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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Pyotr Ilyich Tchaikovsky: Piano Concerto No.1 in B flat major, op.23
Valentina Kameniková (Pf)
Bruno State Philharmonic Orchestra / Jiří Pinkas
(Rec. 19-20 September 1970, Bruno)
◈Sergei Rachmaninoff: Piano Concerto No.2 in C minor, op.18
Mirka Pokorná (Pf)
Bruno State Philharmonic Orchestra / Jiří Waldhans
(Rec.1968, Bruno)



ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(Pyotr Ilyich Tchaikovsky, 1840-1893)とセルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Rachmaninoff, 1873-1943)のロシアの作曲家によるピアノ協奏曲の有名作品のカップリングです。

チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は1875年に完成した作品で、親友のニコライ・ルビンシテインに献呈するつもりで書きました。出来上がった作品をルビンシテインに見せたところ、こっぴどく貶されてしまったため、献呈を諦め、ドイツ人ピアニストのハンス・フォン・ビューローに捧げることにしたそうです。
ビューローがアメリカで初演して大成功を収めると、「演奏不可能」と突っぱねたルビンシテインはチャイコフスキーに謝罪し、自らも演奏してこの作品の普及に力を注ぐようになったとのこと。
チャイコフスキーのこの協奏曲は、従来の協奏曲のスタイルからすれば、かなり頭でっかちな作品だといえます。
演奏時間にして第1楽章が半分以上を占めており、そのアンバランスさが、ルビンシテインの目に適わなかったものと思われます。また、ルビンシテインの死後にチャイコフスキーは作品を改訂しているので、演奏上の問題点もあったものと思われます。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、1901年に作曲された作品です。
1895年に交響曲第1番を書き上げたラフマニノフでしたが、初演の時、指揮を務めたアレクサンドル・グラズノフがひどい演奏をし、その結果音楽評論家たちからコテンパンにされてしまったので、極度のノイローゼになってしまいました。
ピアニストとしての活動には支障をきたさなかったものの、作曲が全く出来なくなったため、友人たちの勧めで、精神科医のニコライ・ダールの診察・治療を受けることになりました。
ダールの暗示療法で回復したラフマニノフは、ダールの暗示通りのピアノ協奏曲を書き上げました。それがこのピアノ協奏曲で、ラフマニノフは、自分を治療してくれたダールに作品を捧げたということです。

演奏は、チャイコフスキーのほうを、ヴァレンティーナ・カメニーコヴァー(Valentina Kameniková, 1930-1989)がピアノ独奏をし、イルジー・ピンカス(Jiří Pinkas, 1920-2003)が指揮しています。
ラフマニノフの作品は、ミルカ・ポコルナ(Mirka Pokorná, 1930-)がピアノ独奏を担当し、伴奏指揮をイルジー・ワルドハンス(Jiří Waldhans, 1923-1995)が執っています。伴奏のオーケストラは、両者ともブルノ国立フィルハーモニー管弦楽団でした。
カメニーコヴァーは、日本ではあまり紹介されてこなかったピアニストですが、ゲンリヒ・ネイガウス門下のウクライナ人で、プラハ音楽院の教授として活躍した人です。
ピンカスは、ラフマニノフで伴奏指揮を務めるワルドハンス共々チェコの指揮者で、プラハの国立歌劇場で活躍した指揮者でした。
ポコルナは、チェコ出身のピアニストで、1951年に開催されたプラハの春国際音楽コンクールのピアノ部門で第3位になった人です。

カメニーコヴァーの演奏は、派手な身振りでハッタリをかまさない、正攻法の出来栄え。
特に第2楽章がクリスタルのように美しいタッチでメロディを紡ぎだしていて秀逸です。
両端楽章はあまり熱狂的な雰囲気に流されない、落ち着いた演奏ですが、伴奏の盛り上げ方が上手いので、思わず聴かされてしまいます。

ポコルナによるラフマニノフの演奏は、やや曲者です。
曲のニュアンスを自由に読み替え、第2楽章では部分的にカットもしているとのことなので、正統派な演奏ではありません。
オーケストラは、ピンカスの伴奏に比べて、ワルドハンスはややラフにオーケストラをコントロールしていますが、勘所を外さない演奏を聴かせています。ただ、ポコルナが時々テンポを落として複雑に入り組んだピアノのソロを明瞭に聞こえるように解体しようとするため、どうしても推進力が持続しないという欠点もあります。

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