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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Anton Bruckner: Symphony No.9 in D minor
BBC Symphony Orchestra / Reginald Goodall
(Rec. 4 May 1974, BBC Studios, London)



レジナルド・グッドオール(Reginald Goodall, 1901-1990)は、イギリスの指揮者で、リヒャルト・ヴァーグナーの音楽を崇拝していたことで知られています。
彼自身の政治信条の問題や、誰にも妥協をしない態度などが災いして、なかなか演奏家としてうだつが上がらなかったようですが、晩年に敬愛するヴァーグナーの作品を演奏して名声を確立し、イギリスの誇るヴァーグナー演奏の大家として知られるようニなりました。

オーストリアの作曲家、アントン・ブルックナー(Anton Bruckner, 1824-1896)もまた、ヴァーグナーの崇拝者でした。
自分の交響曲第3番をヴァーグナーに捧げ、さらにヴァーグナー協会に入会しています。また、ヴァーグナーの死去に際し、交響曲第7番の第二楽章でヴァーグナーの追悼のために加筆しており、ヴァーグナーへの心酔ぶりを窺い知ることができます。
しかし、ブルックナーの音楽的個性は、全くヴァーグナーとシンクロするわけではありませんでした。
ヴァーグナーの音楽は、愛憎入り混じる人間社会の複雑性を余すところなく表現するのが目的でしたが、ブルックナーの音楽は、そのような人間社会の愛憎劇よりも、純粋に音の大聖堂を建築することに意を注ぐものだったといえます。
その音楽のスケールの大きさは、ヴァーグナーを思わせますが、ブルックナーの音楽の内容は、ヴァーグナーではなかなか表現し得ないものでした。
ヴァーグナー演奏の大家であるグッドオールがブルックナーを取り上げたのは、まさしくヴァーグナーを思わせる音楽のスケールの大きさに着眼したが故ののことだと思われます。
大鉈を振り下ろす様をスローモーションで見るかのようなグッドオールの音楽の所作は、BBC交響楽団から気宇雄大な世界表現を引き出しています。
個人所蔵の音源を使っての復刻であるため、1972年の録音にしては音の鮮度に欠けますが、「ブルックナーの音楽はダラダラと長いだけ」という悪口を思わず塞いでしまう厳粛さが漂っています。

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