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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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・Anton Bruckner: Symphony No.9 in D minor
Münchener Philharmoniker / Siegmund von Hausegger
(Rec. April 1938)



アントン・ブルックナー(Anton Bruckner, 1824-1896)は、オーストリアの作曲家で、9曲(実際は11曲)の巨大な交響曲を書き上げたことで広く知られている人。その交響曲は、大概一時間を越えます。また、それぞれの交響曲を、ほぼ同じようなコンセプトで作曲しているのも、交響曲作家としてのブルックナーの大きな特色です。
さらに、ブルックナーの交響曲は、改訂作業が多いことでも良く知られています。初演時の評判や、弟子たちの進言などによってことあるごとに改訂を施しており、また弟子が勝手に改竄して演奏していたという事実もあって、版の問題が大変複雑になっています。

ブルックナーは、1887年の夏ごろにこの曲の作曲に着手していましたが、体調が次第に悪化して歩行が困難になり、1895年には皇帝フランツ・ヨーゼフの計らいでベルヴェデーレの宮殿に引っ越します。この宮殿で、なくなるその日まで作曲活動に精を出していました。生前、もはやこの曲を完成できないかもしれないと予感したブルックナーは、弟子たちに「今作っている交響曲が未完成に終わったら、フィナーレの代わりに、自分のテ・デウムを演奏してくれ」と言い残しています。
結局第4楽章は未完成に終わり、今日では、完成した第3楽章までを演奏するのが慣わしになっています。一方で、第4楽章を完成させようという試みもなされ、ブルックナーの自筆譜の捜索などを通して復元・補筆が進められています。
しかし、20世紀初頭までは、ブルックナーの弟子のフェルディナント・レーヴェによる改訂版で演奏され、出版譜は、このレーヴェの改訂版が初版として出版されていました。
アルフレッド・オーレルが、レーヴェが改訂する前のブルックナーの原典版を発表したのが1932年のことで、ジークムント・フォン・ハウゼッガー(Siegmund von Hausegger, 1872-1948)の指揮するミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団が、この原典版を初演しました。本録音は、初演から6年後に行われた、本交響曲の初録音です。そして、この録音を行った年に、ハウゼッガーは指揮活動からの引退を表明したのでした。

ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団といえば、セルジュ・チェリビダッケが首席指揮者を務めていたことでよく知られているオーケストラですが、ハウゼッガーは1920年から1938年までこのオーケストラの首席指揮者を務めていました。ハウゼッガーが着任したころ、このオーケストラはカイム管弦楽団と呼ばれていて、現在の故障になったのは、1928年になってからのことです。
このころのミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団は、地方の有力オーケストラといった感じでしたが、ハウゼッガーの指揮の下でよく整った演奏を繰り広げています。
第二楽章のスケルツォでは、アンサンブルの限界が見え隠れするものの、全曲の印象は、あっさりと纏めた感があります。当時のオーケストラの流儀なのか、ところどころで弦楽器がポルタメントをかけていますが、テンポをあまり伸縮させず厳格に演奏しているため、場違いな色気が振りまかれることはありません。

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