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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Giovanni Battista Pergolesi: La serva Padrona
Renata Scotto (S: Serpina)
Sesto Bruscantini (Br: Uberto)
I Virtuosi di Roma / Renato Fasano
(Rec. 1960, Milano)



《奥様女中》は、ジョヴァンニ・バティスタ・ペルゴレージ(Giovanni Battista Pergolesi, 1710-1736)の代表作の一つ。
元々、ペルゴレージが1733年に発表した歌劇《誇り高き囚人》の幕間劇として用意したものでしたが、本題の歌劇よりもおまけとして作曲したはずのこの曲が大当たりを取り、ペルゴレージの名前を一躍有名にしました。
この《奥様女中》の台本は、ジェンナロ・アントニオ・フェデリコ(Gennaro Antonio Federico, ?-1744)が担当し、その台本は、ヤコポ・アンジェロ・ネッリの戯曲を元ネタとしているとのこと。話の筋書きは以下のとおり。
老主人のウベルトは、女中のセルピーナが言うことを聞かないのに腹を立てています。
呼んでも返事すらしないセルピーナに、召使のヴェスポーネを呼びに行かせますが、セルピーナはヴェスポーネを返り討ちにしてしまいました。さらには、セルピーナはウベルトまでやり込めてしまい、セルピーナの後見人であるウベルトは結婚すると言い出しました。すかさずセルピーナは「じゃ、私と結婚するのね?」と切り返し、ウベルトは「なんでやねん!」とツッコミを入れるのでした。

セルピーナはヴェスポーネに鎧甲冑を着せ、「テンペスタ」という名前の軍人に変装させました。
その「テンペスタ」をつれて、ウベルトのところに行き、「この冷酷非情なテンペスタと結婚しなければならなくなった」と、セルピーナはウソの報告をします。さらにセルピーナはウベルトに「彼から結婚の持参金を用意しろといわれている」といい、ウベルトを狼狽させます。
「持参金が用意できなければ、後見人のウベルトと結婚しろ。さもなくば、家をめちゃめちゃにする・・・と彼が言っている」と、セルピーナはさらにウベルトに脅しをかけ、ウベルトはセルピーナと結婚することを約束します。
婚約が成立した後、「テンペスタ」の正体がヴェスポーネだと判明して、ウベルトはカンカンに怒りますが、もはや後の祭りでした。
ソプラノ歌手が歌うセルピーナ役とバリトン歌手が歌うウベルト役、そして黙役のヴェスポーネの三人だけという登場人物で上演されるシンプルな歌劇で、1751年にフランスでイタリアの巡業歌劇団が上演したときには、大変な論争を巻き起こしました。ジャン=ジャック・ルソーをはじめとする百科全書派の知識人たちは、この簡にして要を得た作品に賛嘆し、フランスの歌劇をゴテゴテして不自然なものだと攻め立てました。こうした論争は、国王や寵姫ポンパドゥール夫人などがフランス・オペラを擁護し、王妃や前述ルソーらがイタリア・オペラを擁護したため、後々、ブフォン論争と言われるようになりました。
なにはともあれ、フランス・オペラのあり方に一石を投じた作品として、ペルゴレージの《奥様女中》は、音楽史的にも重要な作品とされています。

本CDに収録の演奏は、レナータ・スコット(Renata Scotto, 1934-)とセスト・ブルスカンティーニ(Sesto Bruscantini, 1919-2003)という、録音当時のイタリアのトップ・クラスの歌手の共演。オーケストラ伴奏は、レナート・ファザーノ(Renato Fasano, 1902-1979)指揮するローマ合奏団です。
スコットの声が、第二幕のアリア〈セルピーナのことを思ってみてください〉など、清澄な歌声で純情可憐な女の子を演じているように、非常に完成度の高い声で魅了しますが、小悪魔的な魅力という点では、やや貫禄がありすぎるかと思います。
ロッシーニ作品で評価の高いブルスカンティーニは、作品の喜劇的性格をよく心得ており、第一幕冒頭のアリア〈待てど暮らせど来ない〉の軽妙さや、レチタティーヴォでのスコットとのやりとりなど、芸達者な歌唱で性格俳優振りを発揮しています。
ファザーノ率いるローマ合奏団は、イ・ムジチのライバルとしてイタリア・バロック音楽の演奏に定評のあった団体。たっぷりと歌う演奏振りは、この作品をゴージャスに聴かせる一助となっていますが、キビキビとした動きが多少犠牲になっている感があります。

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