忍者ブログ
1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
[502]  [501]  [500]  [499]  [498]  [497]  [496]  [495]  [494]  [493]  [492
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


◈Hector Berlioz: Ouvertüre "Le carnaval romain", op.9
Orchestre Lamoureux / Ferenc Fricsay
(Rec. 11 March 1953)
◈Hector Berlioz: 'Ballet des Sylphes' from "La Damnation de Faust", op.9
RIAS-Symphonie-Orchester / Ferenc Fricsay
(Rec. 1952)
◈Hector Berlioz: 'Marche hongroise' from "La Damnation de Faust", op.9
Berliner Philharmoniker / Ferenc Fricsay
(Rec. 5 July 1950)
◈César Franck: Variations symphoniques
Margrit Weber (Pf)
Radio-Symphonie-Orchester Berlin / Ferenc Fricsay
(Rec. 5-6 April 1957, Studio Lankwitz, Berlin)
◈Manuel de Falla: Noches en los jardines de España
Margrit Weber (Pf)
Radio-Symphonie-Orchester Berlin / Ferenc Fricsay
(Rec. 2-4 April 1957, Jesus-Christus-Kirche, Berlin)
◈Pablo de Sarasate: Zigeunerweisen, op.20
Helmut Zacharias (Vn)
Radio-Symphonie-Orchester Berlin / Ferenc Fricsay
(Rec. January 1957, Berlin)
◈Paul Dukas: L'apprenti sorcier
Orchestre Lamoureux / Ferenc Fricsay
(Rec. 11 March 1953)



ハンガリー出身の指揮者、フェレンツ・フリッチャイ(Ferenc Fricsay, 1914-1963)の録音した、落ち穂拾いみたいな管弦楽曲集です。
フリッチャイ(ハンガリーの厳密な発音では「フリチャイ」に近い)は、指揮者だった父親から英才教育を受け、6歳でブダペスト音楽院に入学し、ベーラ・バルトーク、ゾルターン・コダーイ、エルネー・ドホナーニ、レオ・ヴェイネルの各氏に師事しています。15歳でセゲドの軍楽隊を指揮して指揮者デビューを果たし、ブダペスト国立歌劇場の音楽監督を経て、1946年にウィーン国立歌劇場に指揮者として進出しています。その翌年には、ザルツブルグでゴットフリート・フォン・アイネムのオペラ《ダントンの死》を初演して脚光を浴び、1948年にRIAS交響楽団の創立指揮者に抜擢されました。
RIAS交響楽団での仕事が評判になり、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団をはじめとする様々なオーケストラから出演をオファーされ、ヨーロッパ中の売れっ子指揮者になりました。しかし、1958年ごろから白血病を発症し、1963年に亡くなるまでは白血病と格闘しながらの演奏活動になりました。
本CDに収録されている録音は、白血病の発症が発覚する前の録音です。

エクトル・ベルリオーズ(Hector Berlioz, 1803-1869)の序曲《ローマの謝肉祭》と、ポール・デュカス(Paul Dukas, 1865-1935)の《魔法使いの弟子》は、フランスはパリのラムルー管弦楽団に客演して録音したもの。本CDでは1952年の録音となっていますが、原盤のLPを持っている人の話では、1953年の録音ではないかとのこと。
ラムルー管弦楽団は、コンセール・ラムルーともいい、フランスのヴァイオリニストで指揮者だったシャルル・ラムルーが1881年に「新コンサート協会」として発足させたオーケストラです。ラムルーの引退した1897年からラムルーの名前を冠して活動しています。録音当時は、ウジェーヌ・ビゴーが常任指揮者を務めていました。
指揮者によっては好き勝手なバランスで演奏していたオーケストラですが、フリッチャイは完全にオーケストラを掌握しています。管楽セクションの表情付けに多少癖は残るものの、スタンド・プレイに陥らず、全員参加のアンサンブルでしっかりとした演奏を披露しています。
ベルリオーズの《ファウストの劫罰》から〈妖精の踊り〉と〈ハンガリー行進曲〉は、前者はRIAS交響楽団の演奏、後者はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏が収録されています。録音年については、本CDではそれぞれ1952年、1950年となっています。
手兵のRIAS交響楽団と録音した〈妖精の踊り〉は、弦のたおやかさとリズム感の良さで夢のような音の世界を再現しています。モノラル録音という制約はありますが、その解釈には古さを感じさせません。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を起用した〈ハンガリー行進曲〉は、ちょっと指揮棒を動かしただけでも大音量を鳴らせそうなほどの機敏さで推進力の強い演奏を展開しています。細かい音型も一切ごまかしがなく、気持ちがいいくらいにオーケストラが鳴り切っています。

セザール・フランク(César Franck, 1822-1890)の交響的変奏曲とマヌエル・デ・ファリャ(Manuel de Falla, 1876-1946)の《スペインの庭の夜》、パブロ・デ・サラサーテ(Pablo de Sarasate, 1844-1908)のツィゴイネルワイゼンでは、ベルリン放送交響楽団(現:ベルリン・ドイツ交響楽団)が演奏していますが、これはRIAS交響楽団が1956年に改称したものです。
フランクとファリャの作品では、スイス人ピアニストのマルグリット・ウェーバー(Margrit Weber, 1924-2001)が共演し、サラサーテの作品のヴァイオリン独奏は、ヘルムート・ツァハリアス(Helmut Zacharias, 1920-2002)が務めています。
ウェーバーはチューリヒ音楽院でマックス・エッガーとヴァルター・ラングの薫陶を受けたピアニストで、ボフスラフ・マルティヌーやイーゴリ・ストラヴィンスキーらとの交流で知られ、同時代の音楽の積極的な紹介者として、世界を股にかけて演奏活動を展開していた人でした。
クリアーなタッチで、表現もあっさりしていますが、フランクの作品では、そうしたウェーバーの淡泊さがフランクの作風と合致し、良い塩梅の演奏に仕上がっています。フリッチャイもウェーバーのピアノにピッタリと合わせ、さもピアノがオーケストラの音色を出してるのではないかと思えるほどに同化しています。ファリャの作品では、フリッチャイのほうはイニシアチブを取り、ダイナミックにオーケストラを鳴らしています。
サラサーテの作品で独奏をしているツァハリアスはドイツのジャズ・ヴァイオリニストです。ヨーゼフ・ヨアヒム門下のグスタフ・ハーヴェマンの薫陶を受け、1930年代後半からジャズ・ヴァイオリニストとしての活動を始めています、自分で楽団を作り、ジャンルにとらわれない活動を繰り広げ、彼のヴァイオリン演奏は「魔法のヴァイオリン」と呼ばれました。ムードを作るのが巧いヴァイオリニストで、弱音気を付けて纏綿と歌う中間部では、即興的な節回しと蠱惑的な音色で聴き手を惹き付けています。
フリッチャイの伴奏は、ツァハリアスの芸風に合わせ、あまり深刻ぶらない伴奏に終始しています。曲が曲だけにツァハリアスが主導権を持っていますが、後半部ではわざと出だしのテンポを遅くしてツァハリアスの早弾き芸を際立たせ、独奏ヴァイオリンが映えるような配慮をそこかしこで行っています。

PR
Comment
name 
title 
color 
mail 
URL
comment 
pass    Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメントの修正にはpasswordが必要です。任意の英数字を入力して下さい。
Clock
ブログ内検索
カウンター
カレンダー
02 2024/03 04
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
プロフィール
HN:
(´π`)
性別:
男性
自己紹介:
・・・。
最新CM
[06/29 (^▽^)]
[06/16 ある晩のヴぇる君。]
[06/07 はじめまして]
[05/30 ある晩のヴぇる君。]
[05/29 ある晩のヴぇる君。]
最新TB
Ranking




にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村
バーコード
試用品
Flag Counter
美的ブログパーツ
地球儀もどき
Template by Crow's nest 忍者ブログ [PR]