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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Alfredo Catalani: La Wally
Renata Tebaldi (S: Wally)
Silvio Majonica (Bs: Strominger)
Giacinto Prandelli (T: Hagenbach)
Jolanda Gardino (Ms: Afra)
Pinuccia Perotti (S: Walter)
Dino Dondi (Br: Gellner)
Dimitri Lopatto (Bs: An Old Soldier)
Roma RAI Orchestra & Chorus / Arturo Basile
(Rec. 20 October 1960, Roma) Live Recording with Applause



アルフレッド・カタラーニ(Alfredo Catalani, 1854-1893)は、イタリアの作曲家です。同郷のジャコモ・プッチーニより4歳ほど年上で、生前はプッチーニのライバルとされていました。
そのカタラーニが最後に完成させたオペラが、1892年にスカラ座で発表された、この《ワリー》です。
カタラーニは、この《ワリー》の出来に満足し、この作品を携えて故郷のルッカに錦を飾りますが、翌年旅行先のミラノで急死してしまったということです。

カタラーニの《ワリー》の題材は、ヴィルヘルミネ・フォン・ヒレルンの『禿鷹のワリー』という小説が原作で、ルイージ・イッリカ(Luigi Illica, 1857-1919)が台本化してカタラーニに提供したものです。このオペラは4幕からなり、その話の内容は以下のとおりです。

19世紀初頭のチロル地方でのお話。

第1幕

チロルのホーホシュトッフ村で、射撃大会が行われ、隣村の若者ハーゲンバッハが熊をしとめて優勝を飾った。
村の人々が口々にハーゲンバッハを射撃の名手として褒め称えるので、ハーゲンバッハは調子に乗り、自慢話を始めてしまった。それを見ていた地主のシュトロミンガーは、ハーゲンバッハを諌めたが、シュトロミンガーの「お前だけが名手ではない」という言葉にカチンときたハーゲンバッハはシュトロミンガーを突き倒した。
あわや乱闘騒ぎになりそうなときに、シュトロミンガーの娘であるワリーが現れて喧嘩を抑えたが、このとき、ハーゲンバッハはワリーに一目ぼれをしてしまう。
シュトロミンガーは、ワリーがハーゲンバッハに気があることを知り、いけ好かないハーゲンバッハと結婚させるより、村の若者のゲルナーに結婚させようと目論む。しかし、ワリーはゲルナーを邪険に扱う。
シュトロミンガーは、「ゲルナーと結婚するか、家を出て行くかのどちらかを選べ」というので、ワリーは家を出て行ったしまった。

第2幕
ワリーが家を出て一年後、シュトロミンガーはなくなり、ワリーは村に戻ってくる。
ハーゲンバッハは、村の居酒屋の娘アフラと婚約していた。しかし、ハーゲンバッハは、村に戻ってきたワリーを高慢ちきな女呼ばわりし、「あの女の鼻を明かしてやろう」と言うが、アフラは「人の心をもてあそんではいけない」とハーゲンバッハを諭す。
そこにワリーが着飾ってやってきて、村人たちと気さくに踊りに興じるが、ワリーがハーゲンバッハとアフラが婚約していることを知って機嫌をそこね、アフラの出す酒に文句をつけてアフラを泣かせてしまう。ハーゲンバッハは、アフラの仇をとるために、村の男たちと、「ワリーのキスを奪ったら10フィオーリだ!」と賭けを持ちかける。
ハーゲンバッハは、ワリーと踊り、口説き落としてワリーからキスを奪うが、キスをした瞬間「アフラの仇をとった!」とハーゲンバッハが叫んだので、ワリーは村人たちの笑いものになってしまった。
屈辱を味わったワリーは、かつて自分に結婚を申し込んできたゲルナーを見つけ、「もしも私をまだ愛しているのなら、ハーゲンバッハを殺して頂戴」と、依頼するのだった。

第3幕
ワリーが自宅で落ち込んでいると、ハーゲンバッハがワリーに謝りにくるという。老兵士からハーゲンバッハがワリーの家に行くという情報を貰ったゲルナーは、ワリーの家に通じる橋の陰で待ち伏せすることにした。
ワリーは、気を取り戻して、ハーゲンバッハを許す気になり、ゲルナーへのハーゲンバッハの殺人依頼を取り消そうと思ったが、ハーゲンバッハが橋を渡っているときに、ゲルナーがハーゲンバッハを急襲し、ハーゲンバッハを橋の上から突き落としてしまった。ワリーがその叫び声を聞きつけて橋にやってくると、ゲルナーがワリーに「ヤツを橋から突き落とした」という。ワリーは、ゲルナーを卑怯者呼ばわりし、橋の下で気を失っているハーゲンバッハを助け出した。ワリーは、ハーゲンバッハの頬にキスをし、「キスは返してもらった」といって彼をアフラに引き渡すのだった。

第4幕
村を後にしたワリーは、親友の少年ヴァルターと一緒に山を越えようとする。しかし、ここから先は一人で旅立とうと決心したワリーは、ヴァルターを村に返し、険しい雪山の道を歩き続けていた。そこにハーゲンバッハが追いついてきて、ワリーに愛の告白をする。ワリーも、ハーゲンバッハにゲルナーをけしかけたのが自分であることを白状し、お互いを許しあう。熱く抱擁した二人は、村に戻ろうとするが、そのとき山の天気が荒れ、帰り道を探していたハーゲンバッハは、ワリーの目の前で雪崩に巻き込まれて断崖へと落ちてしまった。ワリーも、ハーゲンバッハの後を追うように、断崖へと身を投げる。

なお、イタリアの名指揮者として知られたアルトゥーロ・トスカニーニは、カタラーニの親友です。このオペラに感銘を受けたトスカニーニは、自分の娘に、このオペラのヒロインにちなんだ名前をつけ、カタラーニとの友情の証としました。

本CDのキャストは以下のとおり。

レナータ・テバルディ (ワリー)
シルヴィオ・マジョニカ (シュトロミンガー)
ジャチント・プランデッリ (ハーゲンバッハ)
ヨランダ・ガルディーノ (アフラ)
ピヌッチャ・ペロッティ (ヴァルター)
ディーノ・ドンディ (ゲルナー)
ディミトリ・ロパット (老兵士)
   ローマ・イタリア放送管弦楽団&合唱団/アルトゥーロ・バジーレ

ワリー役は、テバルディ(Renata Tebaldi, 1922-2004)が得意とした演目の一つで、第1幕でシュトロミンガー家を出る決意をする時に歌われるアリア〈さらば、私の故郷の家よ〉は神々しい魅力を感じさせます。
相手役のプランデッリ(Giacinto Prandelli, 1914-)は、ゲルナー役のドンディ(Dino Dondi, 1925-)やシュトロミンガー役のマジョニカ(Silvio Majonica)らと比べると、やや表情が硬い気がします。
バジーレ(Arturo Basile, 1914-1968)の指揮は、アンサンブルを引き締めながら歌手の呼吸にしっかりとついていくという職人芸。非の打ち所が見つからない、劇場人ならではの至芸でしょう。

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