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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Paul Dukas: Piano Sonata in E flat minor
Marc-André Hamelin (Pf)
(Rec. 26-27 August 2004, Henry Wood Hall, London)
◈Abel Decaux: Clairs de lune
Marc-André Hamelin (Pf)
(Rec. 15 December 2005, Henry Wood Hall, London)



ポール・デュカス(Paul Dukas, 1865-1935)とアベル・ドゥコー(Abel Decaux, 1869-1943)のという2人のフランス人作曲家のピアノ作品の代表作を収録しています。
ドゥコーの作品は、今や本作品くらいしか取り上げられません。

デュカス(デュカとも発音)のピアノ・ソナタは1901年作。
デュカス自身は、結構印象派の動向に目を配っていましたが、このピアノ・ソナタは、まるで交響曲のデッサンのような複雑さが売りです。
この堅牢で複雑な作品を、どう捌いていくかが、ピアニストの腕の見せ所ですが、本CDで演奏しているマルカンドレ・アムラン(Marc-André Hamelin, 1961-)は、それまでのピアニストの演奏が徒労であるかのような鮮やかさで弾ききっています。この滑らかなピアニズムゆえに、音楽の持つ堅牢さが幾分犠牲になっているという批判も成り立ちますが、ここまでなんの苦労も感じさせずに弾きこなしてしまうアムランの腕の冴えを否定するものではないだろうと思います。

ドゥコーの《月の光》は、1900年から1907年の間に書かれたピアノ曲を纏めた組曲です。
第1曲目の〈真夜中を過ぎて〉は1900年の作、第2曲目の〈路地〉は1902年の作、第3曲目の〈墓地〉は1907年の作、第4曲目の〈海〉は1903年の作品です。
最も刺激的なのは第1曲目と第2曲目で、かのアルノルト・シェーンベルクが調性音楽の脱却を企てていたそのときに、すでにドゥコーが調性の定まらない音楽を書いていたのです。
こうした無調を用いたのは、月の光に照らされた夜の世界の神秘性と狂気を表現するためだったのでしょう。
第3曲目は、和音の塊をボンボンとおいていくあたり、荒れ果てた墓地に墓石が乱立しているさまを思い浮かべることが出来るかもしれません。また、その語法に、オリヴィエ・メシアンの《幼子イエスに注がれる20のまなざし》を想起させるものがあります。
第4曲目は趣向を凝らした超絶技巧の作品ですが、アムランは、クロード・ドビュッシーの音楽のような詩情をこの曲から漂わせることに成功しています。

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