[Decca] ヘンデル：６つのヴァイオリン・ソナタ／タルティーニ：悪魔のトリル カンポーリ 【UCCD-9139】

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◈George Frideric Handel: Violin Sonata No.1 in A major, op.1-3
◈George Frideric Handel: Violin Sonata No.2 in G minor, op.1-10
◈George Frideric Handel: Violin Sonata No.3 in F major, op.1-12
◈George Frideric Handel: Violin Sonata No.4 in D major, op.1-13
◈George Frideric Handel: Violin Sonata No.5 in A major, op.1-14
◈George Frideric Handel: Violin Sonata No.6 in E major, op.1-15

Alfredo Campoli (Vn)
George Malcolm (Cemb)

(Rec. July 1952, London)

◈Giuseppe Tartini: Sonata for Violin and Continuo in G minor "Il trillo del diavolo"

Alfredo Campoli (Vn)
George Malcolm (Pf)

(Rec. May 1954, London)

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ジョージ・フレデリック・ハンデル(George Frideric Handel, 1685-1759)は、元々ドイツの作曲家でしたが、1712年からイギリスに住み、1727年にはイギリスに帰化したため、イギリスの作曲家とみなされます。しかし、ドイツ人にとっては、ドイツ生まれということでドイツの作曲家とされ、”Händel”という表記が用いられます。日本でも、このドイツ語表記を踏襲し、「ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル」と表記するのが慣例となっています。
ハンデルことヘンデルの作品番号１番は、オーボエ、フルート、リコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴァイオリンといった楽器のためのソナタの詰め合わせ曲集です。（18世紀では、器楽曲も詰め合わせにして発表するのが通例でした。）
この詰め合わせの中でも、もっとも比率が高いのが、ヴァイオリン用のもので、全部で６曲を数えます。
ヘンデルのソナタ集は、個別に演奏される事はあっても、６曲まとめて演奏する機会はあまりなく、このアルフレッド・カンポーリ(Alfredo Campoli, 1906-1991)とジョージ・マルコム(George Malcolm, 1917-1997)の演奏は、録音当時貴重な体系的録音だったと推察されます。

カンポーリ(あるいは「カンポリ」と表記)は、イタリア生まれのイギリスのヴァイオリニストです。
クラシック音楽のみならず、イージー･リスニングの分野でも活躍し、生前はイギリスのヴァイオリン業界の重鎮としてよく知られていました。
ふくよかに歌う、このヘンデル作品の録音は、今日では、作曲当時の演奏スタイルに沿っていないということで、過去の産物みたいになっていますが、演奏様式に拘泥しなかった当時のストレートな音楽表現は、今尚聴き手を魅了するだけの力を持っています。
イギリスにおける鍵盤楽器演奏お第一人者であったマルコムとの丁々発止のやり取りは、今聴いてもスリリングです。

余白には、ジュゼッペ・タルティーニ(Giuseppe Tartini, 1692-1770)の《悪魔のトリル》が収録されています。
このヴァイオリン・ソナタは、タルティーニが就寝中に、夢の中で悪魔からヴァイオリンのレッスンを受け、そこで悪魔が弾いたトリルから着想したというエピソードが知られています。
第３楽章の二重把弦でトリルを弾くという高難易度の技が盛り込まれていますが、第１楽章や第２楽章でも、ふんだんに装飾音が盛り込まれており、カンポーリの水際立った技巧を楽しめます。
マルコムは、ここでは楽器をチェンバロからピアノに変え、ツボを押さえた伴奏でヴァイオリンを支えています。

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