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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Mario Casetelnuovo-Tedesco: Paraphrase on 'Largo at factum' from Rossini's "The Barber of Seville"
◈Pablo de Sarasate: Fantasie on Mozart's "The Magic Flute"
◈Christoph Willibald Gluck (arr. Fritz Kreisler): Melodie on "Orphée et Euridice"
◈Nicolò Paganini: 'I Palpiti' in Rossini's "Tancredi"
◈Sergei Prokofiev (arr. Jascha Heifetz): March from "The Lover for Three Oranges"
◈Richard Strauss (arr. Váša Příhoda): Walzes from "Der Rosenkavalier"
◈George Geshwin (arr. Jascha Heifetz): Transcriptions on "Porgy and Bess"
◈Nikolai Rimsky-Korsakov (arr. Fritz Kreisler): 'Hindoo Song' on "Sadko"
◈Jenő Hubay: Fantasie brillante on Bizet's "Carmen"
Gil Shaham (Vn)
江口 玲 (Pf)
(Rec. June 1996, Herkulessaal, München)



「ザ・フィドラー・オヴ・ジ・オペラ」と題されています。「フィドル」というのは、いわゆるヴァイオリンの俗語です。
いわゆる流しのギター弾きならぬヴァイオリン弾きで、何でも弾きこなしてしまう適応能力の高さとべらぼうな巧さからでしょうか、「イカサマ」の隠語としても使われます。
イカサマでもしているのではないかと思えるほどの巧さでもって、名作オペラの名場面を編曲して我々に提示するのが、本CDの趣旨です。
往年の名手たちは、本CDに収録されたような名作オペラのパラフレーズもので、自分の技術の高さを誇示し、またオペラに触れたことのない人にも、オペラの楽しさを伝えていました。

収録されている演目は、以下の通りです。
○マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコ:ロッシーニの《セヴィリアの理髪師》から〈俺は町の何でも屋〉によるパラフレーズ
○パブロ・デ・サラサーテ:モーツァルトの《魔笛》による幻想曲
○クリストフ・ヴィリバルト・グルック(フリッツ・クライスラー編):《オルフェオとエウリディーチェ》から〈メロディ〉(妖精の踊り)
○ニコロ・パガニーニ:ロッシーニの《タンクレディ》から〈こんなに胸騒ぎが〉による主題と変奏
○セルゲイ・プロコフィエフ(ヤッシャ・ハイフェッツ編):《三つのオレンジへの恋》から〈行進曲〉
○リヒャルト・シュトラウス(ヴァーシャ・プルジーホダ編):《薔薇の騎士》からワルツ
○ジョージ・ガーシュウィン(ヤッシャ・ハイフェッツ編):《ポーギーとベス》の編曲
○ニコライ・リムスキー=コルサコフ(フリッツ・クライスラー編曲):《サドコ》から〈インドの歌〉
○イェネー・フバイ:ビゼーの《カルメン》による華麗な幻想曲
カステルヌオーヴォ=テデスコ(Mario Castelnuovo-Tedesco, 1895-1968)は、イタリア出身の作曲家で、第二次世界大戦のためにアメリカに亡命しています。本作品は、ジョアキーノ・ロッシーニ(Gioachino Rossini, 1792-1868)の《セヴィリアの理髪師》の第1幕でフィガロ役が登場するときに歌う〈俺は町の何でも屋〉をヴァイオリン用に仕立て直した作品。ロシア出身のヴァイオリニストであるハイフェッツ(Jascha Heifetz, 1901-1987)が好んで演奏しており、この演奏は、ハイフェッツの校訂版が用いられています。

サラサーテ(Pablo de Sarasate, 1844-1908)の《魔笛》による幻想曲は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)の歌劇からめぼしいメロディを抽出してつなぎ合わせた作品。サラサーテが活躍していたころは、こうした剽窃的な作品は、当時の有名な歌劇にあやかって自分の技巧を披露するために欠かせないものでした。サラサーテの作品の中では晩年の作品であり、ツィゴイネルワイゼンやカルメン幻想曲に聴かれるような華やかさは一歩後退しています。

グルック(Christoph Willibald Gluck, 1714-1787)の〈メロディ〉は、《オルフェオとエウリディーチェ》の第2幕に出てくる〈精霊の踊り〉というバレエ音楽です。この〈精霊の踊り〉は、フルートが美しいメロディを奏でるため、フルーティストの重要なレパートリーでしたが、クライスラー(Fritz Kreisler, , 1875-1963)がヴァイオリン用に編曲したことで、ヴァイオリニストのレパートリーとして定着しました。クライスラーは、20世紀前半に活躍した大ヴァイオリニストで、自分が演奏するための作品も数多く発表していますが、編曲活動も盛んに行っていました。

パガニーニ(Nicolò Paganini, 1782-1840)の作品は、ロッシーニの《タンクレディ》の第1幕で表題役が登場時に歌う〈こんなに胸騒ぎが〉(Di tanti Palpiti)というアリアを基にしています。このメロディは、《タンクレディ》の初演当初から話題になり、一種の流行歌みたいになっていました。
元々はオーケストラの伴奏らしく、独奏ヴァイオリンの音を半音あげて変ロ長調の作品に聴こえるように工夫されていたようですが、今では、そうした特殊な調弦は用いられず、原曲通りのイ長調で弾かれます。また、元来のオーケストラの伴奏が、例によって手抜きで書かれているため、ピアノの伴奏で演奏されることが多いです。
パガニーニは、ロッシーニの作品を十分に意識し、前奏とレチタティーヴォの部分を経て主題を提示しています。変奏は3つの部分からなりますが、第2変奏の綱渡りのようなフラジョレット奏法が、特に聴き手をハラハラさせる効果を持っています。

セルゲイ・プロコフィエフ(Sergei Prokofiev, 1891-1953)の《三つのオレンジへの恋》は、全4幕の歌劇です。
うつ病の王子を笑わせるために、道化師のトルファルディノがあれやこれやと策を練っていましたが、そこに現れた魔女が誤って転んでしまい、それを見た王子が笑ってしまいます。おかげでうつ病は治ったものの、怒った魔女に呪いをかけられ、三つのオレンジを砂漠でとって来なければならなくなりました。ここで演奏される行進曲は、第2幕の砂漠をトルファルディノと行く王子の場面で使われた音楽です。プロコフィエフ自身も、この行進曲を気に入っており、歌劇から管弦楽用の組曲を作る時にも、この行進曲を選んでいます。ここでは、ハイフェッツによるヴァイオリン用の編曲版が演奏されています。

リヒャルト・シュトラウス(Richard Strauss, 1864-1949)の《薔薇の騎士》は、1909年から翌年にかけてつくられた全3幕の歌劇です。18世紀末のウィーンを舞台にした恋愛劇ですが、ウィンナ・ワルツを盛り込んでおり、18世紀ウィーンの習俗に必ずしも忠実ではありません。第2幕で登場人物のオックス男爵が踊るワルツも、ヨーゼフ・シュトラウスの《デュナミーデン》というワルツを下敷きにしています。このワルツを、チェコのヴァイオリニストであるヴァーシャ・プルジーホダ(Váša Příhod, 1900-1960)がヴァイオリン用に編曲し、プルジーホダの名刺代わりとして広く愛されました。

ジョージ・ガーシュウィン(George Gershwin, 1898-1937)の《ポーギーとベス》は、1920年代のアフリカ系アメリカ人の居住区を舞台にした全3幕の歌劇です。ハイフェッツは、このオペラから〈サマー・タイム〉、〈女は気まぐれ〉、〈私の男は行っちゃった〉、〈ベス、お前は俺のものだ〉、〈そんなことは大したことじゃないさ〉、〈ブルースのテンポで〉を抜き出し、ヴァイオリン用に編曲しています。前述のプロコフィエフの作品の編曲も手掛けたように、ハイフェッツは、ヴァイオリンで演奏すると演奏効果が上がると踏んだ作品は積極的に編曲を施しています。このガーシュウィンの作品の編曲も、ヴァイオリニストがガーシュウィンの作品をリサイタルで演奏するときの定番としてよく演目に上げられます。

リムスキー=コルサコフ(Nikolai Rimsky-Korsakov, 1844-1908)は、1895から翌年にかけて《サトコ》(あるいは《サドコ》)という一幕物の歌劇を制作していました。サトコというのは、ロシアの伝説上の音楽家です。交易の旅に出かけて行って、いろんな国を回り、海の中まで冒険して帰ってくるという筋書きの歌劇です。〈インドの歌〉は、インドの商人によって歌われるアリアで、そこはかとなく漂うオリエンタリズムが高く評価され、単独で歌われたほか、トミー・ドーシーによってジャズ用に編曲までされました。
本CDに収録されているのは、クライスラーがヴァイオリン用に編曲したバージョンです。

本CDの最後に収録されているのは、ジョルジュ・ビゼー(Georges Bizet, 1838-1875)の《カルメン》の音楽を、フバイ(Jenő Hubay, 1858-1937)がパラフレーズにした、幻想曲です。《カルメン》を題材にした幻想曲としては、サラサーテのものが非常に有名ですが、ハイフェッツが愛奏したフランツ・ワックスマンのものも比較的よく知られています。ハンガリー人ヴァイオリニストのフバイの作品は、これらの有名作に飽き足らなくなった人が取り上げるレパートリーですが、他の作品と比べても何の遜色もない、文字通り華麗な作品に仕上がっています。

演奏しているギル・シャハム (Gil Shaham, 1971-)は、アメリカのアーバナに生まれたヴァイオリニスト。
父ヤコブはイスラエル出身の天文物理学の権威で、母メイラ・ディスキンも有名なイスラエル人遺伝子学者です。
シャハムは、学問の道を結局選ばず、ジュリアード音楽院で名教師のドロシー・ディレイに学びましたが、ただ音楽ばかりをやっていたわけではなく、コロンビア大学で一般教養もしっかり身に着けていました。
そんなシャハムの演奏は、高度なテクニックを持ちながら、衝動に左右されない安定感を持ち味としています。
カステルヌオーヴォ=テデスコの作品でも、超絶技巧を難なくクリアしながら、それを誇示するようなことはなく、むしろ、フィガロの痛快なキャラクターを浮き彫りにするほどの余裕を持ち合わせています。
選曲面でも、ヴィルトゥオージティックな曲だけをチョイスするのではなく、要所要所できらびやかな技巧よりも纏綿たる歌心を必要とする作品を配し、そこでも楽器を存分に歌わせています。

このCDの魅力は、シャハムだけでなく、江口玲(Akira Eguchi, 1963-)の痒い所に手の届く用意周到な伴奏にもあります。カステルヌオーヴォ=テデスコやプロコフィエフの作品での鮮やかなピアノ・タッチや、ガーシュウィン作品で特にみられる抜群のリズム感は、シャハムのヴァイオリンを差し置いて、思わず聴く耳をそばだたせるものがあります。

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