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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Hector Berlioz: "Benvenuto Cellini" - Overture
◈Hector Berlioz: ”Béatrice et Bénédict” - Overture
◈Hector Berlioz: Overture "Le carnaval romain"
◈Hector Berlioz: Overture "Le corsaire"
French Radio National Orchestra / André Cluytens
(Rec. 17 & 18 March 1961, Salle Wagram, Paris)
◈Hector Berlioz: "La Damnation de Faust", op.27 - Menuet des follets
◈Hector Berlioz: "La Damnation de Faust", op.27 - Menuet des feux follets
◈Hector Berlioz: "La Damnation de Faust", op.27 - Marche Hongroise
French National Opera Orchestra / André Cluytens
(Rec. 10 September 1956)
◈Carl Maria von Weber (arr. Hector Berlioz): Aufforderung zum Tanz
Paris Conservatoire Orchestra / André Cluytens
(Rec. 1 December 1965)



アンドレ・クリュイタンス(André Cluytens, 1905-1967)によるエクトル・ベルリオーズ(Hector Berlioz, 1803-1869)の管弦楽曲集。
《ベンヴェヌート・チェリーニ》と《ベアトリスとベネディクト》という2作の歌劇から序曲をチョイスし、さらに《ローマの謝肉祭》や《海賊》といった演奏会用の序曲が選ばれています。
《ファウストの却罰》からは、〈妖精の踊り〉、〈鬼火の踊り〉と〈ハンガリー行進曲〉の3曲が管弦楽曲としてチョイスされています。なお、この《ファウストの劫罰》の3曲については、フランス国立歌劇場管弦楽団というクレジットになっていますが、実際はパリ国立歌劇場管弦楽団です。

《ベンヴェヌート・チェリーニ》は、16世紀イタリアに実在した彫金師の逸話から作られたオペラです。1834年から1838年までかけて書き上げた2幕もののオペラで、第二幕の前奏曲として計画されたものが、今日演奏会用の序曲《ローマの謝肉祭》として独立しました。チェリーニがローマ法王の依頼を受けてライバルのフィラルモニカと銅像を競作する話と、法王の秘書の娘テレザとの恋の物語を組み合わせたドラマとして制作されたこのオペラは、初演が散々な失敗に終わっています。ただし、序曲は評判になり、オーケストラ用のレパートリーとして生き残りました。

《ベアトリスとベネディクト》は、1860年から1862年にかけて作成されたオペラで、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『空騒ぎ』をオペラ化したものです。初演は何故かフランスでは行われず、バーデン=バーデンで行われ、あまり好評を博さなかったといいます。ただ、こちらも序曲が好評でオーケストラ用のレパートリーとして取り上げれます。

《海賊》は、ジョージ・ゴードン・バイロンの詩や、ジェイムズ・クーパーの小説などからインスピレーションを得て作曲された作品。
元々、クーパーの小説『赤い海賊』の名前をそのまま題名に用いるつもりでしたが、一旦「ニースの塔」という名前で1844年に完成させました。しかし、ベルリオーズはこの作品の出来に不満を持ち、1850年頃に改訂を施し、1855年に今日の名称で発表しなおしたという経緯があります。

《ファウストの劫罰》は、名前からも分かるように、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの大作『ファウスト』を基にしています。1846年に書き上げたこの作品は、「劇的物語」と言われるように、純粋なオペラではなく、舞台上の制約を度外視して作った、ベルリオーズの自己満足的な作品です。
元々ゲーテの大ファンだったベルリオーズは、1827年に《ファウストの8つの場面》と題して作品を書き、ゲーテのもとに送りつけています。このとき、ゲーテは、その作品を黙殺し、ベルリオーズの『ファウスト』への作曲も頓挫してしまいました。
その17年後に、作品整理をしていたベルリオーズは、この作品を発見し、『ファウスト』への作曲を再度試みたのでした。
ただ、パリのオペラ・コミークでの初演は、オペラでもなく、舞台作品としても型破りだったことから、全く理解されず、ベルリオーズの亡くなった8年後にエドゥアール・コロンヌの手で再演されて、初めて名作と認められるようになりました。今日でも、この作品は、オラトリオのような作品と位置付けるか、オペラのような作品と位置付けるかでブレています。

《ベンヴェヌート・チェリーニ》以下の4曲の序曲は、フランス国立放送管弦楽団(現:フランス国立管弦楽団)の演奏です。フランス国立放送管弦楽団との関係は、1949年から続いており、お互いに勝手を知った仲です。
ざっくばらんな金管の鳴らしっぷりや木管ののびのびとした歌いっぷりから、湧きあがるような感興を体感でき、厳粛な雰囲気から熱狂的な音楽へと至るベルリオーズの音楽語法にピッタリとフィットしています。
弦楽パートの音色もいい加減そうでいてパワーがあり、クライマックスでは金管木管を向こうに回して迫力のある演奏を繰り広げます。
《ローマの謝肉祭》の中間部までの伸びやかさと、後半の熱狂的な追い上げは凄まじく、ライヴ録音さながらのスリルを味わうことが出来ます。

《ファウストの劫罰》からの3曲でも、パリ国立歌劇場管弦楽団の楽員をうまく乗せてメリハリの利いた演奏を披露しています。録音のせいか、あるいは復刻のせいか、音が乾き気味ですが、〈妖精の踊り〉の優雅な所作といい、〈鬼火のメヌエット〉のオーケストラの反応の俊敏さといい、聴いていて思わず耳を傾けてしまう楽しさがあります。〈ハンガリー行進曲〉でも思い切りよくオーケストラを鳴らし、スカッとする名演奏を聴かせてくれます。

最後には、カール・マリア・フォン・ウェーバー(Carl Maria von Weber, 1786-1826)が作曲した《舞踏への勧誘》をベルリオーズが1841年に編曲したものが収録されています。ウェーバーの原曲は、変ニ長調(♭記号5つ)の厄介なピアノ曲でしたが、ベルリオーズはオーケストラの成りっぷりを考慮して全体を半音上げ、ニ長調の曲として再生しています。
チェロと木管の美しい掛け合いによる前奏にはじまり、豪華絢爛なオーケストレーションで舞踏パーティーの雰囲気をしっかり演出しています。あまりに主部が華麗に盛り上がるため、後奏部のチェロと木管の静かな掛け合いで拍手のフライングがしばしば起こってしまいます。
パリ音楽院の学生・卒業生や教員らによって組織されていたパリ音楽院管弦楽団の演奏は、どの音一つとってみても個性的です。隙あらば独特の節回しを披露してくれるオーケストラだったので、その演奏は先の読めないワクワクさがあります。ハープの音色をよく拾った録音にも味わいがあります。ド迫力とエレガントさを両立させた、希有な演奏です。

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