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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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CD1:
◈Heitor Villa-Lobos: Bachianas Brasileiras No.1
◈Heitor Villa-Lobos: Bachianas Brasileiras No.2
Orchestre Symphonique du Brésil / Isaac Karabtchewsky
(Rec. June & September 1987)
◈Heitor Villa-Lobos: Bachianas Brasileiras No.3
Nélson Freire (Pf)
Orchestre Symphonique du Brésil / Isaac Karabtchewsky
(Rec. June & September 1987)

CD2:
◈Heitor Villa-Lobos: Bachianas Brasileiras No.4
Orchestre Symphonique du Brésil / Isaac Karabtchewsky
(Rec. June & September 1987)
◈Heitor Villa-Lobos: Bachianas Brasileiras No.5
Leila Guimarães (S)
Orchestre Symphonique du Brésil / Isaac Karabtchewsky
(Rec. June & September 1987)
◈Heitor Villa-Lobos: Bachianas Brasileiras No.6
Norton Morozowicz (Fl)
Noël L. Devos (Fg)
(Rec. June & September 1987)

CD3:
◈Heitor Villa-Lobos: Bachianas Brasileiras No.7
◈Heitor Villa-Lobos: Bachianas Brasileiras No.8
◈Heitor Villa-Lobos: Bachianas Brasileiras No.9
Orchestre Symphonique du Brésil / Isaac Karabtchewsky
(Rec. June & September 1987)


ヘイトル・ヴィラ=ロボス(Heitor Villa-Lobos, 1887-1959)は、ブラジルを代表する作曲家として知られています。
アマチュア音楽家の父親と叔母から音楽の手ほどきを受け、12歳で父親が亡くなると、カフェでチェロを弾いて生計を立てていたといいます。リオ・デ・ジャネイロ音楽院に進学するものの、ちょっと練習すればたいていの楽器を操ることのできた彼は、作曲まで独学でものにし、ブラジルの民謡採集を通して独自の作風を確立しました。

ヴィラ=ロボスの代表作として知られているのは、《バキアーナス・ブラジレイラス》という9つの連作です。
日本では《ブラジル風バッハ》と呼ばれていますが、言語の意味は「バッハ風ブラジル風」という意味になります。
ヴィラ=ロボスが「バキアーナス」といっているのは、ヨハン・ゼバスティアン・バッハのことですが、ヴィラ=ロボスは、ただ単にJ.S.バッハの音楽の模倣をするためにこの連作を作ったわけではありませんでした。
J.S.バッハの音楽は、ヴィラ=ロボスにとって、音楽を教えてくれた叔母が愛した作曲家であり、自らの音楽の原体験を形成する作曲家でもありました。そんなJ.S.バッハの音楽を、ヴィラ=ロボスは「広く世界中の民俗音楽に根ざすもの」と位置付け、あらゆる音楽を結び付ける紐帯と見なしていました。
J.S.バッハの音楽を広い普遍性のある音楽として敬愛したヴィラ=ロボスは、J.S.バッハにただ追従するのではなく、自分が確立した作風の全てを投入して、自らも普遍性を持った音楽を書こうと祈念したのでした。
J.S.バッハの音楽のような普遍性を、自分の国の音楽を土壌にしても作れるはずだという思いが、一連の《バキアーナス・ブラジレイラス》の中に息づいています。

バキアーナス・ブラジレイラスの連作の内訳は、以下のようになります。

第1番:チェロのみによる合奏組曲
第2番:地元ブラジルの打楽器を含めたオーケストラのための組曲
第3番:ピアノと管弦楽のための組曲
第4番:オーケストラ用の組曲(元々はピアノ曲として構想)
第5番:ソプラノとチェロ合奏のための曲
第6番:フルートとファゴットの二重奏曲
第7番:オーケストラ用の組曲
第8番:オーケストラ用の組曲
第9番:無伴奏合唱のための組曲として構想するも、演奏至難を理由に弦楽合奏での演奏も許可

特に、第2番の第4曲目のトッカータは、〈カイピラの小さな汽車〉という名前がついており、アルテュール・オネゲルの《パシフィック231》と比較されうる名作として知られています。
また、第5番の第1曲目の〈アリア〉は、その哀愁漂う美しいメロディから、ヴィラ=ロボスの名刺代わりと見なされています。
第6番も、ヴィラ=ロボスはオーケストレーションを施そうとしましたが、フルートとファゴットの掛け合いで、十分独自の世界を作り上げていると見做され、フルートとファゴットのための作品としてそのまま生き残ることになりました。

本CDで演奏を担当するのは、イサーク・カラブチェフスキー(Isaac Karabtchewsky, 1934-)指揮するブラジル交響楽団です。
第3番ではネルソン・フレイレ(Nélson Freire, 1944-)が客演し、オーケストラのモチベーションを維持しています。かのヴァンサン・ダンディのセヴァンヌ交響曲のような書法でもって、ピアノばかりが目立つのではない、連係プレーが実現しています。
第5番では、ブラジルの名歌手、レイラ・ギマランイス(Leila Guimarães)が〈アリア〉をしっとりと歌い上げ、マヌエル・バンデイラ(Manuel Bandeira, 1886-1968)の詩を歌詞にした〈踊り〉では、変幻自在な表情付けで魅惑的な歌唱を披露しています。
第6番は、ノルトン・モロゾヴィッチ(Norton Morozowicz)とノエル・ドヴォ(Noël Devos)が、それぞれフルートとファゴットを吹いています。二人は、ブラジル交響楽団の首席奏者で、特にモロゾヴィッチは、1982年ごろからブルメナウ室内管弦楽団を組織し、指揮活動も展開しているのだとか。ドヴォは、エレアザール・カルヴァーリョに招かれて1952年からブラジル交響楽団の首席奏者を務めていますが、元々はフランスのカレーに生まれた人です。パリ音楽院をプルミエ・プリを得て卒業した人だけあって、その演奏には得も言われぬ色気があります。
カラブチェフスキーの指揮するブラジル交響楽団の演奏は、第1番や第5番のチェロ合奏、第9番の弦楽合奏に仕上がりの粗さがありますが、第2番などオーケストラの総力を使った組曲では、なかなかの力演を聴かせてくれます。アンサンブルの精度や音程の甘さなど、問題点も散見される演奏ですが、そのガチャガチャした大味さが、うっそうと生い茂るジャングルの森のような生命力を感じさせるファクターになっているのかもしれません。

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9つを全部
わりと最近Aさんの発案で、エルガーの威風堂々を「全部」聴くひと時がありいい学習となりましたが、次なるそれとして、このブラジル風を楽しみながら学習できればなと思っております。現時点では決行日時を定めることできませんが、遠くない未来ということで頭の片隅に留めておいてくださればです☆
汗ばむ季節となってきておりますが、ブラジルの音楽はそうした時節とたいてい相性いいので、普段の選曲の際にも気持ち多めに含有しちゃってね(笑)
ある晩のヴぇる君。 2009/06/16(Tue)00:08:02 編集
Re:9つを全部
初夏に聴く南米の音楽は、また格別の味わいがあるかもしれませんね。
バキアーナス=バッハ風
ブラジレイラス=ブラジル風
ということなので、J.S.バッハの音楽をブラジル風にアレンジしたものと思われがちですが、むしろ、J.S.バッハの精神をラテン魂で染め上げた作品ということで、J.S.バッハの様式のこだわらず聴くといいかもしれません。
2009/06/18 04:39
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