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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈八橋 検校: 六段
宮城 道雄 (筝)
(Rec. 1947)
◈宮城 道雄 (arr. Renée Chemet): 春の海
Renée Chemet (Vn)
宮城 道雄 (筝)
(Rec. 1932)
◈八橋 検校: みだれ
宮城 道雄 (筝)
(Rec. 1955)
◈宮城 道雄: 春の夜
宮城 道雄 (筝本手 & 歌)
宮城 喜代子 (筝替手)
吉田 晴風 (尺八)
(Rec. 1930)
◈宮城 道雄: 唐砧
宮城 道雄 (筝高音)
宮城 喜代子 (筝低音)
長野 信秀 (三弦)
(Rec. 1937)
◈宮城 道雄: 落葉の踊り
宮城 道雄 (筝)
吉田 恭子 (三弦)
新谷 喜恵子 (十七弦)
(Rec. 1928)



宮城道雄(Michio Miyagi, 1894-1956)は、20世紀前半の日本を代表する筝曲家兼作曲家です。
フランス人ヴァイオリニストのルネ・シュメー(Renée Chemet, 1888-?)が、彼の《春の海》(1929年作)を気に入り、録音したことから、世界中にこの曲が知れ渡り、箏が世界に日本の楽器として認知されるようになりました。
本CDでは八橋検校(Kengyō Yatsuhashi, 1614-1685)の《六段》(六段の調べ)と《みだれ》(乱輪舌)のほか、宮城道雄本人の合奏作品(日本の芸能では「手事物」と呼ばれる)が収録されています。
1920年代から1930年代の録音が主で、特に最後に収録されている《落葉の踊り》などは、かなり音の状態が悪いですが、八橋検校の作品などは、音の保存状態も良く、筝曲家としての宮城道雄の力量を存分に味わうことができます。

八橋検校の「検校」とは、中世から近世にかけて存在した盲人の自治的互助組織「当道座」の最高位を指します。
八橋検校は、本名を城秀といい、磐城平藩専属の音楽家として名声を博した人でした。日本古典音楽においては、いわゆる変奏曲形式としての器楽曲の「段物」を開発し、独奏楽器としての筝の地位を確立した大立者とされています。
八橋検校の作と伝えられる《六段》は、その繰り出す技の華麗さから、筝曲の中でもとりわけ人気の高い作品であり、宮城道雄の録音は、本作の模範演奏として今でも聴き継がれています。
《みだれ》も、いわゆる「段物」のひとつですが、段物としては破格の作りになっていることから、「みだれ」とされているものと思われます。本来の名前が「乱輪舌」というように、装飾音としての「輪舌」がふんだんに盛り込まれており、筝曲の中でも、特に難曲として知られています。

宮城道雄本人の作品の中でも、とくに有名なのが先述の《春の海》で、作曲された当初は一尺六寸管の尺八との合奏曲でした。作曲されたその年のうちに、吉田晴風(Seihū Yoshida, 1891-1950)と組んで日比谷公会堂で初演していますが、先述のように、曲を気に入ったシュメーが尺八のパートをヴァイオリンで演奏して世界中に広めました。
本CDに収録されている録音は、そのシュメーとの共演ですが、ややシュメーのヴァイオリンに急ぎ過ぎの感があるものの、その妖艶な音色と宮城道雄のカッチリとした筝の音色の噛み合いに、独特の味わいがあります。

《春の夜》(1914)は、土井晩翠(Bansui Doi, 1871-1952)の詩に付曲した手事物で、2面の筝と尺八の伴奏で歌われる作品。宮城道雄本人が歌と本手(第1奏者)を兼ね、宮城道雄の姪にあたる宮城喜代子(Kiyoko Miyagi, 1905-1991)が替手(第2奏者)を務めています。

《唐砧》は1913年ごろの作品。元々は筝2面と三弦2棹の四重奏曲でしたが、1925年には三弦を1棹減らして三重奏の曲にしています。本CDでも、三重奏の形式での演奏で収録されています。なお、三弦というのは、いわゆる三味線のことです。また、この演奏で三弦を弾いている長野信秀(Nobuhide Nagano)は、宮城道雄の弟子です。

《落葉の踊り》は1921年の作品。自宅の庭先の落ち葉の落ちる音や風の音から着想を得た作品とのことですが、ヤッシャ・ハイフェッツの弾いたアントニオ・バッツィーニの《妖精の踊り》の録音にも触発されたのだとか。
バッツィーニの作品のようなめくるめくようなスタッカートの音型はさすがに真似ていませんが、十七弦のパートに、バッツィーニのピアノ伴奏の影響があるのだとか。
また、楽曲の構造自体も、西洋音楽の三部形式を意識して作っています。ちなみに十七弦は、宮城道雄が考案した多弦筝の一つで、この作品を発表した時に披露されました。低音部用の筝として使われます。

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