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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Richard Strauss: Sonata for Piano in B minor, op.5
Glenn Gould (Pf)
(Rec. 2 July & 1-3 September 1982, RCA Studio, New York City)
◈Richard Strauss: Five Piano Piece, op.3
Glenn Gould (Pf)
(Rec.6 August & 5 September 1979, Old St. Larewnce Hall & Eaton's Auditorium, Toront)



グレン・グールド(Glenn Gould, 1932-1982)はカナダの鬼才として知られたピアニスト。
1964年に演奏会を開くことを止め、ひたすらスタジオで録音活動に励んでいた彼ですが、本CDに収録されているリヒャルト・シュトラウス(Richard Strauss, 1864-1949)のピアノ・ソナタが、ピアニストとしてのラスト・レコーディングとなりました。
R.シュトラウスは、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンやヨハネス・ブラームスを敬愛する父親から徹底的な音楽教育を施され、10代にして熟練の作曲技巧を身につけた人でした。
ピアノ・ソナタは、合計3曲ほど書いていますが、そのうちの2つは習作であり、1881年に作られたロ短調の作品が、R.シュトラウスのピアノ作品の代表作として知られることとなりました。
このピアノ・ソナタは、全部で4つの楽章からなり、ベートーヴェンの交響曲第5番のモチーフを冒頭で使ってる点が興味を引きます。R.シュトラウスにしてみれば、交響曲を書くのと同じ気概でピアノ・ソナタを書くという気合の注入の意味合いもあったのでしょう。フェリックス・メンデルスゾーンの作品を髣髴とさせる、滑らかなピアノのフィギュレーションや、ロベルト・シューマンを思わせる濃厚なメロディ・ラインなど、父親の影響が強く感じられますが、この重厚にして華麗な筆致は、後々のR.シュトラウスの豪華絢爛なオーケストラ作品の登場を予感させるには十分です。
グールドは、こうした重箱出来のピアノ・ソナタによほど興味をそそられたのか、彼特有の鼻歌を大いに交えながら、まるで交響曲でも演奏しているかのようなドラマをこの曲に見出しています。
この録音の頃から、グールドは脳梗塞の兆候が出始め、この録音が終わったおよそ一ヵ月後に亡くなることになります。

op.3の5つの小品は、1979年に録音されたもの。
こちらのほうは、ピアノ・ソナタほど肩肘張った音楽ではなく、気軽に書いたサロン用の作品です。
しかし、グールドはサロン用の作品であれ、そこにドラマティックな所作を見つけ、音楽を盛り上げようと奮闘しています。
彼ならではの解像度の高いタッチで弾かれると、くつろいだ雰囲気が失せてしまい、どこか挑みかかるような演奏になってしまいます。
敢えてサロン的雰囲気に背を向けているのでしょうか?

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