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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Bedřich Smetana: Má Vlast
Radio-Symphonieorchester Wien / Lovro von Matačić
(Rec.15 January 1982, Großer Musikvereinsaal Wien Konzertmitschnitt) Live Recording with Applause



ベドルジヒ・スメタナ(Bedřich Smetana, 1824-1884)の連作交響詩《わが祖国》は、本来ならばCD1枚分の音楽ですが、80分以上かけて全曲を演奏してしまっているため、CD2枚組みでの収録。
演奏しているウィーン放送交響楽団は、オーストリア放送交響楽団とクレジットされることもある、オーストリア放送協会(ORF)所属のオーケストラです。CDにもちゃんとORFのロゴが入っていることから、本CDはライセンス許可を得た正規リリースだとわかります。(代理店の話によると、オーストリア放送協会から販売の許可を得るために、相当紆余曲折があったのだとか。)
このオーケストラを指揮するロヴロ・フォン・マタチッチ(Lovro von Matačić, 1899-1985)は、旧ユーゴスラヴィア出身の指揮者。最晩年に至るまで来日を繰り返し、NHK交響楽団に客演していたことから、日本でも馴染みの深い指揮者でした。

演奏時間のみを見ると、これらの曲の演奏にしては、大変ゆっくりした演奏のようですが、たっぷり時間をかけている割に、全く弛緩したところがなく、一つ一つの場面に丁寧な表情付けがされています。

第1曲目の〈ヴェシフラド(高い城)〉は、高く聳える古城の風格を感じさせる名演奏。古き時代の栄華を絵巻物のようにして綴っていく音楽を、マタチッチは小刻みにテンポを変え、たっぷりとオーケストラを鳴らしきることでスケールの大きな表現を獲得しています。圧倒はされるものの、退屈はしません。

第2曲目の〈ヴルタヴァ〉は、俗に言うモルダウ川の描写です。第1曲と並んで、チェコの大地の美しさとチェコ人としてのスメタナの自意識が織り込まれた作品で、マタチッチはスメタナが向ける故国へのまなざしに深く共感を覚えているようです。チェコ人が誇りとするモルダウ川の大きさを、ゆっくりとしたテンポでメロディをじっくり歌い上げることで深く表現。出だしこそ、オーケストラのほうがマタチッチの要求するテンポに戸惑いを覚えますが、次第に呼吸が整ってきて、悠然とした音楽を形作っていきます。吹き零れてくるような故国愛のメロディを、敢えて抑制して歌うことで、かえって聴き手に強く訴えかけてくる演奏になっています。感情を爆発させず、まろやかな音で仕上げようという信念の感じられる、こだわりの演奏です。

第3曲目の〈シャールカ〉は、恋人に裏切られて男たちに復讐する女戦士の話を音楽にしたもの。
オーケストラのアンサンブルは少々ラフですが、勘所はしっかり押さえているので、気になるほどの粗はありません。
男をだますための宴の場面では整然とした奏楽で演奏され、酔いつぶれた男たちのフニャフニャっぷりと好対照を成しています。最終局面の追い上げも素晴らしく、猛烈に煽り立てながら、決して暴力的な音楽運びにならないところに妙味があります。

第4曲目の〈ボヘミアの森と草原〉は、第1曲目および第2曲目と同じくチェコの自然を称える音楽です。
冒頭から、何かが堰を切って流れてくるような凄まじい大鳴動を響かせ、一気に聴き手の心を鷲掴みにします。
ホルンで提示される民族的なメロディのまろやかな味わい、そのメロディを木管楽器に渡し、オーケストラのフル・サウンドにまで持っていくところまでの感動は、筆舌に尽くしがたいものがあります。
弦楽パートのサウンドが、細かいところで崩れ気味ですが、これがかえって民衆の大合唱のような熱気を演出しているような気がします。

第5曲目は〈ターボル〉と名づけられていますが、これはフス派の拠点となった町の名前です。
フス派のトレード・マークとして歌われたコラールを中心主題にして、実に荘厳な音楽が奏でられます。
ティンパニの打音からして迫真の演奏であり、強い意志を感じさせます。

第6曲目は〈ブラニーク〉というタイトルがつけられていますが、これはチェコの守護聖人が眠るとされる山の名前です。
第5曲で使われたコラールを大々的に使い、最終的には第1曲目の主題も顔を出して連作交響詩間の結びつきを強固なものにしています。

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