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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Karol Szymanowski: Violin Concerto No.1, op.35
Eugenia Umińska (Vn)
Philharmonia Orchestra / Grzegorz Fitelberg
(Rec. 27 December 1945)
◈Karol Szymanowski: Symphony No.4, op.60 "Symphonie Concertante"
Karol Szymanowski (Pf)
Philharmonia Orchestra / Grzegorz Fitelberg
(Rec. 19 January 1933)
◈Mieczysław Karłowicz (arr. Grzegorz Fitelberg): Episode at a Masquerade
Polish Symphony Orchestra / Grzegorz Fitelberg
(Rec. Unknown)
◈Sergei Prokofiev: Symphony No.1 in D major, op.25 "Classical Symphony"
Polish Symphony Orchestra / Grzegorz Fitelberg
(Rec. Unknown)
◈Johan Sebastian Bach (arr. Grzegorz Fitelberg): Aria on String G from BWV1068
Polish Symphony Orchestra / Grzegorz Fitelberg
(Rec. Unknown)



ポーランド人指揮者のグジェゴシュ・フィテルベルク(Grzegorz Fitelberg, 1879-1953)をフィーチャーしたCDです。本CDでは、グレゴール・フィテルベルク(Gregor Fitelberg)という、西欧風の綴りになっていますが、作曲家のカロル・シマノフスキ(Karol Szymanowski, 1882-1937)の名前がSzymanovskyになっているのは、単純なスペル・ミスかと思われます。
また録音年代の表記もアバウトかつ不正確で、1947年から1953年の間の録音ということになっていますが、シマノフスキがピアノを弾いている断片的な録音は、シマノフスキが1937年に亡くなっているので、1947年の録音だということはあり得ません。
こうしたアバウトさは、音源自体の信頼性も損ないかねないので、注意してほしいものです。

閑話休題。
フィテルベルクはシマノフスキらが旗揚げした「若きポーランド」という集団の一員でした。そのため、シマノフスキらポーランドの作曲家の作品については、第一人者としての自負があります。
特にシマノフスキとの結びつきは強く、本CDでも、上記の作曲者自身のピアノ独奏による交響曲第4番の録音が断片ながら収録されています。シマノフスキ自身ピアニストとして活動し、この曲を世界各国で演奏していたので、このコペンハーゲンでの演奏も、貫録のある演奏になっています。フィテルベルクの指揮ともども覇気のある演奏なので、完全な形での録音があれば、何としても聴いてみたいです。

1916年作のヴァイオリン協奏曲第1番は、クロード・ドビュッシーの音楽のような色合いに彩られた作品です。
1924年にワルシャワにて、ヨーゼフ・オズィミニスキのヴァイオリン独奏とエミール・ムウィナルスキ指揮するワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団で初演されました。さらに二年後に、盟友のパヴェウ・コハンスキがアメリカでレオポルト・ストコフスキーの率いるフィラデフィア管弦楽団とアメリカで演奏してから、作品が高く評価されるようになりました。
本CDでは、エウゲニア・ウミンスカ(Eugenia Uminska, 1910-1980)がヴァイオリン独奏を務めています。ウミンスカは、チェコのオタカール・シェフチークや、ルーマニア人ヴァイオリニストのジョルジェ・エネスクらの薫陶を受け、ポーランドにおける名ヴァイオリニストとして大成した人です。彼女は、第二次世界大戦中はレジスタンスとして活躍した気骨のある人であり、曲の内面をえぐり出すようなソロは、歴史的演奏としてのドキュメント的価値を超えて、大変聴きごたえのある演奏になっています。
本演奏では、フィテルベルクはフィルハーモニア管弦楽団を指揮していますが、細かい部分は名手揃いのオーケストラのメンバーたちの個人技に任せ、散漫さと自由自在さのギリギリのところで、オーケストラをコントロールしています。
なお、フィテルベルクとウミンスカは、その後ポーランド放送交響楽団と、この曲を再録音しており、第2番のヴァイオリン協奏曲の演奏も残しているとのことです。第1番の協奏曲の録音はCDで復刻されたことがありますが、第2番の協奏曲のほうは、まだ復刻されていないようです。

シマノフスキには、ミエチスワフ・カルウォヴィチ(Mieczysław Karłowicz, 1876-1909)というライバルがいました。
彼はシマノフスキ以上の才能の持ち主だといわれていました。登山を趣味にしていたカルウォヴィチですが、ポーランドのタトラ山脈を登頂中に雪崩に遭い、あっけない最期を遂げてしまいました。
本CDに収録されている交響詩《仮面舞踏会のエピソード》は、カルウォヴィチの遺作であり、フィテルベルクが補筆することで、完成にこぎつけました。
カルウォヴィチは、ヴァーグナーを尊敬しており、ドラマティックなオーケストレーションを好んでいましたが、本演奏では、フィテルベルクが自分の手兵であるポーランド放送交響楽団を自在にドライヴさせています。

本CDでは、「若きポーランド」にまつわる作曲家のほかに、セルゲイ・プロコフィエフ(Sergei Prokofiev, 1891-1953)の交響曲第1番《古典交響曲》とヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johan Sebastian Bach, 1685-1750)のG線上のアリアが演奏されています。これらの演奏は、ポーランド放送交響楽団との録音ですが、プロコフィエフの交響曲は、経年劣化のためか、高音部が耳障りな音に変化しており、曲を鑑賞するには支障があります。
演奏自体は、細かいことのこだわらないおおらかな演奏です。
J.S.バッハのG線上のアリアは、フィテルベルクが手を加え、響きをゴージャス化していますが、ここではオーケストラに細かな動きをさほど要求しないため、堂々とした演奏で、たっぷりとオーケストラを鳴らしています。

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