1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Nicolò Paganini: 24 Caprices, op.1
Ruggiero Ricci (Vn)
(Rec. April 1959, Victoria Hall, Genova)
ニコロ・パガニーニ(Nicolò Paganini, 1782-1840)のカプリース集です。
ルッジェーロ・リッチ(Ruggiero Ricci, 1918-)は、カリフォルニア生まれのイタリア系アメリカ人ヴァイオリニストです。
古今の名ヴァイオリニストたち同様に幼少時から父親の手ほどきを受け、めきめき上達して「神童」と言われた人でした。
7歳からルイス・パーシンガーの指導を受け、10歳でコンサート・レビューを果たし、一躍時の人となったリッチですが、さらに芸の深みを出すためにドイツに渡り、アドルフ・ブッシュやゲオルク・クーレンカンプらの薫陶も受けています。
リッチのトレード・マークは、ニコロ・パガニーニ(Nicolò Paganini, 1782-1840)のカプリース集です。
パガニーニのカプリース集は、全部で24曲ありますが、往年のヴァイオリニストたちは、その中の数曲を選んで録音するのが関の山でした。しかし、リッチは、この24曲を全曲ものにし、オリジナルの無伴奏版で世界初録音を成し遂げたとのこと。こうしたことから、パガニーニ作品のスペシャリストとして、一目おかれる存在になりました。
本CDは、1959年の録音ということで、リッチにとって、おそらく二度目のパガニーニのカプリース集の全曲録音になります。
パガニーニのカプリース集は、パガニーニが生前出版できた唯一の作品です。パガニーニは、自分の演奏技術が流出するのを恐れていて、入念に楽譜を管理し、作品の出版の話になると、法外な値段を出版社に吹っかけて追い返していたそうです。リコルディ社は、このカプリース集の出版に、一体どれだけの金をパガニーニに支払ったのでしょうか。
今日では、パガニーニのカプリース集は、ヴァイオリン学習者のテクニックのブラッシュ・アップに使われたり、コンクール予選の課題曲に指定されたりしていますが、おいそれと簡単には弾けない難曲としての地位はいまだ健在です。
リッチの演奏は、一曲一曲、華麗な弓さばきと左手のフィンガリングの妙を披露するショウのようです。曲の要求する技巧に振り回されて七転八倒することがないのは、流石往年の名演奏です。
しかし、アクロバット芸のコレクションとしては上等ですが、全曲通して聴いてみると、脈絡のないおしゃべりを早回しで聴かされているようなキツさがあります。
本演奏は、その勢いの良さに魅力がありますが、作品の世界を掘り下げようという気はあまりないようです。
もうワン・ランク上の感動を与えてくれる演奏があるのではないかと思わせてしまうのが、本演奏の限界なのかもしれません。
閑話休題、本CDが発売されて数年後に、1950年の録音と称するCDが発売されたことがあります。(規格番号は【POCL-4721】です。)
録音データは、1950年7月のジュネーヴの録音ということになっており、ブックレットにも音楽評論家の延山優樹の署名で、「リッチの名を一挙に高めたのがこのパガニーニの『奇想曲・全曲』の世界初録音で、目もくらむような腕(指)さばきで、パガニーニの難曲がやすやすと弾かれるのに、世界中の音楽ファンは文字通り唖然とさせられました。」と書かれていましたが、私が入手したCDは、その音の状態といい、演奏内容といい、この1959年の録音と瓜二つでした。
メーカーのほうでは、このCDは1959年の録音と取り違えて発売していたと思いますが、本来の1950年の録音盤と補償交換はなされたのでしょうか?
ルッジェーロ・リッチ(Ruggiero Ricci, 1918-)は、カリフォルニア生まれのイタリア系アメリカ人ヴァイオリニストです。
古今の名ヴァイオリニストたち同様に幼少時から父親の手ほどきを受け、めきめき上達して「神童」と言われた人でした。
7歳からルイス・パーシンガーの指導を受け、10歳でコンサート・レビューを果たし、一躍時の人となったリッチですが、さらに芸の深みを出すためにドイツに渡り、アドルフ・ブッシュやゲオルク・クーレンカンプらの薫陶も受けています。
リッチのトレード・マークは、ニコロ・パガニーニ(Nicolò Paganini, 1782-1840)のカプリース集です。
パガニーニのカプリース集は、全部で24曲ありますが、往年のヴァイオリニストたちは、その中の数曲を選んで録音するのが関の山でした。しかし、リッチは、この24曲を全曲ものにし、オリジナルの無伴奏版で世界初録音を成し遂げたとのこと。こうしたことから、パガニーニ作品のスペシャリストとして、一目おかれる存在になりました。
本CDは、1959年の録音ということで、リッチにとって、おそらく二度目のパガニーニのカプリース集の全曲録音になります。
パガニーニのカプリース集は、パガニーニが生前出版できた唯一の作品です。パガニーニは、自分の演奏技術が流出するのを恐れていて、入念に楽譜を管理し、作品の出版の話になると、法外な値段を出版社に吹っかけて追い返していたそうです。リコルディ社は、このカプリース集の出版に、一体どれだけの金をパガニーニに支払ったのでしょうか。
今日では、パガニーニのカプリース集は、ヴァイオリン学習者のテクニックのブラッシュ・アップに使われたり、コンクール予選の課題曲に指定されたりしていますが、おいそれと簡単には弾けない難曲としての地位はいまだ健在です。
リッチの演奏は、一曲一曲、華麗な弓さばきと左手のフィンガリングの妙を披露するショウのようです。曲の要求する技巧に振り回されて七転八倒することがないのは、流石往年の名演奏です。
しかし、アクロバット芸のコレクションとしては上等ですが、全曲通して聴いてみると、脈絡のないおしゃべりを早回しで聴かされているようなキツさがあります。
本演奏は、その勢いの良さに魅力がありますが、作品の世界を掘り下げようという気はあまりないようです。
もうワン・ランク上の感動を与えてくれる演奏があるのではないかと思わせてしまうのが、本演奏の限界なのかもしれません。
閑話休題、本CDが発売されて数年後に、1950年の録音と称するCDが発売されたことがあります。(規格番号は【POCL-4721】です。)
録音データは、1950年7月のジュネーヴの録音ということになっており、ブックレットにも音楽評論家の延山優樹の署名で、「リッチの名を一挙に高めたのがこのパガニーニの『奇想曲・全曲』の世界初録音で、目もくらむような腕(指)さばきで、パガニーニの難曲がやすやすと弾かれるのに、世界中の音楽ファンは文字通り唖然とさせられました。」と書かれていましたが、私が入手したCDは、その音の状態といい、演奏内容といい、この1959年の録音と瓜二つでした。
メーカーのほうでは、このCDは1959年の録音と取り違えて発売していたと思いますが、本来の1950年の録音盤と補償交換はなされたのでしょうか?
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