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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Giacomo Puccini: La Bohème
Daniela Dessì (S: Mimi)
Giuseppe Sabbatini (T: Rodolfo)
Paolo Gavanelli (T: Marcello)
Alfonso Antoniozzi (Br: Schaunard)
Carlo Colombara (Bs: Colline)
Adelina Scarabelli (S: Musetta)
Giuseppe Zecchillo (Bs: Benoît)
Gastone Sarti (Bs: Alcindoro)
Danilo Scardella (T: Parpignol)
Alfonso Marchica (Bs: Sergente dei Doganieri)
Piccolo Coro dell'Antoniano (Chorus master: Mariere Ventre)
Coro del Teatro Comunale di Bologna (Chorus master: Piero Monti)
Orchestra del Teatro Comunale di Bologna / Gianluigi Gelmetti
(Rec. April 1990, Teatro Comunale, Bologna) Live Recording



ジャンルイジ・ジェルメッティ(Gianluigi Gelmetti, 1945-)は、フランコ・フェラーラやハンス・スヴァロフスキーといった指揮法の名教授だけでなく、セルジュ・チェリビダッケの薫陶も受けたイタリアの指揮者です。
コンサートでは、時々手抜きをすることで知られる楽天家ですが、オペラ指揮者としては、ジョアキーノ・ロッシーニをはじめとするイタリア・オペラの名手として知られています。
本CDで演奏されるジャコモ・プッチーニ(Giacomo Puccini, 1858-1924)の《ラ・ボエーム》は、ジェルメッティの得意演目の一つとして知られるものですが、本CDの目玉は、1988年に発表された、フランチェスコ・デグラータによる批判校訂版を使っていることにあります。この批判校訂版では、プッチーニの手書き原稿にまでさかのぼり、出版の際に省かれた指示や音符などを適宜加えたエディションとのこと。これまで録音や演奏に使われていた譜面を大改訂したものではありませんが、プッチーニ・ファンにとっては気になるアイテムなのではないでしょうか?

プッチーニは、イタリアの音楽家の家系に生まれた作曲家です。
家系は宗教音楽の家系でしたが、彼は宗教音楽の道へは結局進まず、オペラ作曲家として成功を収めています。
オペラ作曲家としてのプッチーニの存在の大きさは、毎年世界のどこかので彼の歌劇が上演されていることからも伺えますが、《ラ・ボエーム》は、そんなプッチーニのオペラの中でも飛び切りの人気作です。
1896年の2月1日にアルトゥーロ・トスカニーニの指揮でトリノにおいて初演されて以来、世界各地の歌劇場で上演されています。

このオペラの元ネタは、アンリ・ミュルジュの『ボヘミアンの生活』という短編小説です。
元々、この短編小説のオペラ化は、ルッジェーロ・レオンカヴァッロがもちかけてきたものでした。しかし、プッチーニはレオンカヴァッロの申し出を蹴り、レオンカヴァッロは自分でオペラを書き上げることにしました。
プッチーニのほうは、レオンカヴァッロの話を蹴ったものの、結局ミュルジュの原作を元にオペラを書くことを思い立ち、ルイージ・イッリカ(Luigi Illica, 1857-1919)とジュゼッペ・ジャコーザ(Giuseppe Giacosa, 1847-1906)の台本でオペラを書くことになりました。プッチーニは、何度も2人の台本作りに介入し、あれこれと注文をつけて台本作家たちを困らせたそうです。その甲斐あってか、このオペラはプッチーニ自身のとりわけお気に入りのオペラとなりました。
《ラ・ボエーム》の筋書きは、以下の通りです。

1830年のパリ。

・第1幕
さるアパートの屋根部屋に、売れない詩人のロドルフォと、売れない画家のマルチェロが共同で住んでいる。
貧しい二人は寒さに耐え切れず、ロドルフォのボツ原稿を暖炉にくべて暖を取る。そこに友人で哲学者のコリーネが、仲間の音楽家であるショナールをつれてやってくる。ショナールはお金を稼ぐことが出来、暖炉用の薪と食料を差し入れにやってきたのだった。一同はショナールの持ち込んだ食料でパーティーをはじめてしまう。
ドンちゃん騒ぎを聞きつけた大家のベノワが家賃を取り立てに来るが、一同はベノワから浮気の話を引き出し、その浮気話をネタに追い返してしまった。
勢いづいた仲間たちは、カフェ・モミュスに行こうするが、ロドルフォは仕事が残っているので、仲間たちを先にカフェ・モミュスへとやるのだった。
ロドルフォが仕事をしていると、同じアパートに住むミミが部屋の明かりを借りにやってくるが、息切れでその場に倒れこんでしまう。意識を取り戻し、明かりをもらったミミは一旦部屋に戻ろうとするが、ロドルフォの部屋で鍵を落としたことに気付き、戻ってくるのだった。
ミミに一目ぼれしたロドルフォは、ミミの鍵を探す手伝いをする振りをしながら、ミミの手に触れ、自分の自己紹介をする。ロドルフォの自己紹介にミミも応え、ミミも自己紹介をする。二人は意気投合し、連れ添ってカフェ・モミュスへと向かうのだった。

・第2幕
ロドルフォはミミを連れて、カフェ・モミュスで友人たちと落ち合う。
みんなで食事をしているときに、ちょうどマルチェロの元恋人のムゼッタが、金持ちのアルチンドロと共に現れる。
マルチェロとよりを戻したいムゼッタは、マルチェロをしきりに誘惑し、アルチンドロを自分から遠ざける。
アルチンドロがムゼッタの靴を買いに行っているあいだに、ムゼッタとマルチェロは復縁し、ムゼッタは、食事のツケをアルチンドロにへのツケにすることにした。
みんながいなくなった後、アルチンドロは給仕から請求書を受け取り、その額の多さに愕然とする。

・第3幕
第二幕の情景から1年後のダンフェール門の関税所前。
咳がひどくなったミミが、咳き込みながら、マルチェロとムゼッタがアルバイトしているカフェを訪ねる。ミミは、マルチェロに、最近のロドルフォの素っ気無さを相談に来たのだった。ロドルフォは、マルチェロのバイト先で眠りこけている。
マルチェロがミミの話を聞いているうちに、ロドルフォが目を覚まし、店の外に出てきた。あわててミミは隠れ、マルチェロは、ロドルフォに何故ミミに冷たくするのか問い質した。
ロドルフォ曰く、ミミの肺の病気が悪くなっており、自分と一緒に暮らしていたのでは長くもたないことを打ち明ける。ロドルフォは、ミミと別れたくないが、彼女の幸せを思うならば、あえて別れた方がいいと考えているのだ。
物陰で一部始終を聞いていたミミは、思わず咳き込んでしまい、ロドルフォに気付かれてしまう。
マルチェロは、カフェの中でムゼッタが嬌声をあげるので、ムゼッタが浮気しているものと思い、怒ってカフェの中に戻っていった。
ミミはロドルフォの気遣いを受け入れ、ロドルフォに別れ話を切り出す。涙ながらに別れを告げる二人の裏で、ムゼッタとマルチェロが喧嘩別れを演じるのだった。

・第4幕
ミミとロドルフォ、ムゼッタとマルチェロが別れて数ヵ月後。ロドルフォとマルチェロはまたもとの共同生活に戻ったが、別れた恋人のことを思うと、仕事がはかどらない。
そこにショナールがコリーネを連れて、食料の差し入れにやってくる。ショナールとコリーネは悪ふざけをしながら食事をしているが、そこにムゼッタがミミをつれてやってくる。
金持ちの愛人になっていたミミだったが、どうしてもロドルフォのことが忘れられず、ロドルフォに最期を看取って欲しくてムゼッタに連れてきてもらったのだった。
ムゼッタは医者を呼ぶためにイヤリングを質に入れ、コリーネも医者代を工面すべく自分の外套を質に入れるために、ショナールを連れて外に出て行った。
ミミと二人きりになったロドルフォは出会った頃のことを思い出して語り合う。そのうちにみんな戻ってきて和やかな雰囲気になる。ムゼッタは聖母マリアにミミの命を救ってくれるよう祈る。ミミはみんなの善意に感謝しながら眠りにつくが、ロドルフォがミミのために窓からさしこむ光の量を調節している間に、ミミは静かに天に召されていった。
ショナールがそれに気づき、そっとみんなに打ち明ける。みんなが急に黙りこくってしまったのを察したロドルフォは、ミミの死に気付き、泣き崩れるのだった。
配役は以下の通りです。

ダニエラ・デッシー (ミミ)
ジュゼッペ・サッバティーニ (ロドルフォ)
パオロ・ガヴァネッリ (マルチェロ)
アルフォンソ・アントニオッツィ (ショナール)
カルロ・コロンバラ (コリーネ)
アデリーナ・スカラベッリ (ムゼッタ)
ガストーネ・サルティ (ベノワ)
ダニロ・スカルデッラ (パルピニョール)
ティジアーノ・トマッソーネ(税官吏)
アルフォンソ・マルチカ (巡査部長)
ボローニャ市立劇場合唱団 (合唱指揮:ピエーロ・モンティ)
アントニアーノ少年合唱団 (合唱指揮:マリエーレ・ヴェントレ)
ボローニャ市立歌劇場管弦楽団/ジャン・ルイジ・ジェルメッティ
ジェルメッティの指揮はロドルフォやマルチェロたちのアンサンブルではあっさりと演奏していますが、これはおそらくデグラータ校訂版の仕様でしょう。
サッバティーニ(Giuseppe Sabbatini, 1957-)の歌う第一幕のロドルフォの自己紹介用アリア〈冷たい手を〉とデッシー(Daniela Dessì, 1960-)の歌う〈私はミミ〉では歌手の細かな表情付けにピッタリとくっつき、伴奏指揮の名手振りを発揮します。
サッバティーニは、往年のジュゼッペ・ディ・ステファノのような圧倒的な甘美さはありませんが、その歌い口は知的な青年を想起させます。
また第4幕でのコリーネのアリア〈さらば古い外套よ〉は、新進気鋭のコロンバラ(Carlo Colombara)の深い声が哲学者としての思索を感じさせ、このオペラに一層の味わいを加えています。
ライヴ録音なので、サウンド・バランスがオーケストラ寄りだったり、第二幕の冒頭でやや合唱が混乱気味になったりするなどの小さな瑕疵はありますが、おそらくオペラ上演としては上々の成功だったのではないでしょうか。

なお、本CDにはリブレットはついておらず、ブックレットには、大まかなオペラのあらすじだけが掲載されています。

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