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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Jani Christou: Enantiodromia für Orchester
Oakland Symphony Orchestra / Gerhard Samuel
(Rec. Unknown)
◈Jani Christou: Praxis für Streichorchester und Klavier
Georges Pludermacher (Pf)
Rundfunkorchester Hannover des NDR / Michel Tabachnik
(Rec. Unknown)
◈Jani Christou: Epicycle
Yani Christou
(Rec. Unknown)
◈Jani Christou: Anaparastasis III "The Pianist"
Grigoris Semitekolo (Actor)
Ensamble "musik unserer zeit" / Theodore Antoniou
(Rec. Unknown)
◈Jani Christou: Mysterion, Prologue und Sprechertext
Jani Christou Archive
(Rec. Unknown)
◈Jani Christou: Anaparastsasis I "The Bariton"
Spyros Sakkas (Br)
Chor des Bayerischen Rundfunks
Sinnhofer Quartett
Ensamble "musik unserer zeit" / Jaroslav Opela
(Rec. Unknown)
◈Jani Christou: Praxis for 12 für 11 Streicher und einen Pianisten
Orchestra da Camera dell'Accademia / Piero Guarino (Pf)
(Rec. Unknown)



エジプト生まれのギリシャの作曲家であるヤニ・フリストウ(Jani Christou, 1926-1970)の1960年代の作品集。
オーケストラのための《相反》(1965-1968年作)、弦楽オーケストラとピアノのためのプラクシス(1966-1969年作)、テープ音楽の《周転円》(1968年作)、アナパラスタシスⅢ《ピアニスト》(1969年作)、《ミステリオン》(1965-1966年)、アナパラスタシスⅠ《バリトン》(1968年作)、11弦楽器とピアノのためのプラクシス(1966年作)が収録されています。
フリストウは、晩年になっていきなり吹っ切れ、何をしでかすかわからない奇抜な作品を生み出すに至りますが、これからより一層の活躍が期待された矢先にアテネで交通事故死しています。

ゲルハルト・ザムエル(Gerhard Samuel, 1924-)指揮するオークランド交響楽団の演奏する《相反》は、弦楽器のかすかなトレモロから音の塊を思い切り聴き手にぶつけてくるような暴力的音響に至るまで、オーケストラの表現力を心行くまで楽しませてくれます。ただし、あくまで音響作品なので、メロディアスな音楽ではありません。
ジョルジュ・プリュデルマシェ(Georges Pludermacher, 1944-)をソリストに立て、ミシェル・タバシュニク(Michel Tabachnik, 1942-)指揮するハノーファー放送管弦楽団が演奏したプラクシスも、弦をむしるようなピッツィカートや、弾きながら弦の調弦をいじったり、楽器の胴体をたたいたりといった特殊奏法を果敢にこなしています。プルデルマシェのピアノもオーケストラに劣らずぶっ飛んでいて、ピアノの内部をいじって独特な音響を作り出しています。この曲は、本CDの最後のトラックにアカデミア室内管弦楽団(ネヴィル・マリナーの創設したのとは別団体)とピエロ・グアリーノ(Piero Guarino)の弾き振りの録音が収録されており、このグアリーノのほうが、奏者が少ない分緻密なテクスチュアを楽しむことが出来ると思います。
テープ音楽である《周転円》と《ミステリオン》は、ルイジ・ノーノ風の音作りが微笑ましくもあり、お行儀が良すぎる気もします。
アナパラスタシス―英語に直すと”re-enactment”となり、「再上演」もしくは「立法の再制定」という意味になります―の2作品では、「われらの時代の音楽」という言葉を冠したアンサンブルが演奏しています。
第3番の《ピアニスト》は、演技者と器楽アンサンブルとテープ音楽のための作品で、第1番の《バリトン》は、バリトン歌手と合唱と器楽アンサンブルのための作品です。第3番のほうの演技者はグリゴリス・セミテコロ(Grigoris  Semitekolo)、テオドーレ・アントニオウ(Theodore Antoniou)が指揮しています。
第1番のほうでは、上記アンサンブルのほか、スピロス・サッカス(Spyros Sakkas)のバリトンとバイエルン放送合唱団、ジンホッファー四重奏団が共演しており、ヤロスラフ・オペラ(Jaroslav Opela)が指揮をしています。
これらの作品から導き出される音響の演出は、まるで音に虐げられ、痛めつけられる人々であり、人間がコントロールしているはずの音に、人間が翻弄されているという逆説を聴き手に突きつけています。
こうした音楽のあり方に対するメタ的な問いかけは、1960年代から1970年代に頻繁になされましたが、フリストウも、相したムーヴメントに組しようとしたのでしょう。
このアナパラスタシスの連作を、フリストウは自分のライフワークにしようとしましたが、突然の交通事故死によって、そのキャリアは絶たれてしまいました。

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