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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Johann Sebastian Bach:Toccata and Fuga in D minor, BWV565
◈François Couperin: Offetorio from Messe à l'usage de Paroisses

Gaston Litaize (Org)
(Rec. 4 July 1963, Chiesa Parrocchiale)
◈Louis Marchand:Pièces en e minor
◈Olivier Messiaen: Allelusias sereins d'une âme qui désire le ciel from L'Ascension
◈Olivier Messiaen: Transports de joie d'une âme devant la gloire du Christ qui est la sienne from L'Ascension
Gaston Litaize (Org)
(Rec. 5 February 1972, Chiesa Parrocchiale)
◈Nicolas de Grigny:Hymne Corpus Domini verbum Supernum
◈Louis-Claude Daquin: Noël No.7 en trio
Gaston Litaize (Org)
(Rec. 16 Ju1y 1975, Chiesa Parrocchiale)
◈Marcel Dupré:Jésus est condamné à mort from le chemin de la Croix
◈Louis Vierne: Impromptu
◈César Franck: Choral No.2 in B minor
Gaston Litaize (Org)
(Rec. 15 June 1985, Chiesa Parrocchiale)
◈Gaston Litaiz: Improvisations on "Victimae Paschali Laudes"
Gaston Litaize (Org)
(Rec. 16 July 1975, Chiesa Parrocchiale)



フランスのオルガンの名手であるガストン・リテーズ(Gaston Litaiz, 1909-1991)による、フランスの17世紀から20世紀の作曲家たちの作品を中心に集めたアルバムです。
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685-1750),のトッカータとフーガ(BWV565)にはじまり、フランソワ・クープラン(François Couperin, 1668-1733)の教区のためのオルガン・ミサ曲から奉献唱、ルイ・マルシャン(Louis Marchand, 1669-1732)のホ短調の小品、オリヴィエ・メシアンの《キリストの昇天》から〈天国を請い願うものの清澄なるアレルヤ〉と〈キリストの栄光をみずからのものとした魂の歓喜の高まり〉、ニコラス・ド・グリニー(Nicolas de Grigny, 1672-1703)のオルガン曲集第1巻から〈まことの御言葉〉、ルイ=クロード・ダカン(Louis-Claude Daquin, 1694-1772)のノエル第7番、マルセル・デュプレ(Marcel Dupré, 1886-1971)の《信仰の道》より〈イエスは死を言い渡される〉、ルイ・ヴィエルヌ(Louis Vierne, 1870-1937)の即興曲、セザール・フランク(César Franck, 1822-1892)のコラール第2番、そしてリテーズ本人による《復活のいけにえに賛美を》による即興演奏が収録されています。

オルガン曲の定番であるJ.S.バッハのトッカータとフーガは、音栓の指定がなされておらず、オルガニストが自由に音栓を選べる作品です。フーガの対位法的書法が薄いことから、J.S.バッハの作品ではないのではないかという声もありますが、特に日本では、この曲の冒頭部分が嘉門達夫の替え歌で使われ、人口に膾炙した名曲として知られることとなりました。本CDでは唯一のドイツ産オルガン音楽として収録されています。

F.クープランは、フランスの音楽一家の生まれで、フランス・バロック音楽の代表的人物の一人として知られている作曲家です。オルガンとチェンバロの名手だったF.クープランですが、オルガン曲は、教区用と修道院用の2曲のオルガン用ミサ曲しか残していません。本CDでは教区用のミサ曲からオッフェトリウムを抜き出して演奏しています。

メシアンは、20世紀フランスの音楽理論家で聖トリニティ教会のオルガニストとして知られた作曲家です。共感覚の持ち主としても知られており、音から色や模様を連想することができたそうです。そんなメシアンの音楽は、ドビュッシー風の音楽を出発点とし、神秘的な音楽へと発展していきました。神学にも造詣の深かったメシアンは、キリストを題材にした作品を数多く書いており、このオルガン曲も、そうした神の秘蹟に接近しようとする作品のひとつに数えられます。この《キリストの昇天》は、元々オーケストラ用に書き上げられた曲で、〈天国を請い願うものの清澄なるアレルヤ〉はオルガン用の編曲作品ですが、〈キリストの栄光をみずからのものとした魂の歓喜の高まり〉は、この曲集のために書き下ろされたオリジナルのオルガン曲です。

マルシャンはフランスの宮廷オルガニストとして名声を誇った人として知られていますが、現存する楽譜が多くなく、半ば忘れられた作曲家でした。リテーズは、そんなマルシャンの小品を取り上げることで、彼の名を音楽史に刻もうとしています。今日では、フランス・バロックの鍵盤音楽の名作曲家としてその名を知られつつありますが、その作品の全貌はまだよくわかっていないのが実情です。

グリニーもフランス・バロックの鍵盤音楽の代表的作曲家と目される人ですが、30代で早世しています。
J.S.バッハが、彼の音楽を熱心に研究していたことが知られており、ヨーロッパのオルガン音楽にかなりの影響力を持っていたことが窺い知れます。1699年に出版されたオルガン曲集は、グリニの作品として現存している唯一の作品集で、この〈まことの御言葉〉は、その中の一曲で、壮麗なフランス・バロックのオルガン音楽の格好のサンプルとなっています。

ダカンもフランス・バロックの有名なオルガニストでしたが、グリニーやマルシャンと同じように、その作品が散逸してしまっています。ノエル第7番は、峻厳なメロディを繰り返しながら、伴奏音形を変えていく作風を示しており、わずか4分弱ながら、心に訴えかける力を持った簡素さが魅力的です。

デュプレは、20世紀を代表するフランスのオルガニストの一人であり、作曲家としても、数多くのオルガン曲を残しました。最近では、そのオルガン曲を網羅的に録音しようというプロジェクトが、複数のレーベルで持ち上がっています。本CDに収録されているのは、1931年に編纂されたオルガン曲集《信仰への道》の中の〈イエスは死を言い渡される〉です。複雑に絡み合うハーモニーとせき立てるリズムが、磔の刑を宣告されたキリストの周囲のざわめきを表現しています。

ヴィエルヌもまた、リテーズと同じ盲目のオルガニストでした。オルガン交響曲の作曲で知られるシャルル=マリー・ヴィドールの弟子であり、前述デュプレの師匠でした。師匠のヴィドールとは違い、当時の音楽界の語法を積極的に吸収したヴィエルヌは、当時の教会オルガニストたちから疎まれた存在でしたが、師匠の開拓したオルガン交響曲の世界を押し広げ、オルガンの表現の近代化に一役買った人として、オルガンの歴史上重要な位置を占めています。1927年に出版された幻想的小品集の中の一曲であるこの即興曲は、ウジェーヌ・ジグー門下のオルガニストであるアンドレ・マルシャルに捧げられています。

フランクはヴィドールの前任者としてパリ音楽院でオルガンを教えていたベルギーの作曲家です。ヴィエルヌも、最晩年のフランクに弟子入りしていました。
彼の作る音楽の多くが禁欲的だったため、生前はあまり認められませんでしたが、晩年になって再評価が始まり、今日ではベルギー生まれのフランス音楽の巨匠として広く知られています。
3つのコラールは、フランクが手がけた最後の作品ですが、本CDでは、その2番目のコラールが収録されています。敬虔な祈りと寂寥感がにじみ出た音楽で、実直なリテーズの演奏ととてもよくマッチしています。

フランスのオルガン音楽は、即興演奏を重視していました。作曲家でもあったリテーズも、即興演奏を得意にしていました。このCDでは、グレゴリオ聖歌の《復活のいけにえに賛美を》を基にして即興演奏を披露しています。グレゴリオ聖歌に様々なハーモニーをあてがって、曲の印象を変容させていくという、近代の変奏にありがちなスタイルですが、突拍子もない不協和音でお茶を濁すようなことはほとんどしていません。
堅実でツボを外さないリテーズの演奏スタイルが、そのまま即興演奏にも反映されていると言えるでしょう。

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