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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Francis Poulenc: Dialogue des Carmélites
Catherine Dubosc (S: Blanche de la Force)
José van Dam (Br: Le Marquis de la Force)
Jean-Luc Viala (T: Le Chevalier de la Force)
Brigitte Fournier (S: Sister Constance de Saint-Denis)
Rita Gorr (Ms: Mme de Croissy)
Rachel Yakar (S: Mme Lidoine)
Martine Dupuy (Ms: Mother Marie)
Marie Boyer (Mother Jeanne)
Hélène Perraguin (S: Sister Mathide)
Michel Sénéchal (T: The Chaplain)
François le Roux (Br: The Jailer)
Georges Gautier (T: First Commissioner)
Yves Bisson (Br: Second Commissioner)
Vincent le Texler (Bs-Br: First Officer)
Eric Freulon (Br: Thierry)
Emilio Roman (Bs: M.Javelinot)
Nicole Biondi (S: First Old Woman)
Mireille Antoine (Second Old Woman)
Georges Bouquet (Old Woman)
Chorus of the Opéra de Lyon (Chorus master: Marco Zambelli)
London Chorus (Chorus master: Richard Cooke)
Orchestra of the Opéra de Lyon / Kent Nagano
(Rec. 21-30 June 1990, Auditorium Maurice Ravel, Lyon)



《カルメル会修道女の対話》は、フランシス・プーランク(Francis Poulenc, 1899-1963)が1957年に発表したオペラで、1794年のパリで起こった出来事を元ネタにしています。台本は、ゲルトルート・フォン・ル・フォールの小説『処刑台に立つ最後の女性』に基づいており、作家のジョルジュ・ベルナノス(Georges Bernanos, 1888-1948)のものを用いています。
宗教音楽に造詣の深かったプーランクならではの清澄な音楽が聴き所ですが、プーランクの音楽が美しければ美しいほど、このオペラの話は残酷さを増すことになります。

1794年といえば、フランス革命でマクシミリアン・ロベスピエールらが失脚した年ですが、ロベスピエールがギロチンで処刑される10日ほど前に、コンビエーニュ修道院の修道女16人が、革命政府の宗教活動禁止令に背いた罪でギロチン処刑されています。この修道女16人の処刑を題材にル・フォールは小説を書き、ベルナノスが台本化し、プーランクが曲をつけることになりました。
話の筋書きは、大まかに以下のとおりです。

第1幕
1789年のパリ。ラ・フォルス伯爵の娘ブランシェは、政情不安から逃れるために、コンビエーニュのカルメル派修道院に入りたいと父に申し出る。
父はブランシェを連れて修道院に行くが、そこの修道院長であるド・クロワシー夫人から修行の厳しさを伝えられ、窘められるものの、ブランシェの決意は固く、「キリスト臨終の苦しみ」という修道名を貰って入会を許されることになった。
修道院での生活の中で、同い年のコンスタンスと友達になった。修道院長は重い病気に苦しんでおり、ブランシェとコンスタンスは、その修道院長の世話に当たっていた。しかし、コンスタンスは世間話に話の花を咲かせ、ブランシェに不謹慎だと注意される。そんなブランシェに、コンスタンスは「きっと私たち、一緒に死ぬかもね」と、言って笑うのだった。
そうこうするうちに、修道院長の容態は急変し、上級修道女のマリーが呼び出される。
修道院長は、死の恐怖に震え、苦しみもがきながら、マリーにブランシェのことを託す。ブランシュたちもやってきて、修道院長はブランシェたちに今生の別れを告げる。しかし、修道院長は、修道院が略奪と破壊の憂い目に遭うという幻覚を見て発狂し、神を呪う言葉を口にしながら息絶えるのだった。

第二幕
ブランシェは、修道院長の壮絶な死に様にショックを受けてしまった。
修道院長の棺の守を言いつけられたブランシュだが、ふいに一人でいるのが怖くなり、逃げ出そうとする。しかし、マリーに見つかって叱責されてしまう。が、マリーもブランシェの気持ちを察していた。
修道院長は埋葬され、ブランシェとコンスタンスは花飾りを作るが、ブランシェ同様コンスタンスもショックを受けていた。高潔で知られた修道院長の悶死について、コンスタンスは「別の人の身代わりとしてもだえ苦しむ死に方を演じた」というこじつけを考え出すが、ブランシェはコンスタンスの意見にはもろ手を挙げて賛成はできない。
新しい修道院長には、マリーではなく、マダム・リドワーヌが就任することになった。彼女は今までどおりの信仰の道を歩むことで、フランス革命の局面を切り抜けようとする。ブランシェの元には、ブランシェ家の騎士が訪れ、ブランシュ家に戻るようにブランシュを説得するが、ブランシュはその説得に応じず、騎士を追い返してしまう。
一方、革命政府は、修道院の解散を要求してくる。革命政府の人民委員は、民衆を連れて修道院で暴れ、修道院の建物など一切を売却することを告げ、修道女たちに立ち退きを迫るのだった。彼らによれば、修道女としての身分を捨て、一般庶民として生活しなければ、法への抵触行為と見なすということであった。リドワーヌ修道院長は、革命政府に一連の決定の撤回を請願しに町に出て行った。

第3幕
破壊された礼拝堂にマリーをはじめとする修道女たちが集い、司祭の立会いの下で、殉教を覚悟の上で活動を続けるか、革命政府に従うかという秘密投票を実施した。もしも、全員一致で殉教を覚悟するのであれば、そのようにし、もしも一人でも殉教に反対するのであれば、修道院を解散する。全員一致で殉教の方針が決まると思われたが、一票だけ殉教の反対票が出た。修道女たちは、ブランシェが反対票に投じたのではないかといぶかしがるが、コンスタンスが「私が反対票を投じました」といい、その反対票の撤回を申し出ることで、殉教覚悟で宗教活動を継続する方針が決まった。しかし、ブランシェは死ぬことを恐れ、修道院から姿を消すのだった。
修道院には、革命政府から派遣された士官が、宗教活動を停止して庶民にならなければ逮捕する、と警告にやってきた。マリーはブランシェを連れ戻そうと、ラ・フォルス伯爵の邸宅に向かった。

マリーがラ・フォルス邸につくと、既にラ・フォルス伯爵はギロチンで首をはねられ、邸宅は民衆が占拠していた。ブランシェは、その邸宅で小間使いにされていた。マリーはブランシェに修道院に戻るよう説くが、ブランシェは、宗教活動を続けてギロチンにかけられるよりは、小間使いとしてでも生き延びたいといい、マリーの申し出を断るのだった。
一方、修道女たちは全員逮捕され、町に出かけていった修道院長も身柄を拘束されている。
修道院長は、修道女たちに、私一人がギロチンにかけられればいいと語るが、修道女全員が死刑を宣告されてしまった。
マリーは、道端で司祭に会い、修道女たちが全員捕まり、死刑の宣告を受けたことを知らされる。マリーも殉教しようとするが、司祭に「あなたがつかまらずに残ったのも、神の思し召しだ」と諭され、死刑になる彼女たちのために祈りを捧げる。
1794年7月7日に、パリ広場で修道女たちの処刑が行われる。修道院長を筆頭に、聖歌を歌いながら、一人ずつギロチンにかけられていった。そして、最後にコンスタンスがギロチンにかけられようとするとき、修道服を身にまとったブランシェが現れる。
そして、コンスタンスがギロチンの露と消えた後、ブランシェも後に続くのだった。
ヒロイン役のブランシェを除けば、登場人物のほぼ全て史実上の人物なのだとか。
フランス革命時は、貴族たちがカトリックを信仰していたこともあって、カトリック教会は目の敵にされていましたが、特にカルメル会は王族との繋がりが濃かったので、厳しい弾圧の対象になったものと思われます。しかし、16人の修道女を矢継ぎ早にギロチン送りにするというのは、ギロチン処刑が横行していた当時でも、かなり異様な光景だったのではないでしょうか。

本CDのキャストは、

カトリーヌ・デュボス (ブランシェ)
ジョゼ・ヴァン・ダム (ラ・フォルス伯爵)
ジャン=リュク・ヴィアラ (ラ・フォルス家の騎士)
ブリジット・フルニエ (コンスタンス)
リタ・ゴール (クロワシー修道院長)
ラシェル・ヤカール (リドワーヌ修道院長)
マルティーヌ・デュピュイ (マリー)
マリー・ボーヤー (ジャンヌ修道女)
ヘレーネ・ペラガン (マチルデ修道女)
ミシェル・セネシャル (司祭)
フランソワ・ル・ルー (獄吏)
ジョルジュ・ゴーティエ (第1の士官)
イヴ・ビッソン (第2の士官)
ヴァンサン・ル・テシエ (人民委員)
エリック・フューロン (従僕)
エミリオ・ローマン (医師ジャヴェリノ)
ニコレ・ビオンディ (第1の老女)
ミレイユ・アントワーヌ (第2の老女)
ジョルジュ・ブーケ (老人)
  リヨン歌劇場合唱団(合唱指揮:マルコ・ザンベッリ)
ロンドン合唱団 (合唱指揮:リチャード・コーク)
リヨン歌劇場管弦楽団/ケント・ナガノ
このキャストのうち、ゴール(Rita Gorr, 1926-)がフランスでの初演でマリー役を演じた人で、このキャストでは狂死するクロワシー修道院長を熱演しています。「ここは祈りの場で、逃げ場ではありません。神はここで、われわれに強さを与えるのではなく、弱さをお試しになるのです」と、ブランシュを叱りつけた修道院長の、狂乱死の場面は、ブランシュだけでなく、信教に生きる人にもかなりのインパクトがあるのではないでしょうか?

クロワシー修道院長の後任であるリドワーヌ夫人役のヤカール(Rachel Yakar, 1938-)のキリッと引き締まった声と、デュボス(Catherine Dubosc, 1959-)の演じるブランシェ役とフルニエ(Brigitte Fournier)の演じるコンスタンス役の可憐な歌声は、その美しさと健気さゆえに、ギロチンで一人ずつ斃れていくフィナーレの残酷さを一層印象付けます。
ケント・ナガノ(Kent Nagano, 1951-)の指揮も、オーケストラや合唱団から至純の響きを引き出しおり、その音色が美しければ美しいほどに、悲哀の色が増します。

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ささやかな告知
ハナゲブログ愛読者の皆様へお知らせです☆
5月29日深夜、当歌劇を解説付き上演(映像は無し)していただく予定なので、興味おありの方は知人友人ペットやぬいぐるみ等も引き連れてY方面へおいで下さいませ♪ それでは、ブログ主からも何か一言あればお願いしますね(笑)
ある晩のヴぇる君。 2009/05/29(Fri)01:33:58 編集
Re:ささやかな告知
毎度書き込み、ありがとうございます。
ヴぇる氏も、Y方面で耳にした音楽などを書き留める形でブログをされてみると、備忘録として使えるのではないでしょーか?
年月を積み重ねて振り返ってみると、なにかハッとするようなことがあるやもしれません。
2009/05/29 04:17
至悲純哀を終えて
聴後の余韻を胸に少々感想を記したく思います。
わたくしは立体感のあるフーガという曲種がわりと好物なこともあって、そうしたものとは無縁?なプーランク音楽、これまで愛でることなかったのですが、このカルメル派、物語と音楽の抜群の相性に心底感服させられました♪
終盤クライマックス、修道女たちが粛々淡々と斬首されてゆく箇所の戦慄は、ギロチンの効果音が文字通り異様な効果を醸し出してたせいもあって、ホラー慣れしてるわたくしの神経をも揺さぶり、耐久するのに必死でございました(笑)。これは考えてみると恐怖考察になり、耳だけを頼りに無情な殺戮光景を想像することで、恐怖精度が鋭く上昇したのでしょうねぇ・・。
ところでこの歌劇、初演の記録というか聴衆の反応はどんなもんだったんだろう、ご存知であればおしえて下さいませ。というのも、何らかの騒動が起きてたとしても不思議じゃないしねー。
ある晩のヴぇる君。 2009/05/30(Sat)23:08:11 編集
Re:至悲純哀を終えて
初演は意外にも1957年の1月26日にミラノ・スカラ座で、イタリア語に翻訳されて上演されたとのこと。原語での初演は同年6月21日のパリのオペラ座にて。さらに同年9月20日にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されています。
こうしたところからすると、初演当時はかなり評判になったようですネ。
2009/06/01 03:18
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