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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Feruccio Busoni: Piano Concerto op.39
John Ogdon (Pf)
Mens Voice of the John Alldis Choir
Royal Philharmonic Orchestra / Daniell Revenaugh
(Rec. 20-22, 26 & 28 June 1967, No.1 Studio, Abbey Road, London)



フェルッチョ・ブゾーニ(Feruccio Busoni, 1866-1924)は、イタリア生まれの作曲家。
エイプリル・フールに生まれた彼は、自分自身道化的性格があると信じていました。
しかし、ヨハン・ゼバスティアン・バッハらの対位法的音楽に親近感を持っていた彼は、複雑に入り組んだ作品を書くことを好み、彼が自称していた性格ほどの愛想はありません。

ブゾーニのピアノ協奏曲は、1902年の夏ごろに着手し、1904年の8月ごろに脱稿した作品で、演奏時間にして一時間以上かかる大作です。
曲は〈プロローグと入祭唱〉(Prologo e introito)、〈陽気な楽章〉(Pezzo giocoso)、〈厳粛な楽章〉(Pezzo serioso)、〈イタリア風〉(All'italiana)、〈賛歌〉(Cantico)の5つの楽章からなりますが、曲の要は、奇数番の楽章にあり、偶数番の楽章は間奏曲のような役割を果たしています。
特に〈賛歌〉では、デンマークの詩人であるアダム・エーンスレーアの戯曲『アラジン』の言葉を歌詞にして合唱を付け加えており、ピアノ協奏曲としては破格の作品に仕上がっています。
元々、ブゾーニは、エーンスレーアの『アラジン』をオペラにする構想でしたが、結局そのオペラを作ることはなく、その構想の遺産を、この第5楽章に加えています。
ブゾーニが思いつくありったけのものを投入した作品なので、少々雑多な印象があります。

演奏は、イギリスのピアニストであるジョン・オグドン(John Ogdon, 1937-1989)が独奏を担当しています。
オグドンは、マンチェスター音楽大学の出身で、作曲家としても活動していました。同じマンチェスター音楽大学出身のピーター・マクスウェル・デイヴィスやハリソン・バートウィッスルらと並んで、イギリスを背負って立つ音楽家として、将来を嘱望されたオグドンでしたが、ピアニストとしての腕を磨くためにエゴン・ペトリに短期間師事していたこともあります。
オグドンの師匠であるペトリは、本CDでロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団とジョン・オールディス合唱団のタクトを取るダニエル・リヴィノー(Daniell Revenaugh, 1934-)の師匠でもあります。
リヴィノーは、ブゾーニ門下だったペトリに師事したピアニストで、師匠の意志を継承してブゾーニ協会の発起人になった人です。また、リヴィノーは、エルネー・ドホナーニの元で指揮法なども学んでおり、本CDでオグドンの伴奏指揮をするにはうってつけの人材でした。
オグドンとリヴィノーの二人にとってみれば、この協奏曲を得意とした自分たちの師匠へのオマージュという意味づけもあったものと思われます。

この曲は、ドン・キホーテが風車に立ち向かうかのような滑稽な無謀さがありますが、当時脂の乗り切っていたオグドンの演奏は、ブゾーニがこれでもかというくらいに書き込んだ音の塊をガンガン攻略し、作品の全貌を暴きださんばかりの勢いを持って演奏しています。
リヴィノーの指揮もオグドンに同化し、重厚というよりはコレステロールいっぱいなオーケストラ・パートを丁寧にさばいています。
比較的短い第2楽章でさえ、めまぐるしく曲調が変わり、ピアニストもオーケストラも音楽に振り回されがちですが、オグドンたちはひたすら攻めの姿勢で一貫しており、音楽の破格なスケールと誇大妄想的な発想をしっかりと描き出しています。

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