエ兄弟と組んで弦楽三重奏団を結成したりしてキャリアを伸ばしました。ペクラールもパリ管弦楽団やボルドー・アキテーヌ国立管弦楽団などの首席奏者を歴任する一方で、アラン・ドガレイユやタッソ・アダモプロスと弦楽三重奏団を結成し、室内楽の方面でもピドゥーに並ぶ実績を持っています。両者とも、同じ師に学んだことで、表現上の共通点も多く、アンサンブルで齟齬をきたすことはありません。お互いに仕掛け合いながら、一方の仕掛けを他方が取りこぼさない万全さもあり、曲が終わるまで、テニスのラリーのようなやり取りが楽しめます。両組曲の第2曲目のような緩やかな音楽でも、両者の均衡はなあなあにならず、メロディの優美さに甘えない凛とした佇まいが魅力的です。
本CDに収録された2挺のチェロのための組曲は、《チェロ二重奏のための綿密な教程》所収の作品。オッフェンバックは同様の作品を何冊か出版しており、サロンでチェロを弾いたり教えたりしていた若き日のオッフェンバックの姿が想像されます。今日でも、アンサンブル醸成のための練習曲としてこの手の作品は有用ですが、それゆえか、積極的な録音はあまり為されていませんでした。そういう意味で、ローラン・ピドゥー(Roland Pidoux, 1946-)とエティエンヌ・ペクラール(Étienne Péclard, 1946-)による本録音は、歓迎されるべき演奏と言えるでしょう。
この2曲のチェロ二重奏用の組曲(op.57にはもう一曲組曲が存在する)は、いずれも3曲の構成をとり、さながら3楽章のソナタのような作りになっています。第1曲目は手堅いソナタ形式が踏襲され、3曲全体の半分くらいの演奏時間になります。オッフェンバックは重奏を巧みに使い分けて豊かなハーモニーを織り上げており、合奏がうまくこなせれば、演奏者もその響きの豊かさにうっとりするという寸法になっています。また、弾き手が退屈しないように甘口のメロディもふんだんに取り込まれ、メロディ・メイカーとしてのオッフェンバックの才能の確かさも確認できるでしょう。
本CDで演奏するピドゥーとペクラールは、共にパリ音楽院でアンドレ・ナヴァラ、ジョセフ・カルヴェらに師事したフランスきってのチェリストです。ピドゥーのほうは、パリ・オペラ座の首席奏者やフランス国立管弦楽団の首席奏者等を歴任する傍らでヴィア・ノヴァ四重奏団に加入したり、レジス&ブルノのパスキエ兄弟と組んで弦楽三重奏団を結成したりしてキャリアを伸ばしました。ペクラールもパリ管弦楽団やボルドー・アキテーヌ国立管弦楽団などの首席奏者を歴任する一方で、アラン・ドガレイユやタッソ・アダモプロスと弦楽三重奏団を結成し、室内楽の方面でもピドゥーに並ぶ実績を持っています。両者とも、同じ師に学んだことで、表現上の共通点も多く、アンサンブルで齟齬をきたすことはありません。お互いに仕掛け合いながら、一方の仕掛けを他方が取りこぼさない万全さもあり、曲が終わるまで、テニスのラリーのようなやり取りが楽しめます。両組曲の第2曲目のような緩やかな音楽でも、両者の均衡はなあなあにならず、メロディの優美さに甘えない凛とした佇まいが魅力的です。
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