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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Gioachino Rossini: The Barber of Seville
John Charles Thomas (Br: Figaro)
Bruno Landi (T: Conte Almaviva)
Josephine Tuminia (Ms: Rosina)
Salvatore Baccaloni (Bs: Bartolo)
Ezio Pinza (T: Basilio)
Wilfred Engelman (Br: Fiorello)
Irra Petina (S: Berta)]
John Dudley (Bs: Officer)
Chorus of  The Metropolitan Opera (Chorus master: Fausto Cleva)
Orchestra of The Metropolitan Opera / Gennarro Papi
(Rec. 1 March 1921) Live Recording with Applause
◈Friedrich von Flotow: 'Il suo sguado' from "Martha"
Vivian Della Chiesa (S)
Bruno Landi (T)
San Fransisco Opera Orchestra / Gaetano Merola
(Rec. 10 September 1944, Standard Hour)
◈Friedrich von Flotow: 'M'Appari' from "Martha"
Bruno Landi (T)
San Fransisco Opera Orchestra / Gaetano Merola
(Rec. 10 September 1944, Standard Hour)



ジョアキーノ・ロッシーニ(Gioachino Rossini, 1792-1868)の《セヴィリアの理髪師》を1941年にメトロポリタン歌劇場で上演した時の放送をCD化したものです。メトロポリタン歌劇場はニューヨークにあるオペラの殿堂で、この歌劇場の舞台に立つこと自体がオペラ歌手にとってあこがれです。
この歌劇場は、メディアとの結び付きも強いことで知られており、最近ではリアル・タイムでオペラを中継するライブ・ビューイングを行っています。
こうしたメディアとの結びつきは、1931年ごろからライブ放送という形で行われており、この1941年の公演の放送も、ライブ放送の記録からの復刻のようです。実際、ラジオ・アナウンサーのミルトン・クロス(Milton Cross, 1897-1975)のナレーションもしっかりと収録されています。

本CDに収録されているキャストは以下の通りです。
ジョン・チャールズ・トーマス (フィガロ)
ブルーノ・ランディ (アルマヴィーヴァ伯爵)
ジョセフィン・トゥミニア (ロジーナ)
サルヴァトーレ・バッカローニ (バルトロ)
エツィオ・ピンツァ (バジリオ)
ヴィルフレッド・エンゲルマン (フィオレロ)
イラ・ペティーナ (ベルタ)
ジョン・ダッドリー (士官)
メトロポリタン歌劇場合唱団&管弦楽団/ジェンナーロ・パピ
アメリカ人の売れっ子バリトン歌手のトーマス(John Charles Thomas, 1891-1960)、イタリア出身のテノール歌手のランディ(Bruno Landi, 1900-1968)、同じくイタリア出身のバッカローニ(Salvatore Baccaloni, 1900-1969)という強力な歌手に加え、クラシック音楽からJazzまでなんでもござれのトゥミニア(Josephine Tuminia)をヒロイン役に抜擢しています。脇役にも、ピンツァ(Ezio Pinza, 1892-1957)など、主役を張ってもおかしくない歌手がサポートしており、非常に贅を尽くした公演だったことが窺い知れます。
トーマスが歌うフィガロの第1幕のアリア〈俺は町の何でも屋〉など、歌手の呼吸とオーケストラが合わないところもありますが、パピ(Gennnaro Papi, 1886-1941)の指揮は実にきびきびしていて、生命力にあふれています。
ライヴ特有の観衆のざわめきはあるものの、むしろ、それがかえって歌手たちの演技のイメージを掻き立てます。
なお、指揮者のパピは、この上演のおよそ2カ月後に急死しています。

さて、この《セヴィリアの理髪師》自体にも言及しておかなければいけません。
このオペラの台本は、カロン・ド・ボーマルシェの《フィガロ三部作》の第一作目を元にチェーザレ・ステルビーニ(Cesare Sterbini, 1784-1832)が書き上げています。
ロッシーニが1816年にこの曲を完成させるまでは、ジョヴァンニ・パイジエッロの同名歌劇のほうが人気を博していました。そのため、初演の時にはパイジエッロの作品の愛好家たちが妨害行動に出て、上演が失敗に終わってしまいました。
その後、再演を重ねるたびに人気が上がり、今ではロッシーニの歌劇の代表作と見なされています。
あらすじは以下の通り
舞台は18世紀のセヴィリア。
アルマヴィーヴァ伯爵は、プラドで医者の娘を見て一目ぼれし、セヴィリアまで彼女を追ってやってきたのだった。

第1幕
一目惚れした彼女の家を突き止めたアルマヴィーヴァ伯爵は、リンドーロという名前を使い、召使のフィオレロを通じて楽士たちを雇い、彼女の家の前で愛のセレナードを歌う。しかし、彼女はバルコニーに現れず、落胆してしまった。
アルマヴィーヴァ伯爵は夜明けまで彼女を待ち、あきらめて帰ろうとしたその時、町の何でも屋をしているフィガロに出会う。フィガロはアルマヴィーヴァ伯爵家で小姓をしていたことがある旧知の仲だった。
フィガロはアルマヴィーヴァ伯爵に、伯爵の一目ぼれした彼女―ロジーナにまつわる情報を教え、アルマヴィーヴァ伯爵の依頼を受けて、この恋を成就させる手はずを整えることになる。

ロジーナのほうも、アルマヴィーヴァ伯爵が気になっており、隙をついて家の窓から紙片を落とす。
しかし、ロジーナの行動をいちいち監視していたバルトロ翁は、一連のロジーナの行動をいぶかしがり、ロジーナを問い詰める。
バルトロは、ロジーナの後見人だが、ロジーナが継承した財産を自分のものにすべく、ロジーナと結婚しようとしているのだった。結婚前に変な虫がロジーナに近寄っては大変だと、日々バルトロは警戒している。
ロジーナは、落とした手紙を、自分の書いた「無駄な用心」という詩だと言い張り、バルトロに拾ってきてほしいとお願いをする。
バルトロが外に出てくる間にアルマヴィーヴァ伯爵は、ロジーナの落とした紙片を拾い、その紙片に書かれた文面を見て、相思相愛としてうまくいくのではないかと確信する。
バルトロは外の出てきたものの、紙片が見当たらないのでロジーナの行動をまずます疑うようになり、家の召使にロジーナを監視するよう言いつけて外出するのだった。

バルトロが外出したのを見計らって、アルマヴィーヴァ伯爵は「私はあなたに恋する貧乏学生のリンドーロだ」と歌い、ロジーナもその歌に応えようとするが、召使に見つかりそうになったロジーナはさっと隠れてしまう。
アルマヴィーヴァ伯爵がこなさなければならない問題は、バルトロをどうにかすることである。
アルマヴィーヴァ伯爵は、フィガロにお金を渡し、バルトロの家に入る算段を整えるように依頼する。フィガロは、アルマヴィーヴァ伯爵に酔っ払いの軍人の格好をさせてバルトロ家に闖入する作戦を立てるが、その前にフィガロは、ロジーナに手まわしをしに行くのだった。

ロジーナのほうは、「リンドーロ」ことアルマヴィーヴァ伯爵に宛ててラブレターを書き、「リンドーロ」と結婚する決意を固めていた。そこにフィガロがやってきて、ロジーナに「リンドーロ」からの手紙を渡そうとする。しかし、そこにバルトロが、音楽教師のバジリオを連れて帰ってきた。
バルトロはバジリオに、ロジーナに悪い虫がつきそうなので、今日中に結婚してしまう算段を話す。バジリオはそれを了承し、早速結婚契約書の作成に取り掛かる。
この企てを盗み聞きしたフィガロは、ロジーナに事の次第を話すが、ロジーナは意に介さず、「リンドーロ」に宛てた手紙をフィガロに託すのだった。フィガロは「リンドーロ」の手紙をロジーナに渡して、バルトロの家を後にした。
バルトロは家をチェックして回り、便せんが一枚減っていることを目ざとく見つけ、ロジーナを追及する。ロジーナがその追求をかわしているところに、酔っ払い兵士のふりをしたアルマヴィーヴァ伯爵がやってくる。

アルマヴィーヴァ伯爵はバルトロ家で大暴れしながら、ロジーナに「リンドーロ」だと明かす。
騒ぎを聞きつけてやってきた士官たちも、酔っ払いの兵士の素性を知るや、騒ぎに介入することをやめてしまい、バルトロとアルマヴィーヴァ伯爵のどんちゃん騒ぎになってしまう。

第2幕
酔っ払いの兵士にまつわる昨夜の出来事から警戒感を強めていたバルトロのところに、アロンゾという男がやってくる。アロンゾは、バジリオの弟子を名乗り、師匠が熱を出してこられなくなったので代理としてロジーナに歌を教えに来た旨をバルトロに告げる。バジリオの見舞いに行こうとするバルトロをアロンゾは止め、ロジーナが「リンドーロ」に宛てた手紙を見せて、バルトロをなだめる。実は、アロンゾもアルマヴィーヴァ伯爵の変装だった。歌のレッスンにかこつけて、ロジーナとアルマヴィーヴァ伯爵はお互いの愛を確認しあう。
さらにフィガロがバルトロに髭そりにやってきて、バルトロの動きを封じようとする。
病気であるはずのバジリオの訪問を突き返し、なんとか難局を乗り切ったように見えたアルマヴィーヴァ伯爵たちだったが、ロジーナとの会話から変装であることがばれて追い出されてしまう。

バルトロは、バジリオを呼んで事の次第を話して確認し、アロンゾという男がアルマヴィーヴァ伯爵だったことを知る。また、バルトロは「リンドーロ」宛てのロジーナの手紙を見せて、「リンドーロ」が悪い伯爵の手先であると吹聴する。これを真に受けたロジーナは、アロンゾを名乗る男にバルコニーの鍵を渡して、夜中に駆け落ちする手はずだったことを白状し、バルトロとの結婚を承諾する。

真夜中になって、「リンドーロ」に扮したアルマヴィーヴァ伯爵がフィガロと一緒にバルコニーに現れるが、ロジーナは「リンドーロ」を「悪い伯爵に私を売り飛ばすつもりなんでしょう!」と怒りをぶちまけるが、「リンドーロ」が自分こそが、実伯爵なのだと素性を明かす。伯爵直直のプロポーズにロジーナは狂喜し、当初予定だった駆け落ちを実行に移そうとするものの、バルトロがバルコニーから逃げる梯子をすでに外してしまっていた。
逃げ場を失った3人の前に、兵士を連れたバジリオがやってくるが、アルマヴィーヴァ伯爵はバジリオを買収して、アルマヴィーヴァ伯爵とロジーナの結婚保証人に仕立てあげてしまった。
結婚が成立してしまったところに、あわててバルトロがかけつけ、地団太を踏むが、アルマヴィーヴァ伯爵がバルトロに「ロジーナの財産はあなたのものだし、結婚の際の持参金も免除します」というので、話は丸く収まるのだった。
なお、この歌劇の序曲は、3年前に作った歌劇《パルミーラのアウレリアーノ》の序曲を転用したもので、《セヴィリアの理髪師》の前年に発表した《イングランドの女王エリザベッタ》でも再利用していたことが知られています。

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