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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Franz Schmidt: Notre Dame
Wilhelm Schlichting (Br: Der Archidiakonus von Notre Dame)
Hilde Scheppan (S: Esmeralda)
Max Poebstl (Bs: Quasimodo)
Hans Hopf (T: Phöbus)
Karl Ostertag (T: Gringoire)
Hanna Muench (Ms Die alte Falourdel)
Willy Berlin (Br: Ein Offizier)
Wolfgang Lockner (Ein Zigeuner)
Bavarian Radio Symphony Orchestra & Chorus / Hans Altmann
(Rec. 1949 München)
◈Wolfgang Amadeus Mozart: 2nd Act 'Folget der Heißgeliebten' from "Don Giovanni"
◈Wolfgang Amadeus Mozart: 1st Act 'Nur ihrem Frieden'
Hans Hopf (T)
Orchester der Staatsoper Dresden / Karl Elmendorff
(Rec. 1943)
◈Ludwig van Beethoven: 2nd Act 'Gott! Welch' Dunkel hier' from "Fidelio"
◈Richard Wagner: Graserzählung 'In Fernem Land' from "Lohengrin"
Hans Hopf (T)
Orchester der Staatsoper Dresden / Kurt Striegler
(Rec. 1946)



フランツ・シュミット(Franz Schmidt, 1874-1939)は、オーストリアの作曲家です。イニシャルがフランス人作曲家のフローラン・シュミットと同じだということで、時々混同されます。
フランツ・シュミット交響曲や室内楽曲、オルガン曲などで手堅い作品を残しましたが、オペラも書いていて、その分野では、この《ノートル・ダム》(1904-1906年)が代表作とされています。

ヴィクトル・ユーゴーの『ノートル・ダムのせむし男』を原作とするフランツ・シュミットの《ノートル・ダム》は、作曲者自身とと作曲家の友人でアマチュア詩人のレオポルド・ウィルクの二人で台本が書き上げられています。
オペラ作りになれていなかった二人は、とりあえず自らの音楽のモチーフとして先に間奏曲を書き上げてヒロインのエスメラルダのイメージを膨らませ、エスメラルダを物語の中心に据えた筋書きに原作を作り変えて発表しています。
このオペラの話は、大まかに以下のとおり。
時は15世紀のパリ。
・第一幕
カーニバル運営役員、警備員のフェビュスと、詩人でジプシー生活をしているグランゴワールがカーニバルの夜のダンス舞台を設営しているところに、グランゴワールが怪しいジプシー女を捕まえます。その女がエスメラルダで、フェビュス彼女に一目ぼれしてしまいました。
エスメラルダは、ノートルダム教会の司教の手にゆだねられることになるはずでしたが、すんでのところでフェビュスは彼女を釈放し、デートの約束にこぎつけます。
カーニバルでは、ノートルダム教会の鐘楼番のせむし男クァジモドが、カーニバルの「アホな法王」に選ばれましたが、彼の身元引受人はノートルダム教会の司教でした。司教は、この「アホな法王」企画に怒り、カーニバルの中止を宣言するのでした。
グリンゴワールは、エスメラルダに惚れてしまったらしく、どうすればいいか迷っていましたが、司教は「フェビュスとジプシー女を殺しちゃえよ」とグリンゴワールをそそのかします。そして、グリンゴワールは、フェビュスの家に忍び込み、エスメラルダと乳繰り合っているフェビュスを殺し、エスメラルダは命からがら、その場から逃げました。

・第二幕
エスメラルダは、フェビュス殺人の濡れ衣を着せられ、逮捕されてしまいました。
司教は殺人罪を犯したジプシー女は死刑にすべしという判決を下し、自分の女になれば判決を取り消してやらんでもないそぶりをみせます。しかし、エスメラルダは言うことをきかなかったため、エスメラルダを魔女だということにし、死刑判決にダメ押しをしました。
そこにクァジモドがやってきて暴れ出し、エスメラルダを連れ去ります。クァジモドは、司教が不正を働いたことを知り、エスメラルダを助けようとしたのでした。クァジモトは必死にエスメラルダを匿いますが、クァジモトが目を離した隙にエスメラルダは捕らえられ、処刑されてしまいました。クァジモトは、エスメラルダの敵として、司教を鐘楼の塔から突き落としました。
本CDのキャストは以下のとおりです。

・ヴィルヘルム・シューリヒティンク (ノートルダム寺院の司教)
・ヒルデ・シェッパン (エスメラルダ)
・マックス・プレープストル (クァジモド)
・ハンス・ホップ (フェビュス)
・カール・オステルターク (グランゴワール)
・ハンナ・ミュンヒ (ファローデル:フェビュス家の女主人)
・ウィリー・ベルリン (役人)
・ヴォルフガング・ロックナー (ジプシー)
    バイエルン放送交響楽団&合唱団/ハンス・アルトマン
このオペラは1914年に初演されたものの、1920年ごろには上演されなくなり、戦後にウィーン国立歌劇場で取り上げられて歌劇場の演目として復活した作品です。従って、この録音は、活発にリバイバルされていた頃のものということになります。
アルトマン(Hans Altmann, 1904-1961)指揮するバイエルン放送交響楽団の面々は、オイゲン・ヨッフムを首席指揮者に迎えて演奏活動を開始したばかりなので、第一幕のはじめこそヨタヨタとしていますが、オペラの開始から9分ほどたち、ホップ(Hans Hopf, 1916-1993)が「素敵な優美さで」と歌いだす頃にはシュミットの豊満なオーケストレーションをたっぷりとした音で堪能させてくれます。
グリンゴワール役のオステルターク(Karl Ostertag, 1903-1979)の歌唱も、臆病風に吹かれやすく、権力にすぐにおもねる役柄を髣髴させる声で歌っており、第一幕の、フェビュスたちを探すアリア「誰もいない」など、飄々とした味わいを醸しだしています。
クァジモドを歌うプレープストル(Max Poebstl, 1913-1973)も、第2幕ではシューリヒティンク(Wilhelm Schlichting)の歌う司教と迫真の鬩ぎ合いを繰り広げており、このオペラのドラマティックな側面に深い鋤を入れています。シェッパン(Hilde Scheppan, 1907-1970)の歌うエスメラルダ役も、表現をよく練り上げていますが、恋する乙女の初々しさはあまりありません。しかし、彼女の歌唱は、オペラが進展するに従って、彼女の置かれたシチュエーションに馴染むようになり、第二幕においては説得力の強い歌唱として心に残るようになります。

このCDには、余白にホップの歌うアリア集が収録されており、若かりし頃の彼の声の威力を堪能できますが、カール・エルメンドルフ(Karl Elmendorff, 1891-1962)やクルト・シュトリーグラー(Kurt Striegler, 1885-1958)といった、第二次世界大戦中から戦後にかけてのオペラ業界を支えた名指揮者達のバッキングを聴くことができるという点でも、歴史的価値のあるボーナス・トラックです。

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